下妻物語 (2004)

監督・脚本/中島哲也
出演深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ
岡田義徳、小池栄子、矢沢心、荒川良々、生瀬勝久、本田博太郎
樹木希林

18世紀のフランス・ロココ時代に憧れを抱くメルヘンチックな女性
と、不良の女性が織りなす不思議な友情物語。

いやぁ面白いなぁ。
田舎と言うことを逆手に取り下妻という土地を随分魅力的に描いた
感じ。
ジャスコネタがかなり冴えを見せていたけど、海外にもこのチープ
さが伝わったのかな。
カンヌJr.フェスティバルで「下妻物語」がグランプリを受賞
したそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060529-00000039-sanspo-ent

とてもお馬鹿な映画だが、その分馬鹿が付くほど純粋さも持ち合わ
せている。
先進的な衣装とは逆に彼女たちの心の中は、意外と古風な感じで
義理人情に熱く、どんなに不良を演じていても物事の善悪に対する
分別は備え持っていて安心して見ていられる。
不思議な若者の価値観も、現代のような我が儘ゆえにその価値観を
当てはめる物ではなく、確固とした自分自身の存在価値を主張して
いるかのようだ。

感心するのは独特のカメラテニクックと照明による映像美だと思う。
調和の取れた田舎の映像、空の青さと大地の緑のコントラストが
とても映えていて見るものを釘付けにし、時には80年代当時の
映像のようにノイジィな感覚の映像をちらつかせて、群衆に紛れて
さまよい歩く二人の姿を映し出す。

仕事か友情の選択を強いられる場面がある。
今まで友情など必要なく、自分の趣味や価値観の前には必要な
存在だと思っていないものの、この場面でようやくハッキリと
した形で友情の大切さを知る。
土屋アンナは深田恭子に対し、一方的に借りを沢山作ってしまった
と嘆いているが、実際には双方向に刺激し合い、互いに必要とする
人物である事を上手い感じに仕上がっている。

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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