深呼吸の必要

脚本/長谷川康夫 監督/篠原哲雄

サトウキビの収穫期。
若者たちがアルバイト募集によって集められる。
その名も「キビ刈隊」。
今年は5人の男女が沖縄に集まってきた。

2004年の映画だが、ドラマに出演するのは現在では一線で活躍
する若手俳優が勢揃いした感じの、有る意味では超豪華メンバー
だ。

青春群像劇にありがちなメンバー構成、そして殺伐とした雰囲気
の中から、次第に何かをつかみ取っていく内容だ。

良い映画といえば良い映画なのだが、面白みには欠ける内容だった。
正直記憶にさえ残るのさえ難しい程、エピソードに魅力があるわけ
でもなく、映像に凝った仕掛けがあるわけでもない。
如何にも低予算で作られた映画といった感じに、期待値もそれ程
高いモノではなく、私個人としては眠気を誘う典型的な日本
映画だった。

ドラマでは本土の生活で何らかの問題を抱えた人間が、何人も
受け入れるという沖縄での生活を通して、体の中の毒素を抜いて
再び日常生活に戻っていくという流れがある。

日常生活に煮詰まったのならば、こういった価値観の違う土地で
自分を見つめ直すにも良いかもしれない。深呼吸の必要は確かに
必要なことで、肩の荷を降ろすためには、沖縄という土地は最適
だと思う。

ただどのエピソードを見ても自分をさらけ出して膿を出し切った
とは思えず、問題を解決するに至るエピソードが有るわけでもない。

同じ時間の共有が親近感を募らせ、それだけで問題が解決して
しまうようなシナリオの薄っぺらさで構成している点がなんとも
お粗末だ。

先日夏クールのドラマで「牛に願いを」というドラマが放映された
が、このドラマと似た様な内容だった。ドラマでは親子関係や
郷土の吸収合併がテーマとなっていたが、2時間の映画の中にも
こういった一本骨太のテーマが欲しいところだ。

出演/
立花ひなみ:香里奈
池永修一:谷原章介
西村大輔:成宮寛貴
土居加奈子:長澤まさみ
川野悦子:金子さやか
辻元美鈴:久遠さやか
田所豊:大森南朋

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆ (4.0)

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