スポッツウッド・クラブ (1991年)
Spotswood

監督/マーク・ジョフィー
出演/アンソニー・ホプキンス、ラッセル・クロウ、トニー・コレット
ベン・メンデルソン、アーウィン・カーツ、ブルーノ・ローレンス
ジョン・ウォルトン、レベッカ・リグ、アンジェラ・パンチ=マグレガー
ダニエル・ワイリー

人情経営で切り盛りする企業が、経営の建て直しを図るためリストラを
断行する。人員削除される人たちの人間性を先に立たせて、非情な宣告
に対する憤りと切なさを描いた作品。

より変化を嫌う風潮が漂う田舎街の中で、情と誇りが支えの古典的な
経営手法と、管理と効率化が優先される近代的な経営手法との対立。

映画は"情"に対する感覚ばかりを視聴者に喚起して"現実"を無視して
しまう。
映画としては、より経営者側の視点で描き、生き残りを賭けた経営者
側の切迫感と、生活のかかる労働者側のリアル生活感の綱引きが必要
だ。

本来映画が突きつける責任の所在を、労働者の意識改革に向けるべき
展開が、全て企業側に指導する為にやってきた外部の男に背負わせて
しまう為に、同時進行している恋愛などの人間関係の葛藤も含めて
全て消化不良のままエンディングを迎える(゚□゚)

"情"を取る事は人間としては間違いない行動で、時にはそんな風潮
が残る場所が有っても良いのだが、視聴者を納得させるには、最低限、
そんな風潮を残したいと思わせるだけの説得力のある労働者の意識
の変革のシーンを映画の中に盛り込むべきだった(´ω`=)

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