タイヨウのうた (2006年)

監督/小泉徳宏
脚本/坂東賢治
出演/YUI、塚本高史、麻木久仁子、岸谷五朗、通山愛里
田中聡元、小柳友、小林隆、マギー、山崎一

海辺の街に暮らす16歳の少女、雨音薫。
まだ太陽の日が差し込まぬ早朝、窓辺から外を眺める。
いつも通りかかる一人の高校生の姿を見つめていた。
そして太陽が昇る頃、彼女は布団の中に入る。
彼女は太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気の為、
昼夜逆転の様な生活を続けていたのである。
夜になると大好きな歌を歌うためギターを片手に街に繰り出す
日々。いつもと同じ様にストリートライブの場所で時を過ごす
彼女。気に掛けている高校生・藤代孝治が通ると驚きと共に
気がつくと彼の元へと走り出した。

ドラマ版の方が先に見たので、「タイヨウのうた」というと
沢尻エリカ&山田孝之コンビを思い出してしまう。

雨音薫の視点で眺めてみるとYUIのプロモーションビデオの様
に見えたり、藤代孝治の視点で眺めると一夏の想い出といった
感じが強い。
しかしドラマと比べてテンポも格段に良く、初々しいYUIの姿に
好感の持てる内容だった。

ドラマではプロデビューの時までを綴ってみたり、藤代孝治の
生い立ちにまで深く掘り下げるモノが有ったが、ここでは
バッサリと省略されている。

ドラマとしての興味のポイントは幾つか存在する。
一つ目は出会いの場面。
太陽の下でサーフィンに興じる青年と、月の下で音楽に興じる
症状がどのようにして出会うのかという事。
二つ目はどんな場面で自分の病気の事実を彼に語るのかという
事だろうか。

初めてのデートの帰りにあっさりと病気の事実が分かってしま
ったり、病状が進行してからの容体の急変具合があまりにも
テンポが早いので悲しむ暇もなく展開が進むきらいは有るが、
逆に好感の持てる点でもある。

お互いの相性が良いことを証明するかのように、出会いの自己
紹介の場面や互いに悲しむときのなぐさめの仕方にリフレーンの
様な繰り返しの演出が良かった。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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