天然コケッコー(2007)

監督: 山下敦弘
プロデューサー:小川真司、根岸洋之 
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎、春藤忠温、山路則隆 
谷泰三、御領博、森元晴一 
企画:前田直典 
原作:くらもちふさこ
脚本:渡辺あや


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山と田んぼが広がる木村町の学校は、小学校の中に中学校まで
併設されている。生徒は僅か6名。
3年生のカッちゃん、中1の伊吹と散髪店の娘・篤子。
小学6年生の浩太郎。1年生の早知子。そして中学2年生の右田
そよ。
早知子がお漏らしする中、東京から大沢広海というイケメンの
生徒が転校してくる。そよにとっては初めての同級生にワクワ
ク。
しかしそよは早知子のお漏らしのパンツを洗った後、給食の際
に広海から手はよく洗ったかと言われて幻滅する。

学校帰りは生徒全員で帰宅する。みんな広海に対して町のこと
を説明する。買い物には何処に行くのか。病院は何処にあるの
か。そんな話をしていると突然そよは広海に対して憤りを感じ
この村の人たちは医者など不要だと告げる。

ある夏、そよは暑くてぐっちりとする中、田村のじっちゃんの
娘が15年ぶりに帰郷したという話を家族がしているのを耳に
する。夫は女を連れて逃げ、娘の美都子は喘息が酷くなった事
で帰郷を許されたのだという。

そんな中、みんなで海に行くことになる。
伊吹たちは広海も誘ってあげようと告げると田村の家へと向かう。
そよはそこで初めて広海が田村のじっちゃんの孫であることを
知って親近感が沸く。
海へいく道をみんなで歩いていく。すると一本の別れ道に差し
掛かる。広海は何故みんなが遠回りするのかと不思議がり、
自分は一人で橋の有る方から海岸に向かうという。仕方なく
みんなで跡を付いていく。橋に差し掛かると、中央付近で花が
添えられている所があった。そこはかつて女性が男性に振られて
飛び降り自殺した事のある場所だった。
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映画「リンダリンダリンダ」の監督の作品らしい。
「リンダリンダリンダ」と同様にびっくりするほど展開が淡々
としていて、比較的見やすいドラマとなっているが、出演者の声は
やたらと小さく聞こえるし、リンダと同様に等身大の学生の姿の印象的
なシーンだけを切り取って構成したような話だった。

田舎の映像とか臨場感という意味ではとてもよく撮られた内容
で、所々で青春の甘酸っぱい所が見え隠れする。
しかし祭りとか、修学旅行など印象的なイベントが描かれるも、
その中で起こるドラマに象徴的なイベントは無い。

登場してくる俳優人がやたらと魅力の溢れる俳優人で固められて
いるが、その素材を活かすほどのドラマが用意されて居らず、
どれも描くだけ描いて、視聴者に丸投げするような舌足らずな
演出が目立つ。

登場人物の行動からは行動の意図に深さが感じられず、短絡的
に青春に経験するであろう事を一コマ一コマ挿入した感じのする。

気がつくとドラマは春夏秋冬、それぞれの季節柄のイベントを
一つ一つ消化していくが、出会いの頃から最後に至るまで、ほぼ
強弱無しの人間関係が描かれていて、やや妙味を失う内容だった。

しかし夏帆&岡田将生の一番旬な時の作品という事もあって、
今のウチにどんどん青春・制服ドラマに出演して欲しいなと
思わせる作品だった。

右田そよ …… 夏帆 (中学2年生)
大沢広海 …… 岡田将生 (中学2年生)
右田以東子 …… 夏川結衣 (母)
右田一将 …… 佐藤浩市 (父、美都子に二股をかけられた過去)
田浦伊吹 …… 柳英里沙 (中学1年生・短髪)
山辺篤子 …… 藤村聖子 (中学1年生・長髪)
右田浩太郎 …… 森下翔梧 (小学6年生・そよの弟)
田浦カツ代 …… 本間るい (母)
田浦早知子 …… 宮澤砂耶 (小学1年生)
篤子の父 …… 斉藤暁 (散髪店)
シゲちゃん …… 廣末哲万 (郵便局のお兄さん)
松田先生 …… 黒田大輔 (担任の先生)
大沢美都子 …… 大内まり (広海の母、散髪店で働く。ぜんそく)

田代忠雄、二宮弘子、井原幹雄、中村朱實、渡辺香奈
岩崎理恵、大津尋葵、峰崎雄太、前田想太、浅田茂人、能島瑞穂
上田静香、服部富士夫、大畑喜彦、新垣昌利


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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