映画 「天使」 (2005年)

監督: 宮坂まゆみ
原作: 桜沢エリカ
脚本: 奥寺佐渡子

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加藤はなかなか恋愛に対して積極的になれずにいた。
同じ職場で働く彼女からデートに誘われるも、何処か他人行儀。
クラブでのデートでジンライムを頼むと、ふと現れた女性が
その酒を勝手に飲み干してしまう。追加を頼むがその酒もまた
何も言わずに飲み干した。
帰宅するとその女性はいつの間にか部屋の中にもいた。突然
キスをしてくる。しかしその女性は他人には決して見えなかっ
た。

吉川は仕事と子供と恋人・カスミの間で激しく揺れ動く。
5歳になる子供・ちーちゃんの幼稚園への迎へを彼女に頼む。
コンビニに立ち寄るとちーちゃんにも天使の姿が見えるのだっ
た。

高校生のみづほはこの日、友達の彼氏の事を奪ったとして友人
達から仲間はずれにされていた。学校をサボって補導される
彼女。両親が離婚して以来、母親との関係も上手く行って居ら
ず、彼女は飛び出し歩道橋の上から飛び降りようと考える。
しかしそこに天使が現れまばゆい光を放つと彼女は目が眩み
歩道橋の下に落ちてしまう。しかし不思議なことに下に叩き
付けられる前に、彼女の体は宙に浮いた。
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3つの全く関係の無いような話。
しかし不思議と散漫だった物語が展開が進む毎に一つに纏まり
を見せ始めていく。

恋愛、友情、家族。3つのエピソードはどれもその関係に悩んで
いるというもの。仲違いしている関係を天使の出現によって
結びつけるというものだ。

天使の気紛れさがなんとも言えない。
一言も喋らず何をしているのか全くの意味不明な点。意図して
人間関係の修復に努めようとしているのではないのに彼女が
関わってくると関係が修復されていくというのが面白い。

女性監督、女性脚本家、女性原作者と女性尽くしの映画で
女性ならではの柔らかさに溢れた映画ではあるが、反面スパイス
自体が足りない気がする。最初の一時間は問題である現状を
描くための時間であるが、その辺の時間の使い方がやや退屈。

日常何処にでも有る場面を描きたかったのだろう。
しかし背景にあるものが見えづらいのも確かだ。
天使が見える見えないの人の差がドラマに都合良く設定されて
いる。

メルヘンな役を深田恭子が演じている。
天使の羽根が微妙に動いているところが可愛い。
高瀬友規奈のイヤリングに興味を見せてずっと引っ付いている
所が個人的には笑えた。

天使 (深田恭子) ジンライムが好き
カスミ (永作博美) パパの彼氏
吉川・パパ (永瀬正敏) 離婚した
カトウ (内田朝陽) コンビニでハイ゛ト
美帆 (佐藤めぐみ) 猫を探す
みづほ (小出早織) 友達と喧嘩
奈津 (西田尚美) わがまま姉
猫おばさん (鰐淵晴子) 猫沢山
ユミ (大竹佑季)
恵美 (小林明実) 料理好きの妹
ちーちゃん (森迫永依) パパの娘
多野社長 (泉谷しげる) パパが勤める会社の社長

高瀬友規奈、風間れいら、松原静香、安藤希、春海四方
やまだひさし、星野園美、舟木幸

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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