LIMIT OF LOVE 海猿
(2006年)

監督:羽住英一郎 
製作:阿部秀司、尾越浩文、島谷能成、亀井修 
プロデューサー:臼井裕詞、安藤親広 
製作総指揮:亀山千広
企画:関一由、堀部徹 
原作:佐藤秀峰
脚本:福田靖

映画"海猿"】【連ドラ版"海猿"】【映画"LIMIT OF LOVE 海猿"】【映画"THE LAST MESSAGE 海猿"】


「史上最悪の海難事故発生!究極の愛と絆を描く」
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海上保安官の仙崎大輔は、旅客機墜落事故の現場へと来ていた。
暴風雨によって天候は荒れ、178名の遺体が霧島海岸へと流され
残りの乗客員である61名も絶望視される中、2名の無事が確認
されすぐにヘリコプターを使い上空から救助を開始する。
しかし仙崎の所属する救助チームの隊長・北尾は風で救助の
タイミングが掴めないと本部に報告。なんとか大輔は救助の手
を伸ばすも、2名は助けられないと見て、成人男性の救助は諦め
子供を助ける。

3ヶ月後。
鹿児島・第十管区で機動救難隊員として働く大輔は、恋人・
伊沢環菜とは遠距離恋愛中。
この日突然環菜は彼に逢いに鹿児島までやってくる。何処に
行けばいいのか?と環菜は彼に電話すると、彼女は待ち合わせ
である防波堤で待つ。すると彼は上空からヘリで環菜にメッセ
ージを送る。

大輔と環菜は、同じ隊で働く救難隊員の吉岡と共に食事をする。
環菜は横浜から車で飛ばしてきたのだという。彼女は日本橋の
本町を職場にしていたが、今度自宅でも仕事を出来るように
してもらったとして、新たに刷り上がった名刺を手渡す。
環菜は大輔からのメールが毎回遅すぎることを指摘。結婚をする
と決まったのに、式場の事とか色々と相談すべき事が有ると
環菜は告げる。

環菜が泊まるホテルへいくと、吉岡もトイレに行きたいとして
一緒に付いてくる。環菜は大輔らをロビーに待たせると、部屋に
荷物を置いてくる。今回鹿児島に来た目的の一つは、彼に
ウェディングドレスを見せること。ドレスを着た環菜は、彼に
電話するが、電波の受信状況が悪く、部屋の外に出て通信を試
みる。しかしそれが仇となり、ホテルの部屋は鍵がかかってしま
い、ドレスを着たままの彼女は外に放り出された格好になる。
仕方なくドレスを着たままロビーへと向かうと、彼にその姿を
見せる。自分で作ったことを告げ、結婚式で着ようと思うがどう
か?と尋ねると、ドレスを見せるために鹿児島に来たのか?と
尋ねる。彼女は現在の状況が不安だという。なんとなく結婚の
話になりここまで来たが、ちゃんとしたプロポーズを受けてい
ないし、指輪も貰っていないという。ちゃんと安心したかった
のだというが、大輔は言葉が全く出てこない。少し時間をくれ
ないか?として、ゆっくり考えたいという。険悪な雰囲気になり
かけている事を知って、吉岡が仲を取り持とうとするが、環菜
は気まずいまま部屋に戻ってしまい、涙する。

鹿児島・機動救助隊空港基地で、大輔らは訓練を行おうとして
いた矢先、海難事故が有ったとの無線報告を受ける。北尾は
訓練の中止を告げ、このまま救助に向かうという。

事故は砂利運搬船とフェリーが接触したというものだった。
フェリーでは人々が助けを求め声を上げる。
そんな中にヘリコプターで近づき降下する救助隊員たち。

第十管区海上保安本部では、本庁の警備救難部・専門官の下川
が霞ヶ関からの命令で現場を指揮するために、やってくる。
保安部で働く三沢は、上司の桂木や課長の梨本を下川に逢わせ
る。
フェリーには620名が搭乗している事。概算として全員を救助
するには2時間くらい掛かるのではないかとするが、下川は
200人で2時間はかかるとして、4時間以上はかかる事を告げる。
しかもフェリーには190台以上の車が搭載されており、引火した
ら大変なことになると告げる。

こんなデカイ船が沈むわけがない。
そんな雰囲気が漂う中、大輔と吉岡は船底の調査へと足を運ぶ。
しかし船底からは不気味な音が鳴り響き、操舵室は火が出ている
にも関わらずスプリンクラーは作動していなかった。
傾いていくフェリーに対して、駐車しているバイクが次々と
倒れ、オイルが外に出て行く。
そんな中、大輔はフェリーに環菜が乗っていることを見掛ける。
更に目の前で妊婦である本間恵が倒れるのを見掛けると、大輔
は彼女の傷の手当てをすることになる。

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大輔と環菜は済し崩し的に結婚することが決まるが、しかし大輔
は救出中に助けられなかった男性の事が尾を引いて、結婚に
対して懐疑的になっていく。
そんな中で起きるフェリー衝突事件。果たして無事に助けること
が出来るのか。

2004年に映画版「海猿」。2005年に連ドラ版「海猿」。
そして2006年に公開された本作品。

前作の映画版「海猿」に比べると、かなり面白くなったし、
スケールも大きくなった。
ただドラマの展開上、フェリー内部での出来事という事で、パっ
と見、変わり映えのしない映像と繰り返されるアクシデントの
数々が、ややワンパターン化してしまった感じもする。

救出に於いてハードルを高くするために、要救助者には妊婦と
怪我という要素を含ませ、容易には助けられない状況を加味
させた。
これが良いのか悪いのかは良く解らないが、流石に妊婦を含ま
せると助けるのは難しそうな気がする。

時間的な切迫感を演出しつつも、時折ゆとり有る時間の様な
雰囲気が漂っているし、大輔と吉岡のやりとりを見ていると
場違いな感じも受けるが、危機的状況にこそ、こういう軽いのり
をすることで、要救助者の不安も取り除けるのかなと。

恋愛要素もとても興味深く描かれていたが、何と言っても今回
は仲間たちの結束感だったと思う。

この映画を観ているとTBSのドラマで、「RESCUE 〜特別高度
救助隊
」の事を思い出す。
助けられる事と助けられない事への判断力が問われる中で、
その見極めこそプロの仕事だと思わせるものが有った。
冒頭での旅客機墜落事故での一人を犠牲にしたエピソードと、
吉岡を置いてきぼりにしなければならない状況など、ありがち
と言えばありがちだけど、とても上手い描き方だった。
流石にハシゴから手を滑らせた妊婦の手を掴んでしまう辺りは
滑稽過ぎたけどね。

彼らのしていることが、他人の人生観を変えるに十分な影響力
を与えたであろう事は明らかで、テレビ局レポーターの志保里
や、悪態ばかり付いている海老原に、改めて人生の軌道修正を
図らせる所など、脇のエピソードも心地良く映るものだった。


仙崎大輔 …… 伊藤英明
伊沢環菜 …… 加藤あい
吉岡哲也 …… 佐藤隆太
本間恵 …… 大塚寧々
海老原真一 …… 吹越満
乙部志保里 …… 浅見れいな
桂木貞之 …… 美木良介
北尾勇 …… 石黒賢
三沢圭介 …… 津田寛治
梨本信士 …… 光石研
矢野達郎 …… 市川しんぺー
服部真佐彦 …… 荒川良々
本丸正也 …… 坂本雄吾
重富浩一 …… 菅原卓磨
瀬戸口滋 …… 江畑浩規
下川いわお …… 時任三郎

園部美由紀 …… 渡辺典子
伊沢歌子 …… 朝加真由美
冬柴康介 …… 鈴木一真
葛西真理 …… 渡辺尚子
光森千佳 …… 佐藤仁美
星野怜 …… 臼田あさ美
辻沙耶香 …… 川瀬良子
松原エリカ …… 香里奈
竹井真 …… 宮本大誠
大野唯 …… 一木有海
工藤始 …… 伊藤淳史
三島優 …… 二海東健
八重樫裕太 …… 古畑勝隆
渡辺マサヤ …… 青木崇高
川口淳 …… 村田充
林光平 …… 飯沼誠司
郡司謙介 …… 大口兼悟
山路拓海 …… 平山祐介
別所健次郎 …… 三宅弘城
永島康太 …… 坂本真
岩松大吾 …… 坂本あきら
三池健児 …… 飯田基祐
坂東茂 …… 田中哲司
大友信士 …… 中根徹
中迫夏子 …… 杏子
野村栄司 …… 田中聡元
武藤忠宏 …… 青木忠宏
中原響 …… 佐野進也
土屋誠 …… 深水元基
田所慎二 …… 斎藤工
堺和樹 …… 恵秀
矢吹真一 …… 布施博
大野里江子 …… 奥貫薫
池澤尚子 …… 芳本美代子
津田晋平 …… 益岡徹
池澤真樹 …… 仲村トオル
内村匡 …… 木場勝己
勝田孝太郎 …… 夏八木勲
三田村和也 …… 大和田伸也
肥後大作 …… 伊武雅刀
五十嵐正樹 …… 國村隼
源太郎 …… 藤竜也


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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