有罪判決/法廷に隠された真実 (1999年)
The Confession

監督/デヴィッド・ジョーンズ
出演/アレック・ボールドウィン、ベン・キングズレー
エイミー・アーヴィング、ジェイ・O・サンダース
ケヴィン・コンウェイ、アン・トゥーミー、リチャード・ジェンキンス 
ボイド・ゲインズ、クリストファー・ノース、ジェリー・バマン

病気の息子を病院に運ぶモノの、医療に携わるものとは思えない程
ぞんざいな対応によって、子供を死に至らしめてしまう。親はそんな
医療従事者に制裁(射殺)を行う。

人間が生み出した法律と倫理や真理といったものの狭間に立ち、整合性
を比べながら、一つの事件を追求する作品。

五万とある法廷映画の中でもこの映画としての特徴は、犯人自身が厳格
な態度で有罪判決を望み、それを弁護する者は昇進するための実績と
して減刑の為に動いている点だ。
犯人は子供を失う事でそれに関係した者たちを殺害し、自分も第2級
殺人の極刑判決を受けて死ぬ事を望んでいる。

情状酌量を訴えかけて少しでも刑が軽い方が良いという既成概念にも
似た心理の逆手を取るような意外性や特異性のある展開が、事件に対す
る複雑な状況を浮かび上がらせて、視聴者に議論すべき余地を残して
いるものの、映画としてはその後に待っている展開の方に重点が置か
れ、一連の事件は大して活躍もしていないアレックの為に踏み台にさ
れた感じがして、なんとも言い切れない歯切れの悪さが残る(・o・;)

似たような弁護士像を描いた作品にハリソン・フォードが演じた
"心の旅"(1991年)などが有るのが、"記憶喪失"という心の分岐点が明確に
善と悪との性格を対比させ、弁護士自身に課す多くの葛藤が有ったのだ
が、この映画は冒頭の悪徳ぶりを発揮していた弁護士像に比べると
その後の仕事ぶりが淡々とし過ぎていて、心を入れ替えた瞬間が分かり
づらく、盛り上がりに欠ける作品となった。

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