悪魔の人形 The Devil−Doll
1936年 アメリカ 79分 モノクロ
監督 トッド・ブラウニング 脚本 エーリッヒ・フォン・シュトロハイム
原作 エイブラハム・メリット 撮影 レナード・スミス
出演 ライオネル・バリモア、モーリン・オサリヴァン、フランク・ロートン




 

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 警察たちは、薄暗い森の中を捜索していた。本日、刑務所から2名の囚人が脱獄したのである。

 森の中にある一軒家では、高齢の老婦人が沢山の犬を飼っていた。その犬が騒々しく、外に向かって吠え
 始める。
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    2人の囚人ポールとマセル。
    長い歳月を刑務所で暮らした男たちは、それぞれの思惑を持って脱獄を決意する。マセルには、野望の
    為の科学的な実験の為。そしてポールは、無実の罪で投獄された事を恨み、罪を擦り付けた3人の男
    たちに復讐するためである。果たして彼らが起こすその方法とは?

    うーん、もの凄く迫力が有り、そして有る意味、もの凄く狂気的な映画であると思います。
    その思いは、トッド・ブラウニング(Tod Browning)監督の映画を見てきた人程、強く感じるものなのでは
    ないでしょうか。
    この映画でも、2人の男が刑務所から飛び出す訳ですが、1人は研究の名に於いて人類を小人族の
    世界にしようとしている事。もう一人は、無実の罪で刑務所に送られた事への恨みを晴らすために
    出てきたのです。

    映画でも恐ろしい思いがするのが、やはりどちらかというと世間的には弱者と言われる人が復讐を企てて
    決行するという事です。
    この映画でも復讐の手段として、作り上げた小人を使って、次々と決行していきます。

    ライオネル・バリモア(Lionel Barrymore)が演じるラボンには、この恐ろしい復讐手段とは逆に、その
    根底には、意外にも涙を誘うような思いがあります。親子の絆を取り戻すため・・・というよりも、自分が
    犯罪者として投獄されたが為に、家族の者たちの世間的信用の回復を第一に考えています。

    ライオネル・バリモア   (ポール・ラボン/アンドロプ)  マセルと一緒に脱獄。無実の罪で17年間服役した。
    モーリン・オサリヴァン  (ロレイン・ラボン/娘)      一家が犯罪者の烙印を押され、父親ポールを恨んでいる。
    フランク・ロートン     (トト/ロレインの恋人)      タクシードライバー。ロレインに求婚するが・・
    ラファエラ・オッティアノ  (マリータ)             マセルの妻。マセルの意志を継ぎ、実験を行うが・・
    ロバート・クレイグ     (エミール・コルベイ)       銀行家。犯罪者の一人。全身麻痺化される。
    アーサー・ホール     (ヴィクター・ラダン)        銀行家。犯罪者の一人。スモール化される。
    ペドロ・デ・コルドバ    (チャールズ・マティン)      銀行家。犯罪者の一人。
    ルーシー・ビアモント   (マダム・ラボン)          ポールの母親。
    ヘンリー・B・ウォルタール(マセル)              ポールと一緒に脱獄。
    グレース・フォード     (ラフェナ)             マリータに引き取られた。
    Juanita Quigley    (マーガレット・コルベイ)     エミールの一人娘。
    Clarire Du Brey    (マダム・コルベイ)        エミールの妻。
    Rollo Lloyd       (モーリス刑事)          事件を追ってアンドロプ家にやってくるが・・
    E.Allyn Warren    (警察長官)
    ビリー・ギルバート     (マーチンの執事)
    Eily Malyon       (洗濯屋経営者)         ロレインの雇い主。
    エヴリン・セルビー     (花屋)              アンドロプが母親のため、スミレを購入。
    Frank Reicher     (医者)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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