エイリアン4 Alien Resurrection
1997 America 107mins
監督 ジャン=ピエール・ジェネ 製作 ゴードン・キャロル、デビッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
製作 ビル・バダラート 脚本 ジョス・ウェドン 撮影 ダリアス・コンジ 音楽 ジョン・フリゼール
出演 シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー、ロン・バールマン、ダン・ヘダヤ、J・E・フリーマン




 

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 連合軍(USM)医療研究用宇宙船オルガ号。乗組員/軍籍者42名、研究員7名。
 ”フィオリ161”で亡くなったハズのエレン・リプリーと姿形の全く同じのクローンが培養槽から取り出され、
 厳重な警戒の中、科学者たちは彼女のお腹を切り裂いた。冷凍状態で残っていたリプリーの血液を
 採取し、様々な実験を経て、彼女のクローンを作り上げたのであるが、科学者達の目的はそれとは他に
 あった。人間の遺伝子を掛け合わされて融合をはたしたエイリアンのクイーンを、培養していた彼女(8号)
 の腹から取り出そうとしたのである。順調に成長していたクイーン。しかしその母胎となっていた8号・・・切り
 裂いた腹を縫合して更に利用(実験)する価値はあるのか?を討議していた。8号の記憶は生前の時の
 一部が損失している以外は完璧に復元され、成人としての機能さえ備えている。何故記憶が復元出来たの
 か・・エイリアンの遺伝塩基情報に記憶されていたリプリーの記憶の再生・・エイリアンと戦った強靱な体、
 高度に進化した動物的本能・・それらが上手く組み合わさり、素晴らしい融合を成し遂げたのである。しかし
 生化学的な原因で、多少判断能力には問題があるのではあるが・・。
 再びリプリーに生を吹き込んだことに難色を示すペレズ将軍。リプリーはかつてエイリアンを根絶する為に
 戦って亡くなったのだから、それが再生すると、この研究には最大の障害となるのだった。彼らがエイリアン
 を実験にするのは幾つかの理由があった。新しい武器の開発、新しい合金やワクチンの開発など、人類に
 取って多大な貢献をもたらすのである。何十年、何百年間とこのエイリアンを求めていたウェイランド・
 ユタニ社はついにエイリアンを手にしたのであった。
 科学者達は、再生したリプリーとの口答による実験を試みる。すると既にクイーンの存在は知っているよう
 だった。リプリーはその事がこの館内の全員を死に至らしめるだろうと話し出す。
 この計画ではエイリアンを飼い慣らす事を第1に考えていた。しかしその考えの甘さに呆れ、仕込めるハズは
 ないと応えるのであるが・・・・

 一方、そんなUSM−オルガ号に接近する船が有った。国籍不明の民間貨物輸送船ベティ
 号(乗組員6名)。ベティ号の方から交信し、船を修理するまでの間、軍の協力をあおぐこと
 になった。オリガ号に停泊すると禁制品と武器の持ち込みをゲートで厳しくチェックされる。
 ベティ号のリーダー/エルジンは、上から監視していたペレズ将軍に話しかけ、二人は別
 室に入る。二人の間では多額の金銭の授受があった。一見、ベティ号は修理で停泊した
 と見せかけ、裏ではこの取引が行われるためにやってきたのである。
 しかもここは軍の研究船の規定宇宙空間外(太陽系辺境の冥王星の軌道を外れた場所
 にあるらしい)での取引という事も有って、軍の研究とはまた別の計画が蠢いていたので
 ある。ベティ船から数々の荷物が下ろされる。それを担当したのは、コールクリスティー
 だった。USM−オルガ号のコンピューター”ファーザー”の指示に従い、実験センターへと
 運んでいく。この中には冷凍催眠中の人間が入っていた。この研究に必要なエイリアンを
 培養するための媒体。闇取引して研究船は、それを手に入れるのだった。
 
右の写真、ベティ号の乗員ゲイリー・ドーアダンと船長マイケル・ウィンコット


 リプリーはバスケットをしている所に、ベティ号の乗員とオルガ号の乗員がやってく
 る。ジョナーが彼女に勝負を挑もうとするが、リプリーはボールを渡そうとはしなかっ
 た。後ろから奪い取ろうとすると、リプリーはジョナーに思いっきりボールをぶつける。
 それを見るとクリスティーも彼に応戦しリプリーを倒そうとするが、あっさりと熨されて
 しまった。一体何者なのだ・・・と、一同このやりとりを興味深そうに見ていた。
 
右の写真:リプリーからボールを奪おうとしているジョナー役のローン・パールマン(左)
 

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    『
エイリアン3(’92原題Alien3)から200年後の世界。科学者達は血液からリプリーを再生し、更にその
    リプリーのお腹にいるエイリアンを復活させた。元々エイリアンを倒す血が流れているリプリーの血の中
    には、半分エイリアンの母胎としての血も流れていた。果たして彼女はどういった行動を取るのか!?

    うーん、やっぱりウィノナ・ライダー(Winona Ryder)は良いな〜
    なんといっても何故『
エイリアン(’79原題Alien)にウィノナが出るのか!これが一
    番映画では謎な事でした(^^;(この映画の中で合っていなかったという事ではな
    く、エイリアンに彼女を出演させるという話しが何処から出たのか・・彼女に出演
    する事を求めた人、凄いです(笑))一途に人を愛した『
クルーシブル(’96原題
    
The Crucible)の鬼気迫る迫真の演技を見たところからなのでしょうか。この映画
    でも人間のために(意味深)一途に活躍を見せるウィノナは、やっぱり素晴らしか
    ったです。(シガニー・ウィーバー
(Sigourney Weaver)が強靱な役で、実際にも
    結構大きいから、ウィノナが凄くちっちゃく感じる(^^;)
 

    亡くなったハズのリプリーに居た子供に着眼し、それを掘り起こしてしまう脚本家(^^;
    英語の分からないフランス人監督(『
デリカテッセン(’91原題Delicatessen)ロスト・チルドレン(’95原題
    
La cite Enfants Perdus))による人気シリーズの続編。
    なんだか最初から不利な状況に置かれながら、なかなか頑張りましたよね。

    映画の素晴らしさはやっぱり、細かい芸を随所に鏤めた結果でしょうか。
    しかしイマイチよく理解できなかった事が有ります。
    それは、ラストで何故エイリアンの子供はクイーンを殺して、リプリーに懐いたのでしょうか?
    最後でエイリアン自身の子宮の中でエイリアンを身籠もることが出来るような展開でしたが、
    (今までは人間・動物の体内で成長するために、冷凍された人間が積み込まれた宇宙船をベティ号が
    奪って、この船に提供していた)このエイリアンが生まれたのもこのクイーンからですよね。確かにリプ
    リーはクイーンの母胎にはなっているので、最後でクイーンが彼女を包み込むような仕草を見せるのは
    分かるのですが、その子供にもそれが移っているのはどういう事なのか・・うーむ(^^;遺伝情報?
    少しやり過ぎだと思ったのは、エイリアンが銃弾を避けまくっているシーンです。キッチンが水没して
    おり、貨物エレベーターの場所でジョナーが銃を乱射しますよね。ようやく一発が当たるのですが、
    もの凄い俊敏な動作で次々と弾を交わしてしまうのです。ハリウッド版の『
ゴジラ(’98原題Godzilla)とい
    い、最近は体がでかいからといって相手の動作が鈍いとは限らないですね。

    この映画を見ていると思い出すのが、『
ロスト・ワールドジュラシック・パーク(’97原題The Lost 
    
World Jurassic Park)です。愚かな科学者が、エイリアンという未知の動物(動物なのか(^^;)に着眼し
    た事。そんなエイリアンを飼い慣らすことが出来るとばかりに、あの程度の檻の中で実験していた事など
    ・・・まるで恐竜をアメリカ本土に持っていこうとする人たちみたい。
    しかも生命が生きるために/種を保存するために、追いつめられた状況で生命が意外な反応を見せる
    ところなど特にそう感じました。ジュラシック・パークでは繁殖を抑えるために、DNAを操作して雄の
    恐竜しか生存させなかったのですが、卵が産まれる結果になりました。この映画では、エイリアン同士
    が対決し殺し合って、体内に流れる酸を利用し、檻の中から逃げ出してしまうのです。リプリーも随所で
    その方法を使用していましたよね。(配線板を焼いたり、ラストで館内の大気を逃がすために強化ガラス
    を酸でやぶる)
    最初から徹底的にそんな人間の愚かな一面を見せ、逆にエイリアンは徹底的に凶暴化した姿(上にも
    書いたようにクイーンさえも殺してしまう)を見せて、ラストでこのどちらも覆すような展開。なかなか面白
    い演出だと思いました。
    でもエイリアンに同情するっていうのも何だかなぁ〜(^^;
    僕の好きなジーナ・デイビス
(Geena Davis)が出演している『ザ・フライ』(’87原題The Fly)でも醜くなって
    いく蠅男(ジェフ・ゴールドブラム
(Jeff Goldblum))に同情していくような展開になるんだけど、やっぱり気
    持ち悪いモノは気持ち悪いですよね!

    そして特筆すべきはウィノナ・ライダー扮するロボットの存在。
    毎回必ずエイリアンワールドではロボット/アンドロイドが登場する(法律で民間の船には一体のアンド
    ロイドの乗船が義務づけられている)のですが、翻訳のせいなのか、脚本のせいなのか・・余程の『エイリ
    アン』好きかパンフレットなどを見ない限りウィノナの存在がイマイチ理解出来ないのではないでしょうか
    ?(^^;この辺の進化を見ていくのもエイリアンを見る上での楽しみでもありますね。
    映画の中では、登場人物の者がウィノナがアンドロイドだと言うことで驚いていましたが、彼女は人間が
    設計したのではなくロボットが設計してロボットの手によって作られたアンドロイドで、現在では政府が回収
    して殆ど存在しない種のロボットだという事です。今まで、搭乗していた人も分からないほど、ここ200年
    で合成人間の技術が格段に進化していますよね。

    なんだかんだ言っても及第点だと思うので、是非見てみて下さいね。

  ・USMオリガ号
    シガニー・ウィーバー  
(エレン・ウィーバー)     7号/8号役。彼女が血(酸)を流したら逃げるのが一番?
    ダン・ヘダヤ       
(ペレズ将軍)         後ろからプスリとやられます。
    J・E・フリーマン     
(レン博士)           ラストまで生き残る・・結構シブとい。
    レイモンド・クルツ    
(ディステファノ/軍兵士)  最後に子供エイリアンに頭を潰されます。
    ブラッド・ダーリフ    
(ゲディマン/科学者)   エイリアンと睨めっこ・・・あっぷっぷ(意味不明)
    キャロリン・キャンベル 
(科学者)
    マーリーン・ブッシュ  
(科学者)
    スティーブン・ギルボーン
(”ファーザー”の声)
  
・ベティ号(6人)
    マイケル・ウィンコット  
(エルジン)          結構アッサリと殺されてしまいましたね。
    ウィノナ・ライダー    
(コール)            レン博士に銃で撃たれてしまう。彼女の体のモデムは何BPS?
    ローン・パールマン   
(ジョナー/ナイフの名人)  ナイフ関係の通販を見ているのが笑えます。
    ドミニク・ピノン     
(ブリース/車椅子)     一時はエイリアンに囲まれて亡くなったと思ったけど・・
    ゲイリー・ドーアダン  
(クリスティー/ドレッドヘアー) チョウ・ユンファもビックリ! 二丁拳銃使い。
    キム・フラーズ      
(ヒラード/エルジンの女)  水中でエイリアンにやられてしまう。
  
・その他
    リーランド・オーサー  
(パーヴィス)         ラストで口の中へとカメラが侵入する映像は、ダリアス・コンジっぽい。

    David Rowe      
(凍る兵士)          腕が取れてしまうのは、「ターミネーター2」みたい。
    ロドニー・ミッチェル   
(兵士)
    ロバート・ファルティスコ
(兵士)
    ガレット・ハウス     
(兵士)
    ロッド・ダマー      
(兵士)
    マーク・マンスフィールド
(兵士)
    ダニエル・レイモント  
(兵士)
    チップ・ヌッゾ      
(兵士)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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