アタック・オブ・キラー・トマト 完璧版
Attack of the Killer Tomatoes
1995 America (原盤は1978年) 90mins
監督・製作・脚本 ジョン・デ・ベロ 脚本 スティーブン・ピース
製作 J・スティーブン・ピース 撮影 ジョン・K・キューレイ
出演 デピット゜・ミラー、シャロン・テーラー、ジョージ・ウィルソン




 

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 台所の流しの一個のトマトが突然人を襲う・・・現場検証をした結果、死亡していた女性の体に付着していた
 シミは・・トマトだった。また、別の場所では海で遊ぶ若者達がトマトに襲われ亡くなっていた。
 ラジオでは、トマトの異常成長に伴い奇妙な現象が報告されている。
 そこで、裏では大統領命令で調査員が派遣されていた。それに伴い調査委員会が設けられ、事実関係と、
 それに対する対策会議が開かれる。その席で科学班のノキタク博士(ポール・オーヤ)が、トマトの襲撃のため
 研究していたロボット人間の導入を検討し始める。その実験結果を見るが、予算の関係でまだ片方の足しか
 作動せず、ロボットは奇妙な動きを取る結果となった。
 また特捜班には、4人の特別優秀な人材が遣わされた。変装名人のサム・スミス(ゲリー・スミス)。水泳名人
 のグレタ(ベニタ・バートン)、潜水名人のグレッグ(スティーブ・ケイツ)、そして戦闘というものを熟知している
 フィンレター中尉(”ロック”・ピース)である。これを仕切るのはディクソン(デビッド・ミラー)だった。

 一方、一連の事件をラジオやTVで見て世間もこの事件に関しての騒ぎ始めたため、大統領側近の公式会見
 が行われ、記者?の中からはこの事件の実態を質問される。しかし混乱をさけるため、政府側からは断じて
 危機的な状況ではないというのだが・・・また上院調査委員会も開会され、この報告書が皆に配られる。
 しかし、この報告書の一部がある新聞社に流れ、この事件の調査を女性社会部記者のロイス・フェアチャイ
 
ルド(シャロン・タイラー)に任せた。上司からは、自分の持つ全てを使ってでも真相を証す事を命令されるの
 だが・・
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  人間vsトマトの恐ろしい戦争。このままでは、トマトの勢力に圧されて人類はトマトに支配されて
  しまう・・・果たして銃も利かないトマトを相手に勝算は有るのか!?

  うーん、これはなんとも凄い映画です(^^; 一言で言うと・・”アホ”な映画(あまり悪い意味で取らないで(^^;)
  なんというか大胆な発想すぎて、今時アメリカでこれを撮れる監督は居ないですよね。

  本作は、ティム・バートン(Tim Burton)監督やジョン・ランディス(John Landis)監督などのナンセンスな
  作品が嫌いって言う人はまず見ない方がいいと思います(それよりもかなり強烈)。
  トマトを人間に見立ててそれが突如人間を襲ってくるという感じの映画で、時として海水浴中の人間を襲って
  きたりするところなど、あの『ジョーズ(’75原題Jaws)をパロった感じの映画でもあるし、またそんな映画を
  皮肉っているかのような演出の数々を見ることが出来ます。最近のなんだかテカった感じのする特撮CG
  映画の合間にこんな映画を見るのもまた良いなぁと感じます。

  冒頭でいきなりアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)監督の(’63原題The Birds)を引き合いに
  出し、「最初は誰もが鳥が人間を襲うなんて・・とバカにしましたが」なんて監督から説明が有るところは、なか
  なかセンスが良く、これからこの映画を見る期待感を持たせてくれます。
  そもそもトマトが人間を襲うなんてシーンを如何に演出し、どのようにして撮影するのか凄く興味深かったです。
  そんなナンセンスシーンの中でも、ディクソンを襲うシーンなどは、トマトがいつまでもコロコロ転がっていき、
  アメリカンなオーバーアクションながらもかなり笑えました(笑)

  更に登場キャラクターがまた”アホ”ぶりを十二分に発揮してストーリーを盛り上げています。
  僕がBESTof脇役だと思ったのが、フィンレター中尉ですねー。なぜかいつまでもパラシュートを背負い、引
  きずりまわしているという(^^; この辺は見ないとなかなか伝わらない部分でもあるし、逆に最初からつまら
  ない映画だ・・と思ったら嫌悪感を覚えるかもしれません。また、妖しげな歌と踊りも良いですよね(笑)

  トマトの弱点は・・といえば、RONEY DESMONDの「PUBERTY LOVE(発情期の恋)」という歌。なんのこっちゃ
  ・・って感じですが・・・歌といえば、劇場版『マクロス カウントダウン』などでも、相手を動揺させ、自らの志気
  を高めるために使われた重要なものでしたよね。
  ラストは冒頭でもフィルムをつなぎ合わせて公開されたときに少し映像が流れた「アタック・オブ・キラー・キャ
  ロット テキサスチェーンソー」で締めくくられます(笑)

  そういえば、史上最低の監督ぶりを発揮した、エドウッド(エドワード・D・ウッドJr)監督の作品はこんな感じの
  映画なんでしょうか?(『エド・ウッド(’94原題Ed Wood)の中だけしか見たことが無いんです。)今度是非見つ
  けて見てみたいなーと思います。

  デビッド・ミラー     (ディクソンメイソン/特捜班)
  シャロン・タイラー   (ロイスフェアチャイルド/女性記者)
  ゲリー・スミス      (サムスミス/変装名人)
  ジョージ・ウィルソン  (ジム報道官/主犯)
  ベニタ・バートン    (グレタ/水泳名人)
  スティーブ・ケイツ   (グレッグ/潜水名人)
  ”ロック”・ピース    (フィンレター中尉)
  アル・スカラー     (スワン/マインドメーカー広告社長)
  ポール・オーヤ     (ノキタハ博士)
  アーニー・メイヤーズ (大統領)
  デビッド・フォール   (ブルース/壊れたロボット) 


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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