バックマン家の人々 Parenthood
1989年 アメリカ 123分
監督 ロン・ハワード 製作総指揮 ジョゼフ・M・カラシオロ
製作 ブライアン・グレイザー 脚本 ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル
出演 スティーブ・マーティン、メアリー・スティーンバーゲン、ダイアン・ウィースト
ジェイソン・ロバーツ、キアヌ・リーヴス、リック・モラニス




 

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  大好きな野球を父親と見に来るギル。しかし、肝心の父親は友人と会うからといって抜けだしてしまう。
  ギルが誕生日の日には必ず球場に連れてきてもらったが、横で一緒に見るのは父親ではなく、球場の
  案内係のものだった・・・
  現在35歳のギル。妻のカレンに子供は長男ケビン、長女テイラー、次男ジャスティンの五人家族。
  彼の夢は極普通の子供の居る幸せな家庭を作ることだった。
  今日は一家で野球観戦に行く。まだやんちゃな子供たちを3人も連れていく事はとても骨のいる作業で、
  ようやくゲームも終わり帰宅すると今度は子供達を寝かしつけるのに一苦労する。それも一息つくと
  ギルはカレンとベッドの中で子供たちの話をするのだった。中でも長男のケビンは、学校で少し他の子とは
  違った面を持ち、その事に関して校長先生から呼ばれているという。
  翌日、学校を訪れると担任の先生からケビンは少し神経過敏なところがあり、感情の起伏が激しいとして
  一度精神科医に診せることを奨められる。更に、来年度からそんな生徒を他の生徒と一緒には
  学習させられないと、遠巻きに知らされると息子が問題児扱いされたことに腹を立てるのだった。
  そして、自ら息子の治療をすることをいうと、足早にその場を去っていった。
  今日は姉のヘレンの家を訪れることになっていた。ヘレンの家族は、夫のエドワード/歯科医とは既に
  離婚し、長女のジュリーと長男のゲリーの3人暮らしだった。中でもゲリーはとても変わっていて、この日も
  朝早くから紙袋を一つ持ってヘレンとは軽く挨拶を交わしただけで外へと出かけていった。
  ジュリーには本日、親戚筋が一同に集まるからと知らせ一緒に家の片づけをすることを頼むのだが・・
  しかし、聞いているのか聞いていないのだか・・生返事をすると、ベッドの下に隠れていた恋人のトッド
  ジャレ合う。ヘレンにしてみれば、大学に入るまではデートせず、勉強をしろと思うのだが・・
  トッドの事をヘレンは快く思っていなかったため、二人がまだつき合っている事は内緒にしていたのだった。

  やがてこの家にも人が集まり始める。ギル夫婦はもちろん、弟のネイサンとそのスーザン、そして
  子供のパティも集まる。また父親のフランクや叔母まで集まった。その席での話の話題は常に子供たちの
  事だった。そして意外にも突然弟のラリーまで帰宅する。一同に驚きの顔を見せるが、更に驚くべき事に
  息子のクールを連れて来たのだった。かつてラスベガスでショーガールと同棲していたときに出来た子供
  だと言い、ラリー自身も子供の存在を知ったのは2カ月前だという。ラリーは、ここでデカイ仕事をするために
  戻ってきたというと、一番彼の事を可愛がっていたフランクは嬉しそうな顔をするのだった。
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     大所帯のバックマン家の人々。それぞれの家庭には、離婚にまで発展しそうな程の重大な悩みを
     抱えている。
     この収束し無そうな事態を最後にはどう纏めていくのか・・

     家庭の持つ悩みをクローズアップして、トラブル続きでシナリオが進んでいき
     ます。ギル家では、ギル自身家族の為を思って過剰なまでに気を使うあまり、
     子供達も繊細な子供に育ってしまいいつも悩んでいます。ヘレン家も、勉強
     をして欲しいと願う長女が突然結婚をするという事を悩んでおり、更にあまり
     家族のコミュニケーションを持とうとはしない長男ゲリーに悩んでいます。ネ
     イサン家も夫のネイサンが子供に英才教育を過剰なまでに施すことに妻は
     頭を抱え、更に父親のフランクも息子のラリーがギャンブル好きで借金を抱
     えて帰ってきた事を悩むといったように、全て親が子供の事に対して悩む
     見本市の様な映画になっています。
     (右の写真、次男夫婦のリック・モラニスとハーレー・ジェーン・コザック
 

     しかし、全て子供に問題が有るわけではなくて、親から引き継がれてきたような問題でもあるん
     ですよね。ここでは、主に冒頭での子供の頃のギルを例に取っていますが、幼い頃の幼児体験に
     なんらかの問題があって、ギル自身の野球の例はもちろん、15歳の時に追い出された経験が
     あるなど・・・そんな経験を元に子供にはこんな思いをさせてはいけないと、自分自身もかなり
     神経を使って子供の育児をしてきたことが分かります。

     でもこれだけの家族が集まると生活が楽しそうで良いですねー。最近の日本の少子化をみると
     こんな関係の図はあり得ない事のように思います。たまにTVや新聞などの特集で、子供にかかる一人
     当たりの教育費などをみると尋常ではないような数字が出ていますよね。こんな社会基盤ではなかなか
     子供を作る事が出来ず、最近は更に女性の社会進出がありますから、託児所などの問題で、なかなか
     働くことと子育ての両立が出来ない現状にあると思います。これで、もっとまともな人材が生まれれば
     良いと思うのですが、現状では厳しいですね。・・・うーむ。小渕さんなんとかしてくれーー

     ギル家では、ケビンを精神的に自信を付けさせるために大好きな野球をやらせているのですが、
     ある時セカンド(2塁手)が怪我をしたために、少年野球のコーチを勤めているギルは半ば無理矢理に
     レギュラー入りをさせて、このチャンスに不安的な要素を吹き飛ばそうとします。
     このボールを取るか取らないかが勝負の分かれ目というボールがケビンの元に飛んでしまい、
     この時、取った場合のバラ色の人生の模様が流れ、卒業の時には卒業生の総代として選出され、
     台上でスピーチする場面が流れたかと思うと、エラーした場合の最悪な模様が流れ、
     自殺する前にビルの屋上からTVカメラに向かって過去の失態(あの時レギュラーに選出した事)などが
     対照的に描かれていてなかなか楽しい部分でもあります。結果は・・エラーしてしまいましたけどね(^^;

     しかし、一番許せないのはギルの弟のラリーですよね。末っ子として生ま
     れたことも有って父親に頼りっきりの生活をしています。そんな子供に事業
     資金のために必要だというお金を出してしまう父親も父親なのですが、おか
     しな言動の背景にはギャンブル好きで多額の借金(26000ドル)をしている
     という事実があります。しかも先に渡した3000ドルも全てギャンブルに費や
     し、更に最悪な事に借金を肩代わりしてあげる代わりに条件を提示するの
     ですが、それでも更に親心を踏みにじるが如く金儲けの話を出してきます。
     うーん、最悪です(怒) 本人にしてみれば、何とかここで一発大金を当てて
     両親を楽にしてあげようと言う気があるのでしょうか・・うーむ。
 

     ラストは全ての悩みを解消するかの様に出産ラッシュですー。最後は誰の子かなぁーと思っていた
     のですがバックマン家の長女であるヘレン/ダイアン・ウィースト(Diane Wiest)の子供。相手は、恐らく
     息子ゲリーの学校の生物の教師ボーマン先生だと思いますが、これまでの珍事がこの出産によって
     全てが解消したかに思えます。。
     また最後にバックマン家のおばあちゃんがいいことを言ってましたねー

     前に監督のロン・ハワード(Ron Howard)のインタビューを見たのですが、バック
     マン家のモデルは自分の家だと言っていたのを聞いたことがあります(^^;監督の
     おばあさん(ジーン・S・ハワード)や親(ランス・ハワード)兄弟(クリント・ハワード)の
     人をTVで見たことが有りますが皆が芸能人の家族で羨ましいですね。(実は映画
     の中でも出演しているのと・・)
     右の写真・・キアヌ・リーブス。キアヌって結構変(不思議)な役柄でも出演しますよね(^^;
 


    長男家族
     スティーブ・マーティン     (ギル/バックマン家の長男)    幼い時、親の愛情が足りなかった。
     メアリー・スティーンバーゲン (カレン/ギルの妻)        専業主婦。
     Jasen Fisher        (ケビン/長男)            父親に似て神経質に育つ。
     Alisan Porter        (テイラー/長女)
     Zachary Lavoy       (ジャスティン/次女)         バケツを被る癖がある。
    長女家族
     ダイアン・ウィースト      (ヘレン/ギルの姉)          夫と離婚し、2人の子供を女で一つで育てる。
     エドワード・ランプキン     (ヘレンの元夫)             歯医者経営。ヘレン家を嫌っている。
     ポール・リンク         (ボーマン/ヘレンの夫)        学校/生物学の先生。
     マーサ・プリンプトン      (ゲリー/ヘレンと元夫との長女)   トッドと結婚する。受験戦争真っ直中。
     ジョアキン・フェニックス    (ジュリー/ヘレンと元夫との長男)  故リバー・フェニックスの弟。
     キアヌ・リーヴス        (トッド/ゲリーと結婚)         自由奔放な生活。レースに出場。
    次男家族
     リック・モラニス         (ネイサン/ギルの弟)         子供に英才教育。
     ハーレー・ジェーン・コザック (スーザン/ネイサンの妻)      学校の先生。
     Ivyann Schwan       (パティ/娘)               まだまだ幼い。
    三男家族
     トム・ハルス           (ラリー/ギルの弟)           ギャンブル好きの放浪息子。借金を抱えて帰ってくる
     アレックス・バーラル      (クール/ラリーの子供)         黒人の可愛い男の子。
    バックマン家その他
     ジェイソン・ロバーツ      (フランク/バックマン家の父親)    自営業。趣味の車をいじる。
     エイリーン・ライアン      (マリリン/バックマン家の母親?) ショーン・ペンの母親です。知っていましたか?
     ヘレン・ショー          (バックマン家の祖母)          居場所が無く、兄弟の家をたらい回しに・・


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