バットマン Batman
1989年 アメリカ 127分
監督 ティム・バートン 製作総指揮 ベンジャミン・メルニカー、マイケル・ウスラン
製作 ピーター・グーバー、ジョン・ピータース 原作 ボブ・ケイン 脚本 サム・ハム
脚本 ウォーレン・スカーレン 音楽 ダニー・エルフマン 撮影 ロジャー・プラット
出演 マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、ロバート・ウール




 

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 人々が忙しく行き交う都市ゴッサム・シティー。そこに観光客である一つの家族が、本日宿泊する予定の
 アデルファイ・ホテルまでタクシーを拾って行こうとするのだが、町中で捕まえることは難しかった。仕方なく
 地図を広げてホテルの有る9番街までの道を歩いていく。街の裏道に入ると、表の賑わいとは逆に人気も
 少なく、見るからに治安の悪そうな場所である。何か強盗が出てきても可笑しくない状況。するとその不安は
 的中し、旅行者の夫は顔を殴られて金品を盗まれるのだった。
 二人組の強盗は、戦利品を調べるためビルの屋上へと足を運ぶ。しかし、最近ここのビルから仲間の一人
 ジョニーが転落死したという不吉な場所であった。原因は不明。巷ではその事故と同時にコウモリ男が出現
 するという奇怪な噂が立っていた。しかしそれは誰もが信じることのない怪情報。二人組の男もそんな話しは
 単なる噂に過ぎないと話すのだが、仲間の一人は、恐ろしくなってその場を離れようとする。すると、頭上には
 何処からともなく現れたコウモリに扮した男が立っていた。強盗は恐ろしくなって銃を発砲する。近距離から
 発した拳銃の弾は、確実にその男の腹を貫いたように見えた。しかし、利いた様子も見せずにすぐに立ち上
 がるとコウモリ男は、逃げる強盗に向かってワイヤーを投げつける。犯人の男の体に巻き付いたワイヤーを
 たぐり寄せ、コウモリ男はそのまま二人をビルから転落死させようとした。命乞いをする強盗たち。するとコウ
 モリ男は、助けるための条件として、この事実をみんなに言い伝える事を話した。男の名はバットマン(マイケル
 ・キートン)。強盗が怯んでいる隙に、バットマンはその場から消え去るのだった。

 ゴッサム・シティー。近年この街は犯罪都市として荒廃を重ね、警察もお手上げの状態だった。悪のボスである
 グリソム(ジャック・パレス)。彼らは表向き合法企業を装い、街を蝕んでいたのである。市長のボルグ
 (リー・ウォレス)は公約として、このものたちを取り締まり、都市の健全化を図ることをマスコミの前で発表し、
 新任のハービー地方検事(ビリー・ディー・ウィリアムス)が、その任務を受けると皆の前で紹介した。
 そんなTV中継をジャック(ジャック・ニコルソン)は見ていた。ジャックはグリソムの片腕とも言える人物で、その勢い
 はグリソム以上であり、その象徴としてボスの女であるアリシア(ジェリー・ホール)とは不倫の関係にあった。
 ジャックは、建前上グリソムを脅かす奴は俺が始末するとアリシアに話した。

 先ほどバットマンに脅された強盗たちが警察に捕まる。警部補のエクハート(William Hootkins)は、そんな彼
 に事情聴取すると、男は震える声で、”コウモリ男”の事を口にしたのだった。新聞記者であるノックス(ロバート・
 
ウール)は、そんな現場にきていた。ここ一ヶ月の間に、彼の証言するのと同様の事件が既に8件も発生してい
 た。しかし警察や政府からの公式見解も無く、表向き、コウモリに関する調査は皆無といった感じだった。そこ
 でノックスはエクハートの元を訪れ、片手に録音機を持ってこの事件の事実関係を調査し始める。誰よりも早く
 この”コウモリ男”について目を付けていた彼は、なんとか確証を得ようと、毎日のように彼の元を訪れていた
 のだった。そんなノックスの手を逃れるように、エクハートは裏道に入ると、ジャックと接触する。ジャックと
 エクハートは秘かに組んで居たのである。しかしジャックが彼を突き放した態度を取ると、エクハートは敵意を
 燃やし、ジャックの立場を悪くするため、アリシアと彼が不倫関係に有ることをボス(グリソム)に密かに話すの
 だった。

 ノックスは帰社すると、仲間の記者からはコウモリを追う奇怪な男としてバカにされていた。そんな中、一人の
 金髪の美女が彼の帰りを待っていた。彼女の名はビッキー・ベール(キム・ベイシンガー)。カメラマンとして数々
 のスクープを撮影し、近年では、戦争の前線にまで赴き、世間的に評価される仕事をしてきたのだった。そんな
 ビッキーが次ぎに狙っていたのは、ノックスの記事であるコウモリ男・バットマンについて。これが現実ならば
 ピューリツァー賞も夢ではないと目を輝かせていた。しかし、肝心のノックスにあるバットマンのネタは、街中で
 噂されるのと同等程度の事だけで、何の確証もとれておらず、事実は全て警務総監であるゴードン
 (パット・ヒングル)が握っているハズだと説明した。すると何処から聞いてきたのか、ビッキーは本日開かれる
 ウェイン家のパーティーにゴードンがやってくる事を知って、既にその招待状を手に入れていたのだった。
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    市政200周年を迎えるゴッサム・シティー。しかし、この街には悪が蔓延り、グリソム率いるアクシス化学
    が暴利を貪っていた。企業には組織のNO.2のジャックの存在もあった。そんな中、裏では悪人を
    退治する奇妙な男の噂がたっていた。それはコウモリ姿の男。果たしてこの真相を如何に!?
    1939年ボブ・ケイン(Bob Kane)原作のマンガを映画化。1960年代にはTVシリーズ化され、1966年
    には一度映画化。1986年に出た小説はベストセラー。そして映画化された1989年には、全米興行
    成績NO.1の作品。

    うーん、実に大味な映画ですね(^^;
    映画バットマンシリーズを見るのは実はこれが初めてで、評判も良いみたいだし、続編も現在ではシリー
    ズの4作目まで出ているので、ちょっと気になる存在でした。アメリカン・コミックものから映画化された
    映画って、どうも見る気がしなかったのです。今でもあまりその気持ちは変わらないのだけど(^^;
    しかし、このシリーズのキャストを見てみると、ハリウッドでも人気の有る俳優さんが出演していますよね。
    歴代のバットマン、マイケル・キートン(Michael Keaton)ヴァル・キルマー(Val Kilmer)ジョージ・クル
    ーニー(George Clooney)もそうだし、登場する敵キャラ、盛り上げるキャラはどれも有名人。それだけ
    全米でのこの作品の人気の程が分かります。
    ゲームをする人ならよく目にするかもしれないけど、バットマンのゲームってコンシューマのゲーム機では
    殆どの機種で出ていますよね。こういう題材ってゲーム化するには最適だと思います。
    カプコンが横スクロールのアクションゲーム(ファイナル・ファイトタイプの)として発売してくれると面白い
    ゲームが出来ると思うのですが・・・(格闘ゲームは飽きているので(^^;)
    でも昔からヒーローものってなんで動物なんだろう。亀が出てきたり、バッタが主人公だったり・・と。
    とても人気が出るとは思えないのだけど、結果はどれも凄いですよね(^^;
    この映画も僕はどちらかというとバットマン自体に魅力を感じるよりも、彼の使うアイテムが好きですね。
    あと、この一作目の敵キャラに扮しているのはジャック・ニコルソン。このキャラクターがかなりハジけて
    います(笑) 一度、酸の海にバットマンにたたき落とされて瀕死の状態になるのだけど、そこから復活
    した際に出来上がるジョーカーというキャラクターが凄いです。彼がパレードで嬉しそうに狂喜乱舞する
    姿を見れば、誰もがハマる事でしょう。

    ブルース・ウェインを演じるマイケル・キートン。実は彼がバットマンなんだけど、彼にはバットマンに扮
    するようになったある事件の存在があります。幼いときに両親をこの街のホテルの出入り口で、強盗に
    襲われて失っているのです。よくありがちなパターンでもあるのだけど、現在の世界で数々の悪人と
    戦っている内に一人の悪人男ジャックが去り際に吐いたセリフが、幼いときに目の前で両親が殺された
    時に発したセリフとダブるのです。
    何故バットマンが悪人と戦っているのかが次第に分かっていくシナリオには、恐らく共感できる部分が
    生まれてくる事でしょう。
    映画では、何故それがコウモリの姿なのか・・と言うことは明らかにされていませんが、映画の3作目
    『バットマン フォーエヴァー(’95原題Batman Forever)で、その辺の事は細かく説明がなされているので
    お楽しみに(^^;

    そして人気の要因にもなったゴッサム・シティーの景観。ロンドンの撮影所でセットが組まれた見たいで
    すが、ラストで対決する鐘付き堂って元々建物内には2つの鐘が合ったのでしょうか?  バットマンや
    警察官がジョーカーを追う際、一度この鐘を落としているのですが、屋上の方で対決するときには
    再び元に戻っていますよね(^^;
    一作目だけ見ただけでは、ゴッサム自体の街並の良さはあまり伝わらないと思います。二作目、三作目
    を見てどんな状況にあるのか分かり始めた時、初めて厚みのある世界観を味わうことになるでしょう。

    アカデミー美術監督賞(アントン・ファースト)受賞

    マイケル・キートン      (ブルース・ウェイン/バットマン)  幼いときに両親を強盗に殺される。
    ジャック・ニコルソン     (ジャック/ジョーカー)        真のボスキャラという感じ。
    キム・ベイシンガー      (ビッキー・ベール/カメラマン)   ブルースの事が好きになる。
    ロバート・ウール       (アレクサンダー・ノックス/記者) バットマンについて記事を追いかけ回す。
    William Hootkins     (エクハート警部補)          実はグリソムと裏でつるんでいる。
    ジャック・パレス        (カール・グリソム)          悪の帝王。でもジャックに殺される。
    ビリー・ディー・ウィリアムス (ハービーデント/地方検事)    ボルグの片腕。
    パット・ヒングル        (ゴードン警視総監)          エクハートの上司。
    リー・ウォレス         (ボルグ市長)             市政200周年の祭りを祝おうとするが・・
    ジェリー・ホール        (アリシア/グリソムの女)     
    マイケル・ガフ         (アルフレッド/執事)        ブルースの父親の友人。
    トレイシー・ウォルター    (ボブ/ジョーカーの片腕)     最後のやられ方は惨すぎる・・・
    Kit Hollerbach       (ベッキー/アナウンサー)
    Hugo Blick         (若い頃のジャック)
    Charles Roskilly     
(若い頃のウェイン)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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