トップガン Top Gun |
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1969年3月3日、アメリカ海軍は、トップ1%のパイロットのためにエリート学校を設立した。目的は
失われつつある空中戦の技術訓練。この世界最高のパイロット学校の事をトップガンと呼んだ。
インド洋上、ゴースト・ライダー国籍不明機が接近中・・クーガー組とマーベリック組に出動命令が下された。
敵はMig戦闘機が2機1800Kmで近づいてくる。急いでアメリカの戦艦ムスタングは援護機を用意する。
敵機にロックオン・・・Migの1機は撃沈させた。しかし残りの一機はこちらのクーガー機を狙っていた。
本部からの指令は、敵が撃つまで待てというが・・後ろで援護していたマーベリックは、今度はこちらが
遊ぶ番だと、自ら接近しMig機の真上1.5Mで彼の運転するF14を併走させ、−4G旋回を試みて
記念写真を撮った。なんとか最悪な事態は避け、相手も引き返して行く。帰還命令が下り、クーガーと
マーベリックは急いで戻ろうとする。今の交戦により燃料が尽きかかっていたのだった。
いち早くマーベリックは、船上に着陸を試みようとするがクーガー機の異変に気が付く。応答してみるものの
返答はなく、機体のフラツキが目立ち始めたのである。パイロットのクーガーは、この予想外のMigとの
交戦によって自分を見失っていた。マーベリックは、上手く誘導させるとなんとか無事2機とも帰還する事
が出来たのだった。限界・・・自信の喪失・・・クーガーは自ら軍章を取り外し、パイロットになることを辞退
したのだった。この師団の中で最も成績優秀のクーガーであるが、家族の生活もかかっており、これは
トップガンとしての訓練に参加する事を自ら辞退したのだった。
それと入れ違うようにしてマーベリックとグースが呼び出される。マーベリックは、今回も命令を違反し
帰還命令に背いたこと、また指示通りのルートを通らず管制塔の近くを飛行したことについて上官から
厳重注意をされる。今までにも、編隊長の資格取り消し3回、謹慎処分2回と。しかし、クーガーを下りた
ことによってトップガン訓練への参加は、このマーベリックとグースが選ばれることに決まったのであった。
顰めっ面しながらも上官は、彼らに我が隊のトップとして行くからには恥を晒すことは許さないと激励の
声をかけるのだった。
カリフォルニア州ミラマー海軍航空基地。朝鮮戦争当時、アメリカ戦闘機の追撃率は12対1だった。
ベトナムではそれが3対1に低下・・・ミサイル頼りに戦闘を行うため空中戦を忘れていると檄を飛ばす。
ここは、トップガン訓練の基地であった。教官のマトカフ中佐は、このトップガンの卒業生である。
実戦訓練を1日2回、そして学科にテストを繰り返し、戦闘機の速度と高度の限界に挑戦するのだと
いう。この中にマーベリックらも居た。辺りには各隊から選りすぐられた精鋭たちが集まる緊迫した雰囲気。
互いに顔を見合わせ、火花を散らしていた。
その講義も終わり、皆で訓練所の近くの酒場で飲んでいるとカウンターで一人の金髪女性が飲んでいる
事に気が付く。マーベリックはいつもの調子で歌を歌いながら近づくと派手な演出で彼女に声をかけた。
互いに良い雰囲気ながら、彼女は待ち合わせしていた連れの男性の元へと行ってしまう。それでも
なんとか声をかけるが・・・
翌日、授業に出ると民間から派遣されてきた航空物理学博士のチャーリー・シャーロットがやってくる。
女性の教官・・彼女は機体性能を考慮し戦闘に於ける理論を教える人である。が、次の瞬間信じられない
ような光景が目に見える。そう、昨日バーでナンパした女性だったのである。彼女は、マーベリックに
気が付きながらも、講義を続けた。Mig機の機体性能について・・・しかし、マーベリックは実際交戦した
経験から、彼女の話す理論とはかけ離れている事を話す。誰も彼がMigと対戦したことを信じないのだが・・
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青春スター トム・クルーズが戦闘機F14を操って、空中を飛び回る!?
そこには、恋愛、友情、挫折と栄光・・と数々の苦難を乗り越え、その先に待っているものとは。
トム・クルーズ(Tom Cruise)といえばやっぱり『トップガン』では無いでしょうか。
もうこの映画を見るとトム・クルーズのものって感じですよね。プロモーション・ビデオにしても全く
違和感が無いくらい。更にこの展開は、アメリカ空軍のイメージアップビデオとか、勧誘ビデオ的な
ノリでもありますね。
昔、この映画を見たときは滅茶苦茶興奮したものですが、結構今になって冷静に見ていると
幾つか笑えるような展開になっていました。
このトムクルーズの役ですけど、最初は彼ではなくマシュー・モディーン(Matthew Modine)を想定して
いたというから驚きです。(スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督の『フルメタル・ジャケット』
(’85原題Full Metal Jacket)に出演してしまいましたが)
今にしてみると、ホントこのキャスティングで良かったと思います。(基本的に、この映画のキャスト
は皆ハマっていて良いですねー。ちょっとメグ・ライアン(Meg Ryan)演じるグースの妻・キャロルの声
のトーンが異様に高くて心配しましたが(^^;)
しかし、この映画からF14トムキャット戦闘機と音楽を取ったら、実はかなり見劣りしてしまいます。
というのもやはり映画としては、物語を深く掘り下げたものでは無いですよね。
トム・クルーズ/マーベリックと教官のシャーロットが出会い、シャーロットがMig28機と交戦した時の
話しを聞いて彼自身にも興味を持ち始めるのだけど、その後の講義の中で、マーベリックの発言した
垂直移動を真っ向から否定し、専門家の意見として彼の意見を覆すようなシーンがあります。
それがこれを否定された事によってマーベリックは酷く傷ついてしまいます。
で、落ち込むマーベリックは自暴自棄になってバイクで疾走して、後ろから車で追いかけるシャーロット
とのカーチェイスのような形になるのですが、彼のバイクを止めて一言、”あなたが正しい、あなたは
天才的”って意見を覆すシーンがあるんですよね。え、なんでなの?と思っていたのですが、これを
見ていると”あんたが大将あんたが大将あんたが大将ー”っていう歌?を思い浮かべてしまいました。
子供がダダを捏ねているだけのように見えるのですが・・。もちろん実践で活躍している人の経験の
方が時として理論などとは比べモノにならないほど的確な結果を出すことがあったとしても、教官に
自分の意見を曲げられただけでここまで子供っぽさを見せる必要があるのかな。
ここでは幾つかの思いがあるのですが、一つはようやく互いに理解しあえた(前日に特別な夕食に
招待されている)と思っていたのに、人前で逆に顔を潰されるような事をされたという事が予想以上に
彼の心では、裏切りの気持ちとして写ったのかもしれません。でもこんな場面ではそんな態度ではなく
実力で示して欲しいですよね。
しかしこの映画の最大の見せ場はやはり最後にもの凄い迫力のあるドッグファイトシーンが有ること
でしょう。全ての不満を解消しているかのようにも見えます。でもこの戦闘のキッカケになった事を冷静
に考えてみると、アメリカ軍の情報収集艦隊の一機が操縦不能になり、このままでは他国領域内に
入ってしまうということを受けての救出計画の援護と言うことがその目的なのですが、いきなり攻撃
するっていうのもどうかと思います(^^;。
なんだか逆ギレして、相手を先制攻撃するようにも見えるのですが、国連の存在を無視してイラクを
攻撃したアメリカの戦略を見ると、このシーンも納得してしまいます。多分映画の中では
敵国との平和的解決(話し合い)を試みたけど失敗に終わったという部分が抜けているのだと
思うのですが、よく考えるとヘンですよね。自分に降りかかる災難は相手よりもいち早く軍事的に
処置しないと身の危険に繋がる理論っていうのはなんとも恐ろしいです。日本の様に何も危機感を
持たないのはそれもまた恐ろしいのですが・・(^^;
映画では、実際国防省/海軍の協力を得て、5機の戦闘機を使って撮影されたそうですが、
飛行やアドバイスなどで使われた経費は1.5億とも言われていますね。まぁ、大ヒットを飛ばした
映画なので結果的に全く問題無い額ですが、アメリカの映画の凄さをこんな所にも感じてしまいます。
トム・クルーズ (ピート(マーベリック)大尉) アンソニー・エドワーズ (グース/マーベリック相棒) トム・スケリット (マトカフ中佐/バイパー・トップガン責任者) ヴァル・キルマー (アイスマン/ピートとトップ争い) リック・ロソビッチ (スライダー/アイスマンの相棒) ケリー・マクギリス (チャーリー・シャーロット/航空物理学) マイケルアイアンサイド (ジェスター中佐) メグ・ライアン (キャロル/グースの妻) Whip Hubley (ハリウッド/トップガン教生) Barry Tubb (ウルフマン/トップガン教生) 評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0) |
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