太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫
脚本:小川英、長野洋
監督:竹林進

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第3話 1972年8月4日 あの命を守れ!

脚本/永原秀一 監督/沢田幸弘
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マカロニは久しぶりの休暇。
リンゴを食べながら一人で町中を歩いていた。
張り込み中のゴリさんと偶然出会うと、何をしているのかと問
われ、二度と来ない青春を楽しんでいるのだと言う。
映画館に一人で見に行くも周りはカップルばかりで気乗りせず、
一人で公園に居ると、三人組の男に一人の男が襲われているの
を目にする。マカロニは
今日一日刑事だという事を忘れて過ご
そうと考えていた
為に、それを無視しようとするが、やはり
見逃す事は出来ず、逃走する男を手助けする為に、三人の男を
殴り飛ばしてたじろがせる間にマカロニは男と一緒に逃走する。

男とマカロニは二人で街を一望できるデパートの屋上にいく。
男の名前は早川リョウ。早川は突然こんな薄汚い街も住民も
消えてなくなれば良いと退廃的な考えの持ち主で、そう思った事は
ないか?とマカロニに同意を求める。リョウは先ほど助けてくれた事
にお礼を告げて立ち去ろうとするが、また逢えるか?と問い、再会を
誓い合う。

一方七曲署では、ボスと長さんからみんなに話がある。
現在
世界連合の議長、アーサー・ラインハートが来日していて
世界科学者会議に出席するのだという。プラザホテルの滞在先
から
東京国際会館に、オープンカーに乗って移動することが
決まっており、朝8時にホテルを出発し、ルートの関係で七曲
署の管轄領域に10分間程立ち入る事も有って、警視庁からは
沿道で警備を依頼される。特に今のところ議長が狙われている
という情報はなく、彼は平和主義者でもあるので、狙われる理由
もないりだという。しかし先日
国防大臣が狙撃される事件が有り
かすり傷程度で済んだものの、事件は未だに解決していない
事を告げ、明後日の移動の際に、この管轄では決して事件が
起こらない様に注意しろと告げられる。

ゴリとマカロニは巡回に行く中で、マカロニに接近する男の
姿が有った。歯が欠けている男で如何にも怪しい人物。
事件に関する上等のネタがあるという男はこの町では有名な
情報屋らしく、自分の事を
梶原左右衛門だと名乗る。
明後日、外国人がこの先の通りを通るという情報を得て、
知っ
ている男が、その外国人の狙撃を考えている
というのである。
そいつは誰なのか?と問うが、梶原はタダでは教えられないと
ばかりに、ビアガーデンでビールを奢らされたり、また内田
の店で食事を奢らされる。内田宗吉も現役時代その情報屋から
色々とネタを提供してもらったことを聞く。
梶原は料理を注文して食事しているとゴリさんもやってくる。
ゴリさんも梶原のことを知っていた。マカロニは梶原に対して
そろそろ情報を話せと迫ると、競艇場でよく会う人物が狙撃
の事を口にしていたというのである。

ゴリも宗吉も情報はガセだという。
アイツは
ネタをちらつかせて刑事に食事を奢らせ、ガセを掴ま
す事で有名な人物
なのだという。一度痛い目に遭うべきだと
思いマカロニにその事は伏せていたとの事だった。しかしマカ
ロニはアイツの言っている事を信じるとして、調べることを告
げる。

そんな中、突然
ラインハートを狙撃するとの予告電話が入る。
自分の事を透明人間だと名乗る男。狙撃する理由・目的は何か
と尋ねると、獲物としては相応しい人物だからだという。
本気だという事を証明する為に、多摩川のアスファルト工場
の第二プラント
に来いと言われる。
ゴリとマカロニでその場へ訪れると、プラントの上に人形が
置かれていた。マカロニはそれを確認しようとすると、突然
遠方からライフル銃で人形に向かって銃弾が飛んでくる。
マカロニもかすり傷を負う。急いで小川を飛び越えて、狙撃した
現場に行くが犯人は自転車に乗って逃げてしまう。

情報屋の梶原の元に行き詳しい話を聞く。
いつも会うという競艇場にいくが、名前はよく知らない人物
だという。20歳代で170cm前後の男性とのこと。通りに向けて
射撃の練習をしていると言っていたとし、容疑者のアパートへ
といくと、なんとそこに居たのは先日マカロニが助けた早川
だった。マカロニは室内を見渡すと
歯ブラシが二本有った事
から、ここにはもう一人居るのではないかと考える

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■マカロニの休日

初めての休日もマカロニ刑事はやることがない。
そんな中で一人の男性との出会いが有る。
明らかに怪しい雰囲気と主張を持ち合わせている若者だが、
警察官ならば犯罪が起きてから行動するのではなく、未然に
防ぐ為の啓蒙活動も必要だったのかも。

■マカロニは人を信じる

如何にも怪しい情報屋で新人のマカロニに近づいてくる。
まるで刑事としての通過儀礼のように、彼からガセを掴まされ
る事の厳しさをゴリさんたちは伝えようとしていたが、結果的
信じて捜査をしていたマカロニの捜査が功を奏していく。

■犯行予告

ボスの電話にかかってきた要人殺害予告。
展開として見れば2話と似ていて、電話で犯行予告をしてきて、
本気である事を見せる為に、一度は犯人とニアミスを起こす
という展開だった。

■犯人の人物像

情報屋からの話で、ライフル銃を所持している早川を逮捕する。
青森の津軽から集団就職してきた人物で、後々徹という弟も
また一年前に上京している事が判明する。両親は二年前に亡く
なっているとのこと。

人間は信じられないと思っている事から上京して辛い事が有った
であろう事は想像出来る。

しかし何故ライフル銃の所持の許可が下りているのか全く理解
出来る所が無かった。

■若者の行き場のない怒りと将来に対する不安

何時の世の中も同じで、社会の喧噪に埋もれて自分自身を
見いだせずにいる人物が大きな事件を起こして、存在を主張
しようとしている。マロカニ刑事は若者の立場から、被疑者の
気持ちを理解している面が有るようだ。ただ残念ながら
わかり合えると思っていた関係も、取調室では特に効果はなか
った。

■時間感覚をズラす密室での心理作戦

時間を気にしている犯罪者にはもっとも効果的な方法なのか。
刑事物では時々この手の手法で上手い事犯人に口を割らせる
シーンがある。今回は山さんとボスがこの手法を使おうと言い
出し、犯行現場に居る弟が、何処で犯行を行おうとしているのか
をあぶり出していく。

山さんが何度か城北陸橋の事を口にしていたので、大体の
犯行現場の目星は付いていたのかも。
所轄の刑事だけで処理せず、本庁にも応援要請していれば、
もっと早くに弟を捕まえられたのかも。

■弟には恋人が・・・

恋人よりも自分の幸せよりも、兄弟の絆が大切という事なの
だろうか。ラインハートを狙う意図もイマイチ不明だが、
オープンカーに乗るラインハートの平和アピールパフォーマンス
も何だかなという感じでは有った。ゴリさんが体を張って
守ろうとしていた様だ。二週連続銃弾を浴びたらシャレになら
ないぞ、ゴリさん!

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇

河原崎健三、練木二郎、オスマン・ユセフ、林寛一
岡本隆、森下明、大島光幸、大辻しろ、黒沢のり子

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