太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫
脚本:小川英、長野洋
監督:竹林進

http://





第5話 1972年8月18日 48時間の青春

脚本/永原秀一 監督/小沢啓一
--------------------------------------------------------
河原を走っていく青年の姿。

宗吉は朝方になって家に帰宅する。
シンコは朝帰りの父を寝ずに待っていて激怒する。宗吉は連れ
がベロベロに酔っていたのだとし、介抱していたのだとするが
シンコは宗吉の服から香水のにおいがしてくるのを知って不潔
だと告げる。宗吉は何も無かったと告げ、親の言うことは信じ
るべきだとするが、寝ないで待っていた私の事も考えてと告げ
絶対に許せないと語る。宗吉は早く仕事に行かないと遅刻する
ぞと、話題を誤魔化す。

シンコは職場にいくとオシャレな帽子を被ったマカロニとすれ
違う。軽薄な格好だとシンコは告げるが、マカロニからは
シン
コの恋人が少年院から脱走した
らしいぞと告げる。

急いで職場にやってくると、
久里浜少年院木下というメガネ
の職員が来ていた。シンコが検挙した藤沢キヨシが夕べ逃走
した事を聞かされる。藤沢は昨年の今頃、
スーパーで売上金を
盗んだ罪
で捕まっており、
過去には深夜喫茶で補導されている
事も有った。しかしシンコが捕まえて少年院にいた彼は模範囚
だと聞いていた事を語る。木下によると少年院では
印刷の活字
の仕事
を担当していて、あと2ヶ月で出所予定だったという。
彼の行方に心当たりは無いか?と問い、彼はこの街の住民なので
必ずこの街の何処かにいるはずだという。
48時間以内に戻れば
説諭だけで済ます
ことは出来るが、それを越えると刑事に捜査
を依頼することになり、そうなると刑期は延びるのだという。

シンコはかつて彼が出入りしていた深夜喫茶へとやってくる
と案の定、藤沢はそこに居た。シンコは彼の前に立つと私の
事を覚えているのか?と問う。また俺の事を補導するのか?と
問う彼は走って店を出てしまう。シンコは彼を追いかけ捕まえ
ると、戻るまではつきまとうと告げる。藤沢は少年院の規則は
把握している事を告げ、48時間以内には戻る事を告げる。
脱走した目的は何なのか?と問うと、特に目的はないという。
敢えて言えば
48時間の自由を楽しむ為だという。
後2ヶ月すれば自由な時間を満喫出来るのに、たった48時間の
自由を求めるなんて矛盾した行動だと語る。明日の晩までに
は帰るというが、シンコは彼の後ろをついて回る。

藤沢はゲームセンターを遊び回り、ポルノ映画を見ようとする。
公園にいくと、二人は話し合う。藤沢の服は盗み取ったもの
である事を指摘する中、藤沢は公園の噴水の中へと入って
いく。ビショビショになった服を乾くまで、二人はデパートの
屋上で屯していると、シンコたちの前に高校生が喫煙している
姿を目撃。シンコは見逃す事は出来ないとするが、藤沢が
一歩早く、ここに婦警が居るぞと高校生に語ると逃げていって
しまう。少年たちを補導しても何の意味も無いのだと告げ、
実際シンコがオレを補導したが、結局罪を犯して捕まった事を
語る。シンコはそれを聞いて益々ずっとつきまとうと宣言する。

シンコは署に電話すると、現在脱走少年と一緒に居る事を
語る。自分が責任を持って少年院に返すというシンコ。山さん
は無責任な行動にも限度があるぞと忠告するが、七曲署の刑事
はみんな自己流で捜査しているでしょとして、今日はもう署に
戻らないと語り電話を切るのだった。

--------------------------------------------------------

■独自性のある捜査方法

今回はシンコが主役のエピソードだった。
今まで完全にマカロニ中心のドラマだったことから、珍しい
構成の仕方。
少年犯罪を担当しているシンコならではの捜査という感じなの
かな。ただ正直相当違和感の有るネタではあったけどね。
しかしこの時代の関根恵子さんは神レベルの可愛さがあるな。


■青年は何故脱獄したのか

脱獄したのにすぐに逮捕せず、48時間の猶予があるみたいな
法律ってホントに存在するのだろうか。
昔別のドラマでも似たようなネタを見た気がする。
当時の少年法はそういう一面が有ったのかな。
しかも連れ戻しに来た木下の事を気絶させる程の暴行を加えて
いるし、正直ただでは済まされない気がする。

■マカロニが出ない理由?

なんとなく今回の脱走した青年・藤沢は、マカロニ刑事の
不良版って感じのキャラクターだった。
何の目的もなく単に法律の抜け目をついて自由に過ごしている
のかに思えて徐々に目的がハッキリしていく。

藤沢の父親が二年前にビルの落下物に当たって亡くなった日
である事。それ以降家庭がバラバラになり、母親も再婚した
事で、居場所が無くなったようだ。

■シンコの親子関係を見て・・・

藤沢はシンコの親子関係を見て羨ましいと感じたのかな。
シンコの家に家族写真が飾られていたけど、母親の写真が有った
けど既に他界しているのかな。

■シンコの父・宗吉

元警察官という設定らしい。
藤沢を匿うシンコの味方をした宗吉だけど、少年刑務所の刑務
官の木下が家まで来た際に、捜査令状は?と尋ねる。
目の前に脱走犯が要るのに捜査令状は必要なのか。

しかもこの父親、シンコが立てこもり犯によって人質になって
いる際に、元警察官らしくない行動に出ていた。

■シンコは強盗犯・岩田の人質になる

岩田とボスは何故か知り合いのようで、岩田に電話したボス
に対して、あんた自らが電話を掛けてくるとはなと語っていた。
警察は刺激しないようにとして、何にもしないところが
あまりに違和感が有り、藤沢の48時間が経つのを無駄に待って
いるだけなんじゃないかという感じもする。
子供が突然買い物に現れる辺りの展開が良かったな。
なんか如何にも昭和の子供っぽかった。

■印字の文字は?

"愛"だった。想像出来る物だったけどね。
最後はシンコの為に逃走する犯人の車の前に飛び出す姿。
シンコは彼女の為に刑務官としてではなく、友人として接する姿が
功を奏した感じだね。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇

井上孝雄、渡辺貞男、森下明、片岡一、新井一男、八木昌子
武藤章生、二瓶康一


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system