太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

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第11話 1972年9月29日 愛すればこそ

脚本/永原秀一、峯尾基三 監督/金谷稔
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小柴刑務所から一人の男が出所する。
小池という男で、妻のユキコが浮気して居たことで、浮気相手の
ヤクザの男を果物ナイフで刺し殺し、ユキコを殺そうとした
所で山さんによって取り押さえられた人物である。
出所していくのを山さんは遠くから監視して、小池の行動を
尾行する。小池は町中で自分の靴が綻んでいるのを知ると、
新しい靴を購入。

その頃七曲署では、山さんについて話し合っていた。
山さんは自分が逮捕した人物については、出所後その人物が
生活を落ちつくまで見守るところがある
のだという。そこが山
さんの良い所だとボスは語る。
そんな中、ボスの元に
中央病院から電話が鳴り、山さんの妻・
タカ子が病院に運ばれた事を聞く。

山さんは小池を尾行しながら当時の事件の事を思い出していた。
小池は浮気した妻のユキコを追いかけながら、必ず殺してやる
と誓っていたので気にしていた。
山さんは定期連絡でボスの元に電話を入れると、ボスから山さん
の奥さんが心臓病の発作で倒れて病院に運ばれた事を聞かされる。
変わりの人物を尾行に寄越すので、山さんは病院にいけという。
今度だけは勝手は許さないとボスは釘を刺す。

しかし山さんは二時間経っても病院に来ることはなかった。
ボスはゴリさんに山さんが追っている小池の調書を調べるよう
告げ、マカロニには小池が収監されていた刑務所で話を聞いて
くるよう命令する。

調書には、小池クニオ 昭和18年5月17年生まれ、調理師、
妻のユキコは昭和21年9月3日生まれ、ウェイトレスをやっていた
と書かれていた。
白山町3-8の希望荘7号室に当時住んでいたが
夫が居ない間、ユキコはヤクザの男と浮気して居た。ヤクザの男
はこんな狭いところではなく、一緒にマンションで暮らそうと
誘うが、ヤクザだと知って色々とあるので嫌だと難色を示す。
そんな中、クニオが帰宅し、男を刺した後、妻を殺害しようとして
追い回していた所を山さんが踏切の所で逮捕していた事を知る。
殺人罪で8年の懲役だが、模範囚だった為に5年で出所。
マカロニは看守に話を聞きに行くが、あの
小池に再犯の恐れが
有るとは思えない
と言われる。同房者の男にもタバコを渡して
話を聞くが、小池の目には殺意などは見当たらなかった事を
聞かされる。

再犯の可能性はないとボスに報告。尾行よりも病院に行くべき
だとするが、山さんが小池を追って今何処に居るのかダレにも
分からなかった。
そんな中、山さんから電話が鳴り、現在
アサヒ町の旅館"花嶋
本館"
に小池が滞在しており、監視している事を聞かされる。
すぐにゴリさんが張り込みに合流すると、ゴリさんは山さんに
すぐに病院に行くよう告げる。小池の再犯の可能性は少ない事を
告げ、社会復帰の人を追い回すのも、本人にとってはマイナス
に働くかも知れない事を告げる。人を疑えばきりがないと
告げ、時には信じても良いのではないかと語る。しかし山さん
は話を聞かず、ゴリさんには小池の元妻のユキ子を尾行して
欲しいと頼む。ゴリさんは妻の身に何か有ってから後悔しても
遅いのだと訴えるが・・・

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■山さんの捜査方針

今回は珍しく初めて山さんがメインの話だった。
山さんの捜査方針は自分が検挙した相手のその後の行動まで
見守るというもの。
全てでは無いにしろ、逮捕した当時の状況などを考慮して、
再犯の可能性の高いモノをピックアップしていたりするのかな。

■山さんの刑事としての使命感

妻が病気で入院・手術するという場にも立ち会えない辛い状況。
正直見た目にはそんなに山さんの現在の尾行している状況が
犯罪が起こりそうにないだけに、非情にも思えてしまうところが
有るんだけどね。

最後に妻が、私は刑事の妻だとして理解を示す辺りが泣ける。
良い亭主にはなれそうにないとする山さんに対して、変わりに
良い刑事になってと告げる妻。刑事の妻の鏡だね。

■マカロニは相変わらず山さんの行動に理解出来ず

マカロニだけでなくダレもが理解出来ないとは思うけど、山さん
自身が納得しない限りは、捜査も辞めないと思うしね。
ただ山さん自身も、捜査中に妻のことを考えて、小池を逃がして
しまう姿を見れば、あんまり捜査に身が入っていないじゃないか
と小一時間な感じだったね。

■マカロニは心の浮気か?

今回の容疑者も浮気のネタだったので、マカロニ自身の心にも
触れたのかも知れないが、マカロニが山さんの妻と、公園で
楽しそうにデートする姿は流石にちょっと違和感が有った。

妻がマカロニと無意識下で手を握るシーンが有ったので、妻が
夫の夢を見るというのならば分かるけど、なんとなくマカロニが
夢に見てしまうと微妙に感じてしまうのは気のせいなのか?

■ユキ子は心の中で作り上げた人物

殺すならばそんな心の中に居るユキ子を殺して忘れるのだと
告げる山さんが格好良い。

殺人未遂での逮捕なので、また小池は出所したらユキ子を狙う
のではないかとする心配もあったりするけどね。

■手術室がまた70年代

麻酔とか人工の呼吸器とか、凄いレトロで驚く。
日本もこの40年で相当進化したなと感じさせる病院での手術・
入院シーン。町医者で大動脈弁狭窄の手術をしたような感覚
だったぞ。

■ユキ子がとんでもない女

風俗嬢でパトロンの家に住んでいるみたい。
義理の妹・サチ子を女中扱いしている姿も有ったし、サチ子
が殺されそうになって全然気にしない様子。
ユキ子役は、太地喜和子さんだったのかな。
犯人の小池は郷^治さん。宍戸錠さんの弟みたいだね。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇 (めし屋「宗吉」の主人、シンコの父)
武田ウタ …… 賀原夏子 (タバコ屋、早見の下宿先の大家)

太地喜和子、町田祥子、弘松三郎、杉山俊夫、小林勝也
上田侑嗣、大川義幸、土田清美、玉井碧、福井淑恵、郷^治

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