太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

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第16話 1972年11月3日 15年目の疑惑

脚本/鴨井達比古 監督/金谷稔
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容疑者は銃を所持して現場から南の方角へと逃走している。
無線でそう知らせが入ると七曲署の刑事たちは、一斉に辺りを
捜索し、住宅街でマカロニが発見。犯人を公園で追い詰めると
一同で捕まえる。犯人が所持していた銃は、
南部14年式拳銃の
改良型
だった。
拳銃を使用した容疑者の高橋によると、酔って喧嘩してついて銃を
持ち出したが殺意はなかったと主張する。幸い被害者もかすり
傷だった事から、傷害罪と銃の不法所持罪で良い所1年の刑期
だろうとのこと。しかし山さんはその銃を見て
15年前の殺人事件
と関係が有るのではないかと指摘
する。鑑識からの報告で線条
痕は、15年前に使われた銃と一致し、ボスも捜査員達に、15年
前の事件で使われた事を告げる。

取調室で高橋から銃の入手経路を聞く。
すると拳銃は預かっただけだとし、
カジカワ組イシケンという男性
から渡されたと自白する。15年前個人で金貸しをしている古畑ヤス吉(52歳)
が当時殺害されており、山さんにとって初めての殺人事件を
担当した事件だったのでよく覚えていた。
古畑は至近距離から二発撃たれており、現場では金庫が開いた
ままだったが、金は盗まれずに残されていたという。
当時古畑が金を貸していた得意先リストから100名以上の容疑者
を取り調べしたが、結局凶器の銃も動機も発見されず迷宮入り
された事件だった。新聞でも随分と警察の対応について叩かれた
ものだという。
殺人事件時効は15年故に二日後には時効が成立
今頃容疑者は祝杯の準備をしているころだと呟く。
ボスは今回は銃という手がかりが有り、我々は捜査のプロなので
この件を絶対に逃すなと語る。

一方シンコは少年課刑事の中沢シンジ(49歳)と共に、街を巡回
していた。高校生達がタバコを吸っているのを見て補導し、
七曲署の
山本町派出所に補導した少年・小野トシオを連れて来る。
シンコは厳しく問い詰めようとするが、中沢はこの子の持ち物
から喫煙は常習化しているものではなく、恐らく悪い友達に
誘われただけだろうという。単に厳しく指導すれば良いという
ものではないと聞かされシンコは納得する。説教よりも如何に
サボらせないようにするのかだと聞かされる。
そんな中、15年前の殺人事件の捜査中のゴリさんが電話を借り
に派出所にやってくる。捜査している事を知った中沢は、タバコ
を吸おうとするが逆に吸っている事に気か付かず口にくわえてい
た。
銃を持っていたイシケンが通っている雀荘で聞き込みをすると
いう。

その日の夜、シンコは中沢シンジの息子・ヒロシの元に頼まれて
いた古雑誌を持って行く。学校の課題で広告の研究に使うのだ
という。シンジは新聞を見ていると、15年前の事件に於いて
拳銃を所持していた労務省の高橋が容疑者として深まっている
事を目にする。

マカロニとゴリは雀荘でイシケンから話を聞く。
高橋なんて知らないとするが、イシケンと高橋を取調室で
引き合わせる。すると高橋はイシケンの事を兄貴と呼び、
このままだと殺しの容疑にされてしまうとして、イシケンから
受け取った事を告げる。
山さんたちはイシケンに対して、銃のルートを知りたいだけだ
として、どのように入手したのかを問う。するとイシケンは
5年前に5丁目で料理店のコックをしていた柴田から購入した
のだと告白する。

事件の時効は明日の24時までに迫っていた。
そんな中、七曲署のボスの元に手紙が届き、そこには雑誌の活字の
切り抜きで
"高橋は殺人犯ではない、犯人は別に居る"と書かれていた。
イタズラしては妙だとし鑑識に回すことに。
それと同時に中沢が近くに来たとして、七曲署のシンコを尋ねて
くる。まるで事件の捜査状況を探りに来たような中沢の行動だ
った。

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■山さんの初の殺人事件の案件

単なる町で起きたケンカだったけど、そこで銃が使われ、
その銃が15年前の事件に使用されたものだと判明する。
山さんは特に今回の事件に関して入れ込みが有る感じ。

■宗吉の登場は終わり?

前回からオープニングの映像に宗吉が出なくなった。
もう今後は出なくなってしまうのかな。
その分シンコに頑張ってもらわねばならないという所か。

■銃の流れを追う

橋本が持っていた銃。
兄貴分のイシケンが持っていたとし、イシケンは当時料理店
のコックをしていた柴田から購入したものだという。
柴田が遊園地で働いているのを知って問い詰めると、かつて
空き巣に入った現場から盗んできた者だと判明する。

■明らかに冒頭から犯人が分かる

突然新たな警察関係者が出てくると大抵は事件に絡んでくる。
冒頭からとても良い人っぷりを発揮している中沢が犯人である
事も明らかで、事件の捜査がまた始まったと見るや、分かり
やすいリアクション、行動を起こすところが何とも言えない
ものが有る。

■犯人の苦悩

町の少年課を監督していて、とても出来た人だった。
別の人物に殺人の容疑がかけられている事を知ってわざわざ
手紙を送って寄こす。
告白したいのだろうけど、家族のことを考えるとそれも出来ない
という所なのか。

■シンコが一番最初に情報を得る

雑誌の切り抜き、そして玄関先で夫婦の会話を聞いてしまい
犯人が中沢であることを知る。
七曲署の刑事たちも別の角度から中沢が容疑者であることを
掴んでいく。
犯人が中沢だと知った際、マカロニと殿下だけは消極的な態度
になった。

■時効であと僅か

犯人の父親は時効が迫る中でも自首しようとする中で息子が
それを止める。
良い人であっても殺人事件の被疑者・当事者になり得ること
と、刑事として例え犯人が誰であろうとも例外なく捕まえる
べき主張を行っていく。
また中沢本人も時効で罪には問われなくなったとしても、人を殺した
という事実は消えない事を唱えていた。
今でこそ殺人事件に時効はないけど、ドラマとしては時効がある
方がこういうエピソードを作れて有りがたいのだろうけどね。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇 (めし屋「宗吉」の主人、シンコの父)
武田ウタ …… 賀原夏子 (タバコ屋、早見の下宿先の大家)

武内享、市村昌治、守屋俊志、江原一哉、広瀬公彦、汐見直行
武藤章生、本山可久子

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