太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

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第17話 1972年11月10日 俺たちはプロだ

脚本/長野洋、小川英 監督/竹林進
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ランチタイム。ボスは新聞を広げて読み、長さんは詰め将棋に
興じる。山さんは勤務時間にもかかわらず雀荘で遊び、ゴリと
マカロニは昼食を取ってくる。犯罪が起こらず天下太平だと
告げるボス。そんな中突然ボスのデスクの電話が鳴り、
爆弾を
仕掛けたという予告の電話
だった。
第八銀行の新宿支店
今日の
午後1時に爆発が起きるというのである。けが人を出した
くなければ早く客や行員を退避させろという電話だった。
ボスはすぐに地元の所轄に連絡を入れて念のために避難誘導を
求める。しかしいざ時間が来ても爆発が起こらないとして、
マカロニが中に入ると、突然の爆発音がする。しかし爆破自体
は大した事は無く、大きな煙が立ちこめ、マカロニの顔は
煤だらけになる。しかしいたずらにしては手が込んでいると
いうボス。規模は小さいものだが時限装置は巧妙な仕掛けが
してあるとの事が報道でも伝えられる。

そんな中、
常東銀行でも5人の七曲署の刑事を名乗る男性達
が銀行の職員に対して爆発物が仕掛けられているとの連絡を
受けたとして客や銀行員たちを裏口からそっと避難させて欲しい
と言われる。正面口から退避させると騒ぎが大きくなるとの
理由だった。しかし誰も居なくなった銀行内で5人の男達は
金庫の金、1億3千61万5千円を盗んで逃げていく。

ボスたちはそれを知り第八銀行は伏線だったとして、自分たち
が出汁に使われたことに地団駄を踏む。
目撃した銀行員によると犯人は
ワゴン車で練馬ナンバーだった
という。
5人組で主犯格はメガネをかけており、もう一人私服
の人物が居たという。2名は制服警察官で、1名は運転手役だっ
たとのこと。彼らは面が割れているのですぐにモンタージュを
作って捜索しようと言うがボスはこの犯行を聞いて手口から
有る容疑者の事が頭に浮かんでいた。
過去の事件ファイルからオダギリケイの写真を持ち出し、目撃者
に見せるとまさにこの人物だったという。
オダギリは昭和12年8月10日生まれ、
神奈川県横浜出身。
昭和42年2月6日に銀行を襲っており、その際逮捕したのは藤堂
だった。3件の銀行を襲ったが、2件の銀行の犯行は立証できず
懲役8年の刑を処せられ、5年の刑期を持って10月1日に仮出所に
なっているとのこと。川井町の
アカネ荘がオダギリの住所に
なっているが、今朝から帰宅していないのだという。

その頃オダギリはシマオカサナエの元を尋ねる。
サナエは花園の裏通りで洋裁店を経営していた。オダギリは
サナエの夫・シマオカと親友であり、その息子のオサムの為に
お土産として怪獣のオモチャを買っていく。サナエに対して
シマオカは帰宅したのか?と尋ねるが、最近夫の様子がおかしい
とし、まだ帰宅していないのだという。オダギリは帰ってきたら
電話してくれと頼みこの場を去る。

オダギリの元に電話が鳴ったかと思うとサナエからの電話だ
った。息子のオサムが3人組によって誘拐されたのだという。
西口公園に行ったとの事だった。すぐにオダギリも現場に行くが
シマオカの遺体が見つかっただけだった。

公園で遺体が発見される。
銀行を襲った一人・シマオカだと判明し、仲間割れによる犯行
の線が高かった。しかしオダギリは銀行は襲うが人を殺すよう
な犯罪者ではないことを告げるボス。
そんな中で七曲署にはオダギリ本人がやってくる。オダギリは
ボスにだけ話したい事があると告げると、ボスは署員たちを
退室させて話を聞く。
すると銀行強盗した事を認めるが、仲間割れが起こり、工場跡
ケンノボルたちが金を持ち去ろうとして争いが起きた事を
語る。その際シマオカが金を持って逃げたが、シマオカの息子
のオサムが誘拐され、その直後にシマオカが公園で殺害された
事を語る。

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■ボスが主役の話

ここの所ボスが精力的に現場に来ることが多いな。

今回の事件はボスが過去に捕まえたことのある人物で、それを
意識して犯罪を犯してくる犯人が主役。

犯人役はドラマ探偵物語で、刑事・服部役を演じていた
成田三樹夫さんだった。

■シナリオとしては比較的完成度の高いエピソード

今のように防犯システムが発達した銀行だと成立しそうにない
けど、一度目の爆破予告を利用して、その隙に別の銀行を襲う
というのは面白い流れだった。

人間の不安な心理を上手く突いて銀行員たちを待避させた感じ
にも思える。

また人質を取られた際に、犯人と接触する辺りの流れも視聴者
の虚を突き、上手い事流れを作った。

駅や電車での撮影とかかなり難しかったのではなかろうか。

■平泉成さんが・・・

クレジットを見ると平泉征になっているけど、これって平泉成
さんの事だよなぁ。
ケンという犯罪者3人組のリーダー格の男性を演じていて、
銃で成田さん役の共犯者を脅すという役割だった。
意識してみないとまず分からないかも知れない。

銃で脅すやり方なんてプロの犯罪者ではないとのことで
二人が争いになる。殺したら金の在処は分からなくなるという
事でオダギリを殺害する事は無いだろうとは思うけど、子供を殺
すと言われて怖じ気づく。ただ殺す度胸も無いと発言していた
けど既に一人を殺している訳だし、殺すつもりならば殺しそうな
気もする。

■子供の命を優先

まさかのオダギリが自首。そして誘拐事件の捜査協力を求める
事態に。
銀行強盗に関してはプロでも誘拐事件にはオダギリも対処出来ない
と感じたのか。
七曲署を名乗って犯罪を犯したかと思えば助けを求め、しかも
ボスとは心を通わせているかのような演出は、やや不可解な
感じもするが、オダギリが思っている以上に、ボスの敏腕さが
証明されていくという事で、流れとしては悪くは無かったかな。

■親友、そして親子

なんだか子供に関してはかなり複雑な事情が有る感じの今回の
ドラマ。結局銀行強盗をしている最中に、オダキリは親友の
シマオカに子供と妻を托したという事なのだろうか。

最後は犯罪者の子にしたくはないので、自分が親友を悪の道に
誘い入れて他界したという事に決め込んだ様子。
子供には父親が悪人だとは思わせたくないのだろうけどね。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇 (めし屋「宗吉」の主人、シンコの父)
武田ウタ …… 賀原夏子 (タバコ屋、早見の下宿先の大家)

成田三樹夫、中井啓輔、平泉征、中村俊男、松尾文人
今井和雄、大下真司、本島一宏、河村有紀、玉川伊佐男

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