太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第25話 1972年1月5日 手錠が朝日に光った

脚本/小川英 鴨井達比古 監督/金谷稔
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二人の男が車の中で会話していた。
今更怖くなったのか?と問い欲しかった金が目の前に有るんだ
ぞと語るカヤマ。金は他人の金ではなくお前が当然もらって
良い金だとし、誰にもバレはしないと森田マコトを唆す。
森田は
酒屋に侵入すると金庫を開けて金を抜き取ろうとする。
しかし店長が出て来てそれを止めようともみ合っていると、
森田は
店長をアイスピックで刺してしまう

すぐに事件の捜査が行われる。
盗まれた金は180万円程度で銀行に明日預けるハズの売り上げ
金だという。犯人はこの酒屋で働いていた森田マコトである
事は既に病院に運ばれて店長の証言から話を聞いて判明していた。
森田にはかなり深い関係にある女性・中島栄子が居るとのこと。
マカロニとゴリさんは栄子の事を尾行する中、彼女は婚約指輪を
受け取り、そして男性ものの下着を購入する姿を目にする。

森田とは必ず連絡を取っているはず。
しかし山さんは聞き込みの結果、
森田は決して強盗をするような
人物ではないとの証言
を得ており、また女性の栄子もキャバレー
に勤めているがとてもマジメな娘だという。犯行時刻の前後に
店の前に車にエンジンをかけたまま駐まっていたという目撃証言
が有った為に、共犯者の可能性を示唆していた。

マカロニとゴリはずっと栄子のアパート前に張り込みしていた。
そんな中、コートを着たサングラスの男(カヤマ)が、同じく栄子
の家を見ている事が目に留まる。
二人は追いかけて話を聞こうとするが蒔かれてしまう。
森田ではない事だけは確かだが・・・

そんな中、カヤマは栄子に電話すると、森田がヘマをした上で
金を持って逃げているとし、裏切りは必ず殺すと言っておけと
告げる。

女性は荷物をまとめると、旅行会社に駆け込む。
ゴリは彼女が
福岡行きの航空券を買っているのを知る。
しかし一人分のチケットだった。ボスに報告するとそのままマカ
ロニと二人で尾行するよう告げ、森田は
長崎出身なので土地勘
が有るのだろうという。ボスは長崎県警にも知らせておくと
告げる。

栄子とゴリたちは福岡空港に降り立つとバスと電車を乗り継ぎ
佐世保へと到着。栄子はそこからタクシーに乗り弓張観光ホテル
へと向かった為にゴリたちもタクシーで追いかけ、隣の部屋を
抑えて監視する。
ゴリはボスに報告すると、シンコもまた現在長崎に行っている
のだという事を聞く。ゴリは長崎署の刑事に挨拶に行くので
マカロニにはそのまま栄子を監視していてくれと頼む。

栄子は観光船に乗り五島列島へと向かう。
マカロニも船に乗ると栄子は彼の行動に気がつく。
降船したところで栄子は出入り口にいた職員にマカロニが
船の備品を盗んでいたと嘘を付いて、尾行をまこうとする。
栄子は現地の人しか知らない様な海岸に行くと、ボートに
乗ってきた森田と再会を果たす。栄子は森田に、カヤマから
脅しの電話が有った事を報告し、ここに来るまでに何者かに
尾行されていたことを告げる。隠れるような島はここには沢山
有るので今すぐ出発しようと言うと、マカロニがそこを訪れ
森田を逮捕しようとする。しかし栄子が邪魔をして森田の
逃走を手助けし、
マカロニが持って居た手錠を自分の腕と
マカロニの腕にかけて、鍵を捨ててしまう
のだった。

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■シナリオとしてはイマイチ

放映されたのは1972年1月5日。ちょうど年明けのエピソードと
いうことで気合いが入っていたのだろうし、太陽にほえろ!と
しては珍しく地方ロケとも言える九州・長崎がロケーションだ
った。長崎・佐世保の名所の数々の巡って回るというスペシャル
感は有ったけど、少々シナリオとしてはお粗末だった感じもする。

■犯人は良いヤツ

酒屋で働いていた真面目な男性・森田だが、店主から積み立て貯金を
すると言われ、6年間月2万円ずつ天引きされていたようだ。
しかしそれがウソで、その金取り返そうとする為に強盗に入ると
いうもの。

カヤマという人物は何処からそんな事情を聞いてきたのか分から
ないけど、完全に便乗してきた人物で森田をそそのかして半額
奪い取ろうとしたようだ。

■森田の女

長崎で森田と落ち合い駆け落ちならぬ逃亡生活をしようとしてい
た様だ。
ゴリとマカロニが二人を尾行して、先行して長崎入りする。
ゴリとマカロニが単独で行動し始めたことで、マカロニだけが
女性・栄子を追うハメになり、海岸で森田と接触する栄子を
見て捕まえようとする。
しかし栄子の妨害で逃げられることになる。
手錠をハメられてしまい、マカロニは栄子と行動を共にしなければ
ならなくなったようだ。

■砂浜は何処に有るのだが・・・

マカロニと栄子が港に戻ろうとするのだけど、もの凄い丘陵地
で、とてもじゃないけど帰れない場所。
満潮時には正規のルートでは帰れなくなるということで二人で
海辺で過ごす事になるが、そこで大したドラマも生まれない
ところがちょっぴり残念。
こういう所で見せ場を作っておくと、後々、マカロニが警察官
としてはあるまじき見逃し的展開にも説得力が出るんだけどね。

■カヤマって馬鹿?

エヴァンゲリオンのアスカ調でそう叫びたくなる感じ。
カヤマは自分が犯行の痕跡を残させないためにも若者を唆せて
犯行を犯させているというのに、刑事が追っている山に踏み込み
その人物から金を奪ったり、銃で発砲してくれば、すぐに足が
付いてしまうではないかという感じ。

マカロニが犯人に投降する意味もまるでわからず、何故銃弾を
残したまま銃を相手に渡したのかも意味不明だった。

■平和公園でシンコと記念撮影

容疑者の写真を撮ろうとして、記念撮影するフリをしてカヤマを
撮影するシーンが有った。ただこのカヤマという男性、ゴリさん
をマークしていたかと思えば、いつの間にかマカロニに近づいて
森田に急接近している。
刑事よりも鼻の利くヤツなのか?

キャバレーで発砲していたけど、計画的で荒っぽいヤツという
割に無計画っぽさが出ているな。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

中島栄子 …… 土田早苗

大宮貫一、石川宏士郎、田方美代子、佐々木睦雄
戸塚孝、大宮幸悦、浜田晃、石立和男

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