太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第32話 1973年02月23日 ボスを殺しに来た女

脚本/鎌田敏夫 永岡忍 監督/澤田幸弘
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七曲署ではマカロニはボスやゴリの前でトラップマジックを
披露する。シンコにもマジックを見せるがあっさりと見破られ
る。
そんな中、一人の
女性が捜査第一係の係長に会いたいとして
やってくる。現在の係長はボス・藤堂俊介だった。
女性は二人きりで話したい事を告げると、ボスは取調室で
話をすることにする。椅子に座ると突然
机の下から銃を空撃ち
する音
が聞こえる。女性は弾が入って居ない事を知ると突然
逃げ出す。すぐにマカロニたちに追いかけさせるが、女性は
非常口から落ちて意識不明の重体に陥る。

女性が持って居た銃を調べると一発の弾丸も入って居なかった。
身元が分かるものが何一つ持ち物からは見つからず、身元不詳
のまま
中央病院へ運ばれる。
しかし人を殺しに来るのに弾が入って居ないのを知らないなんて
不自然だという。ボスは恐らく来る直前に弾を抜かれたのだろ
うという。

そんな中、七曲署に警視庁の刑事・
石田がやってくる。
石田はボスが襲われかけた事を聞いて、警察に対する犯罪は
重大犯罪である事を告げ、すぐに本庁に知らせるべきことを
告げる。相手の女性は意識不明の重体である事を告げると、
意識を取り戻したらすぐに事情聴取をするので知らせるよう
求める。石田は立ち去ろうとする中でマカロニの姿を目にする。
君が噂の変な刑事だなとし、髪の毛を切るよう命令していく。

ボスの元に突然電話が鳴る。
電話口では何も名乗らずに唐突に
"女は助かるのか?"と問う。
ボスはすぐに逆探知する様要求する。病院に運ばれたことを
語ると、電話口の男は、警察署の中で銃を振り回す女を
どうして捕まえられないのかと呟くと電話を切ってしまう。
ボスはデンカとマカロニに対して女性の持ち物を調べて
身元の特定を急ぐよう指示し、山さんとゴリさんに鑑識で
話を聞いてくるよう求める。

鑑識に行くと銃の線条痕からは過去の事件で使用されていない
ものだと分かるが、拳銃自体は
東南アジアからの密造銃で、
同型の銃は先日
青龍会の手入れの際に多数押収しているとの
こと。押収漏れしていた銃が有るのではないかという。
ゴリさんと山さんはその足で青龍会の幹部、西山の元を尋ねる
と、銃の件で話を聞く。青龍会が流した銃がウチの署のボスに
向けて使用されようとしていた事を告げ、これが知られれば
また取り締まりが激しくなるぞと告げる。西山はすぐに部下に
調べさせると告げると、独りの男を連れて署にやってくる。
すると男は女に銃を売ったことを認め、いくらでも良いので
銃を売って欲しいと言われたので100万円で売ったと語る。
女はバーの
不夜城ケイコと呼ばれて居るホステスだと聞かさ
れる。

不夜城で住所を聞き出すと自宅をガサ入れする。
すると坂口明夫と一緒に写っている写真が部屋に置かれており
遺書のようにして"やっとあなたの所に行ける"と書かれていた。
死ぬ覚悟でボスを殺しに来ていた事を知る。この文章から
すると明夫という人物もこの世には居ないのだろうと告げる。

ボスの元には再び謎の男から電話が鳴り女性は生きている
のかと問う。ボスは君が明夫なのかと問うが、明夫はデカに
殺されたのだという。女性に後は俺がヤルと伝えろと言って
電話は切れるのだった。

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■ボスが狙われる

突然机の下から銃声の空音が聞こえたときにはゾッとする
ものが有っただろうね。
ちょっぴり軽率な行動だったのかも。

■警視庁の石田

また随分と横暴なキャラクターが登場したものだ。
瀕死の重体の患者の病室で凄い勢いでたばこを吸っている
時には殺意を覚えるほど憎らしさを発揮していたけど、
刑事による嫌がらせによって他人の人生を次々と狂わせていく
エピソード。
しかし一年で所轄から本庁に栄転になったのか。
キャリア官僚なのか。

■一年前の事件の真相は?

城東銀行が襲われた件で、坂口明夫はその容疑者だった。
逃走する際に電車にはねられて死亡してしまったようだけど、
それ以前に起きた強盗の件で、石田は坂口の共犯を疑い、
執拗に迫っていたようだ。疑われたからと言って本当に強盗に
なるというのも違和感はあるけど、結果として女性も刑事に
追われて転落してしまった。
あの非常口の構造、あり得なさすぎる。

■石田、マカロニの髪の毛に嫉妬か!

70年代のドラマなので、ロン毛にしている人への風当たりは
相当強い物が有るのかも知れない。3度、4度と遭う度に
髪の毛を切れと言っていたね。

このドラマ1972年に始まって、現在約1年が経過したけど、
マカロニがどんどんブランドものに身を包んで正装になって
いるところが気になる。

■向かいのビルから光りが・・

よくドラマではもの凄い光を発してライフルの動きを察知
するけど、そんなに光るものじゃないよな。
石田はここでもマカロニによって救われる。

■涙ぐましい尾行

今回の容疑者であるウミヅカマサシ(仮名:寺本)が電話してい
た時間を計測。ゴリさんたちの尾行の流れと、電話された
のを確認するボスとの間で時間のすり合わせをしてウミヅカ
が電話の相手だと特定していく。

しかし正直、ウミヅカが病院に来たとしても犯罪の証拠には
直接結びつくモノが無いんだよな。

■マカロニが初めて銃で人を殺す

このドラマの当初からの拘りが、銃を使わない捜査だった。
ゴリさんにしても、シンコのお父さんにしても、銃携帯に対
する信条が深く描かれたエピソードが有った。
今回いよいよマカロニが結果として銃を使用して殺害して
しまったことは、相当傷として後を引いていくのかも知れない。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

佐藤慶、鹿島信哉、中川昌也、長浜哲平、宮田弘子
川口節子、美山ゆみ、菅原慎予、樋口雅子、香川リサ
今井和雄、森康子、柿木恵至、北川陽一郎、小海とよ子
小林夕岐子、井上博一、高橋明

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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