太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第33話 刑事の指に小鳥が....

脚本/市川森一 監督/金谷稔
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デンカは妹の京子から相談を受けていた。
音大で一年年上だった男性で現在
作曲家を目指している人と
結婚したい
というのである。父親は猛反対しているということで
兄に父親の事を説得して欲しいと頼みに来たのである。
デンカは父が反対する気持ちもわかるとし、作曲家志望なんて
苦労するという。デンカは知り合いの夫婦が漫画家同士で
結婚したが、その後夫がアル中になり家族がガタガタになるの
を目にしているというのである。現在は妻がバー勤めしてなん
とか生計を立てているのだと。京子は夫が駄目なときには妻が
助けるのは当然だとして、デンカの忠告にも耳を貸さない感じ
だった。

男性・辻ケンジは女性・谷口すみえと共にある造成地で穴を
掘っていた。そしてケンジが穴を掘り終えるとすみえはその
中に夫の浩三を埋める。その際凶器も一緒に埋めるが、
靴だけ
の両足共に取り除く
と、ケンジに対して
自殺の名所に靴を置いて
くるよう頼む
。ケンシはすみえに言われるままバイクに乗って
急いで頼まれたことをしにいく。

すみえは何事も無かった様にして最寄り駅・
大久保から改札
を出て自宅マンション・
西北マンションする。24時25分だった。
部屋の改札には谷口浩三(401号室)と書かれていた。
帰宅すると落ち着くために水を飲み夫婦の写真立てを伏せる。
すみえは自分が来ていた
コートのボタンが外れていることに
気がつく。夫を殺害するときに夫が掴みかかっていて取れて
しまったのである。そんな彼女は突然吐き気を催しトイレに
駆け込む。妊娠していたのだった。
ベランダの小鳥のカゴを室内に入れると、番いとして飼ってい
た小鳥の一羽を取り出すとカゴから逃がす。まるで自分が夫か
ら解放されたかのようだった。

すみえは疲れて仮眠していると共犯の男性・ケンジがマンション
にやってくる。時間にして午前4時前だった。誰にも見つからず
に靴を置いてきたか?と確認すると、すみえは男性をマンション
の屋上から突き落として殺害する。

マンション前で人が倒れて居ると通報が入るが、通報が有った
のは男の死後3、4時間経った後だった。男の手・
爪の中が泥だ
らけな
事に気がつく。この辺は物騒な地域なので少々もめ事が
有っても人は出てこないとし、誰も気に求めなかったのだろう
という。現場には靴が何故か脱いであり、刑事達の見解では、
泥棒に入ろうとして壁をよじ登り足を踏み外したのではないか
というものだった。

デンカは谷口家へいく。
デンカは一ヶ月前にから谷口家と縁があった。
マンションの下で男が落下したことを報告し何か気がつかなかっ
たかと尋ねる。すみえは寝ていたので気がつかなかったと語る。
被害者は辻ケンジ(21歳)、大久保駅前の寿司店・店員だという。
現場近くに住んでおり、
実は先月の初めにデンカは痴漢にあった
としてケンジの事を警察に相談していた
のである。
ケンジの自宅を調べたゴリさんたちは、室内には何も無いのに
オートバイだけには拘りがあったようだという。
ストーカー被害に遭ったとするすみえの夫の
谷口浩三は漫画家
として有名
で、聞き込みしている際に、妻・すみえはデンカの
事を優しい刑事だと誉めていたと報告する。
当時ストーカー被害を訴えたが、ただつきまとうだけで何も
被害が無かったので警察としても手の出しようがなかった。
デンカも相手は精神異常者だとしながらも、今のところは何も
出来ないとしてすみえに語っていた。

谷口の夫はかつては人気が有ったが現在は三流週刊誌に掲載
されている程度のなんとか食いつないでいる漫画家だった。
現在は
酒ばかり飲んで完全に落ちぶれているという。
変質者もそんな浩三の漫画のファンなのではないかと呟く。

かつてデンカは谷口夫婦からストーカーの件が話を聞いていた
ことが有った。その際、妻が被害を訴えるのに対して夫は、
妻の妄想であり、この女性は誰かに関心を向けられていると
思わないと気が済まない女性なのだという。
浩三はデンカが刑事の割に身なりの良い格好をして女性っぽい
ところを指摘し、自分は防犯係に木村カツオを知っているの
だと告げ、デンカの事を報告すると脅してくる。しかしすみえは
夫と木村とは知り合いでも何でも無いと告げると、浩三は妻を
殴り飛ばすのだった。しかしデンカは目の前で殴られている
にも関わらず夫婦の問題として止めもせず、ストーカーの件
だけを聞くと立ち去って居たのだった。

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■デンカメインのエピソード

デンカがメインのエピソードってこれまでにあったかな。
京子という妹が居るようでその人物から冒頭では結婚に
関しては色々と相談を受ける。彼女としては結婚したいとの
事だけど相手は作曲家志望という辺り、如何にも怪しいもの
が有る。これで父親を説得して欲しいというのは無理が有る
ような感じだった。この時に京子に話した漫画家夫婦のエピソ
ードを今回は担当していく。

■当時の捜査

警察が民事や過程問題に踏み込めないのも分かるけど、デンカ
は目の前で妻が夫に殴られているのに止めようともしない
のはちょっと違和感が有ったかも。

ストーカーに関しては当時から存在していたってことなのね。

■デンカは完全に感情的捜査を繰り返す

今回の容疑者である谷口すみえの事を狙っていたストーカー
のケンジ。更に彼女の周りからは暴力で飲んだくれていた
漫画家の夫が存在していた様子。しかし居なくなってしまう。

■デンカの悲しい学生時代

今回容疑者のすみえから何故刑事になったのかを問われて
語る姿が有った。父親は検事で中学は男子ばかりの環境で
教育したということで、男子の上級生からラブレターを
もらう始末。悔しくて眠れなかったということで、父親から
は男らしくなれと言われて育ったらしい。

■いつもは女性を酔わせるデンカだが・・

今回は捜査に関わる事でデンカはすみえに同情してしまった
様でマカロニは明らかに犯人だとしていたけど、デンカは
どうしても信用出来なかった。
特に妊婦の女性が男性を落下させることなど無理だとの
ことで、その辺の疑問が最後に謎として残った感じ。

■役に立ったのは土の成分

土壌の成分だけで現場を特定するなど出来るのか。
今の世の中ならば出来なくもないとは思うのだけどね。
自殺に見せかけた靴に泥が付着していないとするは上手く
設定されていたけどね。

調べた結果、三カ所の工事現場と成分が一致する。

■工事現場から運ばれる土壌の行き先

分譲住宅を作る建設現場に運ばれている事を知り、その土地
を購入しているのが夫の浩三であること。
そしてその土地から夫の遺体が発見され、遺体の手から
ボタンが握られていた。

しかし普通ボタンが無くなったと気がついたときにコート
くらい捨てそうなモノだけどね。

■幻想を打ち砕く

デンカとしては信じたい気持ちがあったらしいが、自分自ら
が突き落とされそうになる事がようやく実感したようだ。
それにしてもどう考えてもその行動は危険だというのに、
如何にも殺されますって感じのシーンだったな。
デンカを殺そうとして時の吉行和子さんの表情が凄かった。
因みに漫画家の浩三の役は柳生博さんだった。
言われないとまるで分からなかった。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

吉行和子、練木二郎、上谷文乃、山口謙、川瀬秀司、上野郁巳
高橋裕二、柳生博


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