太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第39話 帰って来た裏切者

脚本/石松愛弘 監督/竹林進
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ボスは刑務所にいくと、白木剛の面会する。
あと一月で出所になるという白木。あれから5年長かったなと
言うボス。7年の刑期だったが仮釈放で2年間刑期が短縮された
のである。ボスは出所したらかすぐに北九州に行くようつげ、
そこに友人の工場が有るので話をつけておいたとボスは語る。
まだ
密告した戸川組の連中は白木の事を恨んでいる筈。白木の
自供によって幹部が根こそぎ逮捕されたのである。
白木の母・房江は東京に残るといっていることをつげると、
武はとっくに縁を切ったとして勝手にさせるという。ただし
自分は女を一緒につれていくとボスに語る。俺のことをずっと
待ってくれていた女性・松崎みどりが居るのだとし、月一度の
面会には必ず会いに来てくれたのだという。現在
バー"黒猫"
ホステスをしている女性だという。

ボスでデンカは二人でバー・黒猫に行くと、みどりの姿を見に
いく。しかしホステスの一人・マチコにみどりが来ているか尋ねるが
まだ出社していない事を聞く。

その頃殺し屋の来栖はサツに寝返ったやつが幸せになると調子
に乗るよなとつげ、みどりは来栖とその仲間たちによって車の
中で紐状のものを使って首を絞められ殺害される。
翌日公園に放置された車の中から絞殺遺体として発見される。

ボスたちは死亡事件の話を聞いて現地に行くと、被害者の
バッグの中から名刺が出てきて、被害者が黒猫のホステスの
みどりである事を知る。

署に戻ると七曲署の刑事たちは事件の詳細について語り合う。
死亡時刻は昨夜午後8時30分から9時までの間。車は昨日の夕方
に盗まれたもので盗難届が出ているという。
デンカはちょうとボスと飲み屋で飲んでいたときであり、
ボスが被害者の名刺の人物を捜していた事を指摘。一体どう
言うことなのかと問う。
するとボスは被害者は元戸川組幹部の白木の女性だと語る。
マカロニはまだ刑事にはなっていない頃の事件で、長さんは
6年前の事件について振り返る。麻薬の売買のもつれで、
死傷者が出る事件が有ったが自首してきたのが白木であり、
ボスが長い間粘りに粘って自供を引き出した人物だという。
ボスは時に白木に対して、ブンヤに白木が何もかも話したと
情報を流すぞと脅したり、時に白木の母・房江を使ったり
して自供にまで追い込んでいたのである。罪をなすりつけ
て知らんぷりしている組に義理立てなどするなという一言で
白木は陥落したが、もうすぐその白木が出所するのだという。
復讐にしては本人ではなく恋人を狙うというのは回りくどい
方法だ
という。見せしめに殺害したものなのか。白木は出所後
にみどりと一緒になる予定だったのだという。もしも狙いが
白木ならばこれはまだ手始めなのかもしれない事を語る。
マカロニは警察に協力した人の関係者が殺害されたら容疑者
は誰も本当のことを話さなくなるとして、懸念すべき事態だ
と語る。

いざ出所の日。
ボスとデンカは刑務所の外で待っていた。
みどりはどこにいるのかという白木に彼女が亡くなった事を
告げる。組の連中が殺害したのか?という問いかけに、ボス
はまだ詳しくは分からないが、自分たちがホシを挙げるので
お前は余計なことは考えるなと告げる。

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■ボスの責任

今回収監されている白木剛。
元々は誰かの罪を被って殺しを自供した感じで、ボスの説得
によって幹部連中を一斉検挙に追い込んだ。日本の場合
司法取引というのは存在しないのだろうか。

情状酌量されての7年の刑期なのかよく分からないけど、
色々と組関係のことを告白する事で、白木本人が出所後狙われる
可能性が高い案件。
一応ボスは出所後の仕事の世話はしていたけど、身の安全
を保障するとはいえ、何もしていない感じもした。

■殺害される白木の恋人

車の中で随分大人数で殺していたので、戸川組の報復かと
思ったけど、報復ならばわざわざ出所まで待たなくても良い
ような気もする。

結局殺害したのは雇われた殺し屋だろうけど、七曲署の面々
は一人の殺し屋を逮捕しただけで満足していたけど、他にも
あの場には沢山居たぞ。

■狙われる白木の母

演じているのは菅井きんさんだった。
前にも書いたけど、菅井きんさんってこの頃から、今のイメージ
通りの菅井きんさん像ができあがっていてある意味凄い。

屋台でおでん店を開いているらしく、帰り道に殺し屋の一人
によって手榴弾を投げ込まれていた。
凄い爆発力が有ったので驚いた。

■尾行、そして尾行

今回の事件、みんながみんな尾行していた。
もちろん今回の案件では、犯人を検挙しなければ、今後容疑者
が自供しなくなってしまう恐れが有るので、警察の威信に懸けて
も逮捕すべきものだったと思う。

みんながみんな尾行していて、一瞬巻かれたかと思えば、
誰かが尾行しているのだからある意味凄かった。
以前のエピソードの中でも尾行が気がつかれないように
上手い事メンバー内でローテーションで尾行をするってシーン
が描かれた事が有ったね。

■次々と浮かび上がる容疑者たち

爆弾を投下したのはカワモトという20歳の印刷工だった。
長さんが明大前駅で尾行しているものの、カワモトが
キヨスクでコーヒー牛乳を飲んでいる際に頼まれたという
女性が口答であんたサツに尾行されているわよと言われた
ことで、長さんの尾行をまいた。

戸川組・西田
殺し屋の来栖が麻雀をしている戸川組に連絡して、捜査を
攪乱。白木を襲わせた。
しかし白木を助けに入る母の勇気のある姿。
最初は制裁を受け入れていた白木も母親が突き飛ばされて
一気に4、5人居る戸川組の構成員を蹴散らしてしまった。

■来栖の登場

拳銃をもって現れたけど、白木との距離が近いな。
あれだと銃を奪われて容易に反撃できそうな距離だった。
まぁ後ろに母親が居たのでリスクは冒せないのかも知れない
けどね。

■真の犯人

冒頭からマチコというホステスがやたらと絡んできたので
臭いとは思っていたけど、その繋がりが見えてこなかった。
彼女の事を調べると、戸川の元恋人の木村ともこ(当時21歳)だ
と判明。5年でこれだけ耽るのかってくらいマチコの姿は
完全に熟女化していた訳だけど、白木が密告していなければ
楽な暮らしが出来ていたのだとして、殺意を抱いていた。
そんなことで人を殺すというのがまたある意味凄い。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

白木剛 …… 宍戸錠 (元戸川組)
白木房江 …… 菅井きん (武の母、屋台おでん店)
組織対策課刑事 …… 玉川伊佐男
来栖 …… 川辺久造 (殺し屋)
西田 …… 内田勝正 (戸川組)

平井道子、村井宏、佐羽裕子、小貫瑞恵

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