太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第40話 淋しがり屋の子猫ちゃん

脚本/小川英、長野洋 監督/竹林進
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長さんは住宅地で女性の悲鳴を聞く。人殺しだという女性
長さんに対して松浦家に連れて行く。まだ人殺しが室内に居る
かもしれない事を告げると、長さんは慎重になって中へと踏み
込んでいく。室内は荒らされていたが中に人影はなかった。
逃げたみたいだという女性はこの家の娘・松浦ユリだった。
遺体がないという長さんに対して、
襲われたのは私だとし、
後ろから突然首を絞められた
のだという。帰宅したら男が居て
鉢合わせになったとのこと。面と向かって犯人と鉢合わせした
のに後ろから首を絞められるというのは変ではないか?として
供述の信憑性を疑う。どんな顔をしていたか?と問うが分から
ないとし、こんな朝早くに帰宅して何をしていたのかと問うと
テニス部の合宿から帰ってきたのだという。家族は兄・カズヤ
だけだとし、父は幼少はに他界し母も去年亡くなったとのこと
だった。冷静になったユリは長さんに対して何者なのかと問うと
警察手帳を見せて刑事である事を告げる。テレビに出ている
刑事はもっと若くて格好良いのに、ずいぶん印象が違うとして
難癖をつける。兄は
青山でスナック喫茶"メロディ"を経営して
いるとし、私の為に大学を中退して店を開業したのだという。
家を担保に金を借りて店を出したとの事だった。兄が帰宅しない
というので電話してみるユリ。しかし店の電話に兄が出る事は
なかった。長さんはとりあえず現場検証するために連絡する
事を告げる中、ユリは
母親の形見のダイヤの指輪、ラジオ、
カメラが部屋からなくなっている
事を告げる。

その頃カズヤは店で何者かに
ロープで縛られて身動きが取れない
状況だった。
ユリの自宅に入った強盗の二人はボスの吉井の元に戻る。
吉井は二人の部下たちに空き巣みたいな事をするなとして注意
する。

長さんはとりあえずボスに電話し報告してから署に戻ろうとする。
ユリは私を一人にしていくのかとして、その間殺されても良いのか
と問う。長さんはもう強盗が入る心配はないとすると、ユリは
激怒し、帰れポリ公!と告げる。電話口で聞いていたボスは
凄い勢いで長さんとユリが言い合いしているのを耳にする。

デンカは念のためにスナック・メロディに確認に行くが店は
閉まっていた。

署に戻って一息ついているとまたユリから電話が鳴り、誰か人が
進入しようとしていると連絡が入る。
ゴリさんやデンカも含め長さんは急いでユリの元へと駆けつける
が、いざ現場に着くと気のせいだったみたいだと言われる。
長さんは署に戻ると被害妄想ではないのかとつげ、ユリの証言の
信憑性を疑う。

そんな中、ユリの元には男性・吉井が現れ、突然
包みを知らない
かとしてナイフを突き立て、おとなしく渡せば何もしない事を
約束する。お前の兄貴が隠し持っているもので、警察に話せば
困るのはお前の兄貴だと言われる。
カズヤが世話していたヒッピーの外国人・ジュリーが国に
帰った際に、お礼としてカズヤにプレゼントを送ってきたが、
その
中身はマリファナなんだという。

一方質屋に盗まれたリストを配布して網を張っていると、山さん
の元に電話が鳴り、ラジオ、カメラ、指輪を売りに来た二人組が
居ることを聞かされるのだった。山さんはすぐに質屋に行くと
二人組の内一人の身柄を確保する。

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■長さんが主役

長さんは、新宿駅から歩いている最中に女性の悲鳴を
聞いたのだけど一体何処に行こうとしていたのだろうか。
しかも女性の悲鳴が聞こえた現場と実際に襲われた現場
がかなり遠すぎるのがちょっぴり滑稽だった。

長さんが何故主役なのかは、両親の居ない娘の話だったため
に彼に父親像を求めているものだった。

■ヒッピーからの贈り物

なんと世話していた外国人の女性からの贈り物がマリファナ
だというから驚き。
国によってはマリファナは違法ではないということ。
現在でもオランダの方では国内の人は合法だということを
聞いたことがあるけど、当時の世界ではどうだったのだろう
か?

■兄と妹、妹と父

兄妹の思いというのはとても良く伝わってくるだけに、
逮捕されたら妹が困るとは思わなかったのだろうか?
短絡的に金を稼いで大学に行かせたいとする気持ちが働いて
しまったのか。

■繰り返される捜査の空振り

ユリの発言は寂しさを紛らわせている為の狂言かと思われ
るものが有った。ただボスたちはその辺鋭い視線を持って
接していたので、事態の自体にはならなかった。

この三人組の男、そもそもヤクザものだったりするのだろうか?
意外とユリに対する対応は生ぬるいものが有った。

■役割分担

相変わらず尾行シーンが多いのがこのドラマの特徴だ。
兄の尾行はゴリが行い、ヤクザの子分の尾行をデンカが
行っていた。

シンコが珍しく電話によく出ていたけど、今回はほぼ
マカロニが画面に出てこなかった。別のドラマで忙しかった
のだろうか?

■ピンクの人形

ちょっとあの人形を持って町を歩くというのは怖いものが
有った。最終的にはその人形を長さんの自宅に持っていった
みたいだけど、警察に声を掛けられた際にビクつくユリの
姿を見ると、なんとなくその時の気持ちは分かる気がする。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

吉井 …… 中庸介 (ヤクザのボス)
野崎良子 …… 井岡文世 (長さんの妻)
松浦ユリ …… 四方正美 (高校生・テニス部)
松浦カズヤ …… 夏夕介 (大学中退、スナック経営)

杉山俊夫、西朱実、鈴木士郎、亀山靖博

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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