太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第46話 黒幕は誰だ

脚本/鎌田敏夫 監督/山本迪夫
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"まるで穴から這い出した虫だ"
ゴリ、長さん、ボスは、殺人現場に向かう際に、ここ最近の
犯罪傾向を嘆いてそう告げる。最近この界隈では、麻薬中毒者
が突然人を刺したりする事件が多発していたのである。
ボスは長さんに対して10年前にも同じようなことが有ったこと
を告げると、確かあの時は麻薬のルートが見つかり、麻薬を
手に入れることが出来なくなった連中が街にあぶり出てきた
格好だったという。しかし今回は特に摘発したという情報も
無いにも関わらず麻薬の売人、そして常用者が街に出てくる
姿が有ったのである。今回起きた事件はアパートに突然麻薬
の常用者が入り込み、夕飯中の無関係な市民を刺したという
事件だった。

それを受けて警視庁では、ボスも呼ばれて対策会議が行われる。
街の風紀の乱れをただすために協力している坂口も会議室を
訪れて助言の為に現れる。坂口によるとこの機会にこの街の
膿を出す必要が有るとして、麻薬の撲滅をしようと語る。
今までは実態が分からなかったが、現在白日の下にさらけ出そ
うとしているのだという。しかしこの界隈に麻薬患者を収容
させる施設がない為に、急な摘発は混乱を招くことも考えられ
る。しかし坂口はそれを知りつつもやはり全滅させるチャンス
ではないかと告げる。一時苦しんだとしても手に入れる事が
出来ないようにすべきだというのである。

ゴリとデンカはそれを受け、街で張り込みして売人たちを掴ま
える為にタイミングを見計らう。しかし二人の尾行が気づかれ
て二人の売人は逃走する中、発砲までしてくる。ゴリは売人の
一人に向けて発砲すると見事足に命中するが、タイミングよく
彼らの仲間が車でやってきて二人の売人を回収していく。

ボスとマカロニは二人で三浦のマンションにいく。
医者からのタレコミがあり、銃弾の摘出手術をしたという通報
を受けての事だった。部屋には、三浦の弟・マサオと、三浦の
常婦である風間洋子の姿が有った。マサオは足を負傷しており
彼が当時麻薬を売っていた事は明らかだった。
三浦はボスに対して二人きりで話があるとしてベランダに呼び
出す。

三浦はボスに対して、何故街が今のような状況になっている
か分かるかと問うと、米と同じだという。麻薬は日本に今まで
通りのルートで入ってきているが、何者かが買い占めており、
値段をつり上げて売ろうとしているのだという。ボスは戸川
組の男たちなのかと問うが、あれはあくまでチンピラたちで
有り、買い占めをしてながしているのは背後にいる黒幕だという。
寧ろ買い占めた黒幕を引きずり出す為に二人で協力しようと
持ちかけられる。得をするのはお前だろう?とボスは告げるが
しかし同時に命を賭けることにもなるのだという。ボスはあく
までこれは七曲署としてできなく、俺個人で組むと語る。

ボスはマカロニに対して、マサオを逮捕せずに帰宅することを
告げる。マサオのアリバイは三浦が証言した事を告げ、疑惑は
有るが逃走の恐れはないので放っておけという。証拠不十分
であり、タレコミ情報は信用しないというボス。
ボスが逮捕しなかった事を受けて、七曲署の刑事たちもボスの
行動に不審に感じる。

ボスは夜、デンカを連れてクラブ"Cesar"にいく。
ここは三浦が経営しているクラブで、三浦の女・洋子もクラブ
歌手として歌っていた。テーブルについて一曲彼女の曲を
聞くとボスは帰宅するのでデンカはそのまま楽しんでくれという。
ボスの行動の意図が分からず、不審に感じたデンカ。
店の外でボスは洋子と共に話し合うと、一緒に彼女を連れて
帰宅するのを目にする。デンカは尾行する中、ボスのマンション
の前で張り込みする。すると窓からは洋子がバスローブで寛いで
いて、ボスと良い感じの関係になっているのを知る。

翌日デンカは七曲署の仲間にボスが三浦の女と一緒に一晩を
過ごしていた事を話す。
そんな中七曲署に電話が鳴ると、三浦が経営するスクラップ
工場で麻薬を精製しているという密告が入る。
ボスは長さん、ゴリさん、山さんに確認に行くよう告げると、
地下室には確かに人がいた形跡が有ったが既に逃げた跡であり、
誰かが捜査が入ることを妨害した可能性があることが分かる。
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■麻薬が横行する街

なんか凄い街が有ったもんだという感じで、麻薬捜査ら協力
しているという男性が出てきたけど、一目見て「君、犯人じゃ
ないよね?」オーラが出まくっていた。

ゴリさんとデンカが今回麻薬の売人を捕まえるために最初の
捜査に乗り出す。
しかしデンカの目立ちすぎるあの帽子姿で速攻で尾行がばれて
しまうところが何とも言えない。
昔はあんまり銃を出さずに封印していたのに、ゴリさんも
流石に相手に銃を向けられてあっさりと発砲していた。
見事足にヒット。

■犯人は三浦の弟

三浦と藤堂(ボス)は昔からの顔なじみ。
と言っても友達ではなく、刑事と犯罪者の関係。
ボスとしては何度も逮捕して妙な親近感を持っていたのだろう
か?
ボスとマカロニで弟を逮捕にいくも、三浦から黒幕の逮捕の
共闘を持ちかけられていた。
三浦は結局何らかの組織に属している人物なのだろうか?
クラブ経営とスクラップ工場を経営しているみたいだが・・

■ボスの不審な行動

敵を騙すにはまずは味方からということで、七曲署の捜査官
たちもみんなボスが逮捕しなかった事をきっかけとして
不審な行動に目を光らせる。
デンカはボスの家を見張って三浦の女・洋子と関係をもって
いると思わされた。

マカロニたちは遊びに来たという名目で盗聴器をしかけるも
あっさりとボスに見破られていた。
昔の盗聴器はラジオの周波を利用して居たんだね。

■ボスの部屋が爆発

三浦が死を覚悟しても麻薬の売買をしていることに対して
洋子は止めようとする。その際ボスの部屋にやってくるも
洋子のバッグの中には爆弾が仕掛けられていて、それを部屋に
持ち込んでしまった。
爆発力は大したことは無かったけど、ボスの部屋も暫くは
使えなさそうだ。

■相手から電話

昔は逆探知とかそういう概念は無かったのかという感じもする
けど、昔の逆探知はわざわざ色んな装置を付けるシーンが
有るので特別な機材が無いとダメのかな。交換機の方で
普通は調べると思うんだけどね。
受話器にタオルで塞いだだけで声色を変えられるという実に
リーズナブルなもの。

■全員死ぬ

太陽にほえろのエピソードの中でそんなタイトルの回を思い
出した。麻薬の精製所が凄いところに有って掘っ立て小屋
だというところが笑えるけど、弟を殺され、デンカが二度目の
ミスで警護対象者の洋子を犯人たちによって奪われ、
洋子の命と引き替えに、三浦に対してボスを殺害するよう命じ
ていた。

■誰も居ない場所で・・

交通法の関係なのか、誰も居ない開発地の道で最後のシーン
が撮影された。昔のドラマだけでなく現在のドラマを見ても
カースタントなり銃撃戦になると、突然不自然なくらい
田舎の車道に場面転換されて銃撃戦が始まる。
この辺は日本のドラマの弱いところなのかも。

坂口が現れた際には、流石に顔を見られたのだから、全員
生きて返すとも思えなかったけど、最後までボスがメインを
飾り銃撃戦から格闘シーンまでをこなす珍しい話だったね。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

三浦 …… 藤竜也 (麻薬、マサオの兄)
風間洋子 …… 奈美悦子 (クラブ"Cesar"歌手)
坂口 …… 伊沢一郎 (麻薬撲滅の為の協力者)

荒木保夫、朝倉宏二、幸田宗丸、入江正徳、菊地英一、林寛一


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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