太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第48話 影への挑戦

脚本/小川英、鴨井達比古 監督/土屋統吾郎
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シンコは親友・高野祥子公夫教会での結婚式に出席する。
二人のことを撮影するシンコは、その結婚式を遠くから見守っ
ているサングラスの男を見て、ふと3年前に居なくなった祥子
の兄・尾沢康彦の姿を思い出す。ベトナム戦争の報道のために
現地に渡るも三年経っても消息が無くなっていたのである。
康彦ではないかと思い声をかけようとすると男は車に乗って立ち
去ってしまう。シンコはとりあえず
車の写真を撮影する。

後日シンコは署で結婚式の写真を見ていた。
七曲署の仲間たちはシンコの親友が結婚した事を知り、そろそろ
シンコ自身も結婚を考えないと行き遅れるのではないかと告げる。
ボスはシンコが持っていた車の写真を見てこれは何かと問うが
関係ないものだとして誤魔化す。そんな中で七曲署には殺人事件
が起きたとの知らせが入る。

遺体は団地の前の公園に捨てられていた。
凶器は拳銃だが、血痕から見ても殺害現場は別に有ることは
明らかだった。死亡推定時刻は昨夜22時頃で、靴を履いていない
ことから部屋で殺害されてここに運ばれたのではないかと推察
される。聞き込みしていると夕べ二人連れの男性を見たことを
告げ、一人は裸足で酔っている感じで、もう一人の男性がその男
を連れていたのだという。

そんな中シンコは祥子が新婚旅行から帰宅するのを知る。
祥子たちはこの団地の38号棟の5階に住んでいるという。
シンコは祥子たちの部屋を見せてもらう。
夫の公夫が聖書を持っている事を知り尋ねると、誰か匿名で
結婚祝いに送ってくれたのだという。
そんな中祥子はコーヒーを入れようとするが、室内の配置が
変わっていることに気がつく。誰かがこの部屋に入ったのかも
知れないことを指摘する中で床に赤い血痕があるのに気がつく。
シンコは触れないでくれと告げ、すぐに鑑識を呼ぶことに。
すると血痕であることが分かる。ボスはそれを知り、すぐに
室内の指紋と血液を調べる様告げる。
更にデンカはダストシュートから血痕の付いた靴を発見したと
報告する。
祥子たちに何か室内から盗まれたものはないかと尋ねるが
現金類は何も盗まれていない事を語る。

被害者は指紋照合からは前科などはなく身元が分からなかったが
新聞を見た妻が夫ではないかと名乗りでた結果、被害者は
北川史郎(35歳)だと判明する。妻の話では夫は自動車のセール
スマンをしているとしていたが、北川は会社に所属しておらず、
しかも本籍地で調べると三年前に死亡しているのだという。
ライフルマークを調べるが、以前に使われた銃ではないことが
分かる。しかし殺害された男は何故高野家に侵入したのか。

近所で聞き込みしていた結果、不自然な男を見かけたとの証言
が有った。早朝に二人組の男性が救急車で現れるが誰を運ぶ
こともなく立ち去ったというもの。消防庁に問い合わせるが、
当時出動した形跡はないという。この事件は思っている以上に
奥の深い事件かも知れない事を告げ、その男たちは死体処理班
だろうと告げる。
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■シンコが主役のエピソード

シンコの親友が結婚式を行うと言うところから始まった今回
のドラマ。写真に写るサングラスをかけた男性が三年前に
ベトナム戦争で命を落としたの戦場カメラマン・ジャーナリス
トの康彦ではないかというところから物語が発展していく。

いきなり結論を書く様だけど、今回の康彦が取った一枚の
フィルムとは比較には成らないかもしれないが、シンコの取った
一枚の写真から色んな意味での糸口にしていくというところが
ある意味凄い引きの強さだった。

どんな犯罪者であってもどんな陰謀に巻き込まれていたとしても
妹の結婚式はみたいとする心理が有ったのかな。

■部下の顔色をよくうかがっているボス

上司として理想的なくらいに部下へのケアが行き届いている。
普段とは違うちょっとした違いというものに気がつくところは
なかなか出来るものではないよね。
そして話しづらいところを聞き出すところにも長けている感じ
がする。

■早い段階から事件の深さを察する

ちょっと今回の事件、奥深いものがあるとみんなが語っていた
けど刑事としての感なのか。
まだ凄く初期の段階から今回の事件の根深さを感じ取るだけの
材料としては少々物足りないものがあるような感じがする。
その後二人の既に他界した人物たちが被害者で有り、加害者
でもあると分かった時点では奥深さも分かるんだけどね。
自分たちの知らない別の世界の事情のことを語っていたけど、
一つの警察署の部署としては少々テーマは大きすぎる感じだっ
たね。

■公安が動いたのだろうか?

死体の処理をしている二人の男性の姿が有り、色々ともみ消す
ことに躍起になっていた。
康彦が殺害したのに何故二人が遺体の処理をしているのかなと
思っていたけどね。

公夫が拉致されて監禁されて自白させられようとしている
光景は何処か「トゥルーライズ」っぽいところが有ったかな。

■どうやって帰国した?

パスポートが有ってこそベトナムから帰国した訳で、帰国すれば
入国記録で生存の可否は分かるハズ。
妹も失踪者届けなどをしていなかったのだろうか。

■第三次世界大戦の危険性

ベトナム戦争で偶然写してしまったという四人の男性。
一体何がどう写っていたのだろうか?

■シンコの恋人

シンコにもそういう相手が居たというところに驚き。
久しぶりにシンコネタなので宗吉の姿も有った。

■警察の記者会見

ラストでボスが真相は分からないとしながらも国際政治に
巻き込まれた被害者たちによる事件だと表現された。
最後に康彦は爆死してしまったけど、フィルムは公夫が
持っているのかと思った。
そして最後はあっさりと負けを認めて捜査を終わらせて
しまった感じにも思えるけど、まぁ七曲署だけで対処
出来る様な事件では無さそうだったな。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

内田宗吉 …… ハナ肇 (シンコの父)
尾沢康彦 …… 村野武範 (ジャーナリスト、祥子の兄)
高野公夫 …… 磯村昌男 (祥子の夫)
高野祥子 …… 松井紀美江 (シンコの親友・新婚)

幸田宗丸、北川陽一郎
小野松枝、八木和子、由紀卓也、石川隆昭、門脇三郎


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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