太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第49話 そのとき、時計は止まった

脚本/小川英、長野洋 監督/山本迪夫
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女性がマンションの一室で殴られて死亡する。

警察・鑑識は通報を受けてアパートの一室を調べると、頭部を
強打されて死亡している女性の姿が有った。凶器は現場に落ち
ていた時計で間違いなく、鑑識によると死亡推定時刻は死後
一時間程度だという。つまり午後4時前後だということ。ゴリ
とデンカは近隣住民に聞き込みに出かける中、なかなか周りの
住民からの協力が得られないことに不満を示す。
第一発見者で通報したのは、この家でお手伝いをしている中島
友子だと分かる。
山さんはそんな友子から話を聞こうとするが、彼女は最初
に来た警察官に全ての事情は話した事を告げ証言を拒む。
山さんは話しているウチに思い出すことはあるのだとしてもう
一度話をして欲しいと頼む。休みで午前中は外出していたと
いう彼女。山さんは友子に対して彼氏は居るのかと問うと、
殺人と何か関係があるのかと不信に取られる。帰ってきた
時間は何時か尋ねると5時ちょっと前のことだという。
山さんは置き時計は普段きちんと動いていたのかと尋ねるが
正確な時を刻んでいた事を語る。マカロニは山さんが友子に
妙に突っかかるのが気になっていた

マスコミは現場付近に多数集まっていた。
被害者の川田美雪は元女優だった為に、警察は怨恨説で捜査
をしていると報道されていた。

ボスたちは美雪のスケジュール帳を確認すると6月5日には
ニチメイ商事の社長と、6月9日にはマルナミ興業グループの
橋爪功一、6月15日には代議士と新橋で会食していることが
分かる。そして被害に遭ったのは6月16日のことだった。
友子の話では、美雪に特定の男性は居なかったことを聞く。
ゴリたちは女優を辞めているのにパトロンもなくこんな豪華
な暮らしが出来る筈は無いとして疑いを持つ。ボスはお偉方と
精通している中で、弱みにつけ込んで金を強請っている可能性
について言及し、彼女が亡くなったことでホッとしている人物
が居るハズだという。
凶器の置き時計に付着していた指紋は前科者のものではなく
誰なのか分からなかった。手分けをして関係者から指紋を
集めて照合するよう部下たちに語る。
そんな中、ボスのデスクに電話が鳴り、マルナミグループの
橋爪功一を調べろとの密告の電話が入る。

山さんがマルナミグループの社長秘書をしている橋爪と面会
すると、6月16日のアリバイについて尋ねる。橋爪は手帳を
取り出すとその日は休日だったので伊豆にドライブに行った
事を告げる。
ゴリたちはその証言の裏付けを取ると確かに三時頃には
橋爪が懇親にしている女性と奄美の展望台に行ったと言っていると
女性から確認が取れたと報告が入る。密告の電話はウソだった
のか。この手の情報にはガセネタが多いというが・・・
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●山さんが主役のエピソード

元女優の川田美雪か殺害された件で、捜査が開始させる。
第一発見者で通報したのは家政婦をしていた友子。
山さんは彼女から話を聞く中で、彼女は自分と同じような
性格をしているということを掴んでいく。

●殺された現場・証拠

被害者が亡くなったのは6月16日の午後4時。
しかし凶器に使われた時計が壊れていたのは3時だった。
まず容疑者として上がったのはクリーニング店勤務の
男性・米田正男だった。全国指名手配までされるのだから
凄い。凶器の指紋が米田のものと一致したことと、現場
から去る米田が目撃されたことが大きかった。

●密告の電話

謎の密告の電話が二度あった。
一度目はボス、二度目はマカロニが電話を取った
一度目は男性の声、二度目は女性の声。
双方共に容疑者はマルナミ興業の橋爪が犯人だとされるもの。

●山さんは友子に拘り

今回のエピソード、諦めたらそこで全ての進化が止まると
ばかりに、山さんは容疑者が捕まり自供してもまだ犯人
が犯人だとするには違和感があるとしていた。

友子の事情を聞くと相当幼少期は苦労しており高校にも
まともに通わせてもらえなかったみたいだ。

それにしても友子にラブレターを渡したのが米田だという
事は良いとしても、行き場を失った米田が友子を頼るという
のも不自然な流れ。一度ラブレターをもらったというだけで
殺人犯の女性だとされる扱いにも良い違和感は有った。

●橋爪容疑者

知り合いのバーの女性をダイヤで買収してアリバイを工作し
ていた橋爪。時計で殴ったことを求めるがそれでは死んでい
なかったことが判明する。当時の橋爪が時計がまた動いている
のに気がついたのが原因だった。

●家政婦は見た

正直家政婦が犯人なのかなと思っていた。
女性は卑屈になるだけの人生を送ってきていて、人生の
不条理さなんかも感じているハズだからね。しかし実際に
は殺したのは米田だった。二度時計で殴ったのだろうけど、
二度殴れば一度目に殴打した時の血痕と階層的に血が付着
しているように思うし、二度殴られた跡があるんじゃなかった
ろうか。

●友子は大人なのか子供なのか

演じている川口晶さんって童顔なので分からないけど、
シャベルトーンは大人っぽいし見た目は幼い感じだった。
現在で言う所の小野花梨ちゃんみたいな顔をした方だったな。

●不幸から脱せられない女性

最後がまた切ないものが有ったね。
女性が報われず、そして山さんもまた気が晴れない感じで
自分と似たような境遇にあった彼女を同情していた様だ。
屋台でみんなで飲んでいたけどほのぼのとしていた。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

中島友子 …… 川口晶
米田正男 …… 剛達人
クリーニング屋店主 …… 里木佐甫良
川田美雪 …… 毛利幸子
橋爪功一 …… 宇南山宏

雨宮和美、田中力、榛名潤一、芦沢孝子、野口元夫


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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