太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第56話 その灯を消すな!

脚本/小川英、中野顕彰 監督/山本迪夫
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ゴリさんはある朝、ボスに休暇届けを出す。
あの日が来たのかというボスに対してジーパンは何が起きている
のかと問う。あの事件から5年が経過したのかとボスは呟く。

ゴリさんは造船所の小西次郎を尋ねるが、経営者の横田からは
昼休みなので近くの喫茶店にいることを聞かされる。

その頃小西は恋人の京子と喫茶店で会話していた。
今はまだ結婚は出来ないが、訳は言えないと小西から言われた
ことに対して京子は納得がいかない様子だった。そんなの身勝手
だとするが、一週間から10日すれば話すという小西に憤りを
覚えて女性はその場から立ち去ってしまう。

ゴリは入れ替わる様にして小西の元を尋ねる。
約束通り来たことを告げるゴリ。ゴリは小西が10月前に一千万
円の保険に加入し、受け取りの名義を彼女の京子にしている
事を指摘する。ゴリは梶田の事は目を離したことはないことを
告げ心配するなと語る。

そんな中、七曲署のボスの元に電話が入る。
自分は石塚刑事(ゴリ)と元同じ神奈川県警湊署で勤務していた
青田という刑事だと名乗り、梶田のことをずっとマークしていたが
尾行をまかれてしまった事をゴリに伝えて欲しいとの事だった。
ジーパンと久美はゴリさんに何が起きているのかをボスに改めて
問い詰める。するとボスは二人にゴリのことを話す。
ゴリさんは七曲署に来る前は神奈川の三崎市の湊町で警察官を
していたのだという。その町は暴力団・梶田組が支配している街で
組長は商店街を牛耳っていた為に、犯罪に荷担してもなかなか
証拠が出てこなかったというのである。暴力団追放運動が
警察署で行われたが、街の人たちの協力がなかなか得られず
苦労していたという。そんな中、梶田が殺人事件を起こし、
商店街にいた目撃者を脅して見なかったことにする様告げたが、
そのウチの一人、小西次郎を証人として連行したのだという。
当初は証言しなかったが、ゴリがここで梶田を逃せばこの街は
無法地帯になるとし、決して梶田にお礼参りなどはさせないので
証言して欲しいと頼んだのだという。小西はそれに応じると
街の人たちも協力して暴力団一掃をすることに成功したのだという。
いざ梶田を逮捕しようという時に、梶田は女・土屋エミ子
共に逃走を図るが、車は崖から転落して、梶田は助かったが
エミ子は炎上した車の中で亡くなったとのことだった。
女性が死んだのは小西だと逆恨みしているのだという。
ジーパンは自分が現地に行ってゴリさんに梶田を見逃したことを
報告すると語る。
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■ゴリさんが主役のエピソード

ゴリさんが所轄に勤務していた時代のエピソード。
神奈川県の三崎市は暴力団・梶田組によって支配されている街で
そんな場所にゴリさんは勤務していたようだ。

■5年前に起きた出来事。

今回のゴリさんの行動を見ていると毎年休暇を取って昔の
職場付近を訪れていたみたいだけど、イマイチ意味が分からな
かった。梶田が出所するのが5年目だったのだろうか?
でも話を聞いていると今年もあの時期みたいな感じの語り
口だったので、この日は何らかの象徴的な日だということなのか?

■やはり生まれ育った場所が良いのか?

ヤクザの梶田もなんでそこまでこの街に拘っていたのだろう
か。地元警察もまるでやる気がない。
暴力事件に関して被害者の告訴が無くても暴力行為で逮捕は
されるけどね。刑事があっさりと騒ぎを起こした暴力団の
姿を見ると完全に癒着していたのだろうか?

■人の心理状況

一人が証言すると途端に自分も証言するという人が名乗り出て
くる辺りは人間の心理的状況が作用しているのだろうね。
一番偉いのは、その中でも最初に証言をするとした人物なん
だろうけどね。

■ヤクザの報復

日本には証人保護プログラムのような類の者はないのかな。
今回の梶田は表面的には証言した小西を狙っているかのよう
だったが目的は違うようだ。街に復帰するために恐怖を
植え付けるが為に小西を脅していくというもの。

■ヒットマン

小西とは仲の良さそうな青年が突然小西めがけて発砲して
きた。一体どんだけ銃弾の入った拳銃なんだって感じだった
し、発砲しても一人として当たっては居なかったけど。
梶田の女の弟がラーメン屋の店主の実だったということで
まぁなんとなく分かる感じはした。

■街の為に体を張りそんな街の人たちに裏切られる

捜査管轄が違うとかいう訳の分からない論理でゴリさん
たちの捜査を追い出した所轄の刑事が凄かった。
ただ一人の人物が襲われるのを延々と待つというのはかなり
現実離れしていたようにも感じる。
証言した小西だったけど、後ろ盾が全く無くなり失望を
覚える。そしてゴリさんも5人の男によって囲まれて当初は
なぎ倒していたけど、結果的に木片によって殴られた。
刑事としての仕事ではなくここに住んでいた元住民として
の維持が有ったのかな。ただそんなゴリさんも結局街の人
たちからの援護無くって感じ。

最後に都合良くホームレスが現れたので逮捕されたけど
都合の良い証人が出てきたなという印象しかない。

■最後は街の人たちの団結心

ただ小西の心は故郷に対する拘りにも影響を与えたようで
結局故郷は出て行くとのこと。

今回珍しくジーパンがまるで暴力を封印しているところが
有ったね。まぁゴリさんが暴力は使うなと言ったことを
素直に受け止めているところが有ったね。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)

署長 …… 南原宏治(署長)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)
柴田たき …… 菅井きん (ジーパンの母、夫は殉職)

梶田 …… 深江章喜 (梶田組)
小西次郎 …… 北条清 (平和荘に住む。梶田が人を殺したのを目撃)
関口京子 …… 紅景子 (小西の彼女)
土谷実 …… 福崎和宏 (梶田の女・土屋エミ子の弟、来来軒勤務)
青田 …… 柄沢英二 (神奈川県・湊署警察官)
畠中清 …… 高城淳一 (神奈川県・湊署・係長)
横田 …… 磯野秋雄 (造船所の社長、小西が勤める)
大和田 …… 渥美国泰 (駅前の娯楽センター経営)
浮浪者 …… 江幡高志 (とっつぁん、5年前ゴリさんから500円奢ってもらう)
斎藤 …… 美川陽一郎 (定年した警察官)

岡部正純、近松敏夫、三上剛、山本修平、鈴木和夫

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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