太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第78話 恐怖の瞬間

脚本/鎌田敏夫 監督/竹林進
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ビルの上からライフルでターゲットを探す犯人の男・坂田明男
一方そのビルの下では、拳銃を持った男・岡崎和一刑事
見張っていた。岡崎はクシャミが出そうになるのを必死になっ
て止めつつ、坂田が仕事をした後に出てくるのを待っていた。
坂田は、護送車がやってくるとそのターゲットに向けてライフル
銃を発砲するとターゲットを即死させる。急いで現場から
離れるためにライフル銃を隠すと、階段を下りてビルから
出ようとする。すると入り口近くでクシャミの声が聞こえる
ことを知り警戒心を持って出てくると岡崎と鉢合わせする。
坂田の方が一歩早く銃を撃つと逃走を図る。

護送中の十数億円の脱税容疑が掛けられている滝口益三
射殺されたとする事件の通報を受ける。検察局に送られる途中
だったこと。ボスたちはそれを話合っている中、デンカから
電話が鳴り、現場近くで滝口が撃たれたのと同じ銃弾で撃た
れた本庁の刑事・岡崎が病院に運ばれたことを聞く。
急いで病院にいくと、病院には本庁の刑事たちが多数来て
いた。話によると岡崎は胸部を撃たれたが弾は貫通し、幸いにも
命は助かりそうだということ。しかし何故現場近くにいて
犯人と鉢合わせたのか。タレコミが有って現場に探りに行き
そこで撃たれたものなのかと考えるが、一人で行くはずはない
という。
本庁の刑事たちは、ボスら一係の姿を見るとこの件は本庁が
調べることを告げられるが、ボスもウチの管轄で起きた事なの
で捜査しない訳にはいかないとして一歩も引かない姿勢を
見せる。
ジーパンと本庁の刑事は岡崎が入院する235号室前で意識が
戻って話を聞くのを待っていた。

本庁の刑事はトイレにいくのでジーパンに見張りを任せていく。
するとトイレにいた刑事は医師の格好をした男・風間五郎
よって頭を殴られ気絶させられる。
風間は235号室にいるジーパンに対して、トイレで刑事が
襲われたことを話すと持ち場を離れてトイレにいく。
その間に風間は病室に入り、岡崎を殴って殺して出て行く。
ジーパンはトイレで襲われた刑事の姿を確認した後、看護師に
その事実を伝え、すぐに持ち場へと戻ると、病室から出てくる
風間の姿を目撃する。
急いで追いかけると彼は車に乗り逃げようとする。
ジーパンは彼の車の上にしがみついて絶対逃がさないとまで
に無謀な行動を取る。その姿を山さんが見ていた。
犯人は空き地に入るとなんとかジーパンを振り下ろそうとして
車を急旋回させるが、なかなか落ちずにいた。
犯人は諦めて車を乗り捨て外に出る。目が回っているジーパンの
頭を殴って風間は逃走する。山さんはふらついているジーパン
の元に駆け寄るが、無茶はするなとして彼の行動を止める。

署に戻るとボスは署長に怒鳴られることになる。
犯人を目撃しつつ逃がしたことを問題視させられていた。
ジーパンだけの責任ではないとするが・・・
ジーパンに対して山さんはガムシャラに頑張るだけではダメだ
だと語る。
そんな中本庁まで事情を聞きにいってきたシンコは、犯人が
使用した凶器はブラックジャックと呼ばれる、芯は硬いが
表面が柔らかいもので痕跡が残りにくいものだという。
ボスはプロによる犯行だと語る。

一方主犯格の佐伯弁護士事務所佐伯シンイチロウは風間と
共に車の中で話していた。岡崎が坂田を殺せば全ては終わって
いたのに岡崎がしくじったこと。風間は最初から俺に任せて
くれたらこんな面倒なことにはならなかったとするが、
ドラッグ中毒の男にライフルは扱えないだろうと語る。警察は
まだ坂田には気が付いていないので、判明する前に坂田の口を
鬱ぐよう告げる。
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突然検察局に護送中の容疑者・滝口がライフル銃によって遠隔地
から狙撃される。彼は政財界から金を強請っていたことが
有り、彼に恨みを持つものが多数いることが分かる。しかし
同じ管轄内で狙撃事件と同じ銃弾で倒れた本庁の刑事・岡崎和一
の姿があることを知って、ボスはある想定をしていく。
辛うじて生き残った岡崎が病院で暗殺された事を受けて、目撃者で
あるジーパンは犯人を追いかけるが、あまりの無謀さに山さん
はジーパンが命を軽視しているのではないかとして、注意を喚起
していく。

ドラマとしてはちょっぴり天狗になっているムテキ・ジーパンに
捜査に於けるリスクなり恐怖心を浴びせて自制を促し、そして
捜査の慎重さを唱えるもの。

しかし今回のドラマは、シチョエーションを作るあまり
ジーパンと接触する山さんや犯人の風間などの登場に於ける
位置関係が自然界の法則を完全に無視してワープしており、まるで
素人のキーパーさんが撮影再開での位置撮りを間違えている
のではないかと思うところも有った。

ジーパンが犯人を追いかけているのに山さんは追いかけもしなかった
り、ジーパンと犯人はかなり近くにいたのに何度も取り逃がす
というシーンを意図的に作り、最終的には、すぐ近くに居たのに
いつの間にか相手はトラックに乗り込み、ジーパンがそのトラック
によって襲われるという滑稽なシーンへとつなげてしまった。

最近ではジーパンが銃をためらいなく使うというシーンがある
けどそれも時代の流れなのか。
ただ銃を向けるが、人質を取られていたり、背後に電車が走って
いる為に容易には銃を撃てないというシチュエーションを作り、
少しずつ他人の命を通して命の大切さを描き、そして最終的には
自分の命というものの大切さというところにつなげていった
ものなのかも知れない。

犯人の凶器がなんだったのかよく分からない。
ブラックジャックだとしていたけど一体何だったのだろうか。
あんな武器で人を殺せるとも思えないし。

最後のシチュエーションは闘牛状態だった。
山さんはジーパンが車に飛び移り犯人を追いかける姿を非難
していたけど、結局山さんも最後はトラックに飛び移り、
操縦席に向けて発砲するというシーンを演出した。
山さんが犯人を殺すシーンって何気に初めてみた気がする。

最後はジーパンが夜中、死を経験した為に魘されていて鎮静剤
を打たれたことを語っていたが、久美ちゃんが良い薬だとして
ちょっぴり非情な発言をしていた。
でもジーパンは人前では、強がる姿にちょっぴり愛嬌さを
感じるものが有ったのかも。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)

永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)
柴田たき …… 菅井きん (ジーパンの母、夫は殉職)
西山隆行 …… 平田昭彦 (署長)

風間五郎 …… 門岳五郎 (殺し屋)
坂田の兄 …… 井上博一 (平和島競艇で働く)
本田マユミ …… 小野恵子 (坂田の恋人)
坂田明男 …… 木下清 (殺し屋・スナイパー)

山田禅二、夏川圭
小倉雄三、田川恒夫、松下昌司、石川隆昭、邦剣典、森本三郎
鈴木浩郎



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