太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第87話 島刑事・その恋人の死

脚本/柏倉敏之 監督/山本迪夫
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デンカは休暇を取り恋人の麻江とデートする。
麻江は母に手紙を出してデンカのことを書いたら是非逢いたい
として山形から上京する事を語っているという。デンカは実は
僕も君野母と会いたいと思って休暇を取って山形に行く覚悟だ
った事を告げ、刑事の奥さんでホントに良いのかと問うと、
麻江は刑事じゃないデンカなんて魅力が有るのか?とジョーク
を飛ばす。"コイツ 人をからかった罰に一日中引っ張り回す
ぞ"と二人は追いかけっこしながら青春を満喫する。まずは
どうしたいかと問うと麻江は鍋を買いに行きたいことを告げ、
デンカは鍋料理が好きでしょと語る。しかしそんな状況の中
無情にもデンカのポケベルが鳴る。麻江は早く電話してくれと
告げる。電話はボスからのもので、デート中に悪いが事件が
発生したのだという。現場はキョウエイ倉庫の裏手だとして
すぐに行って欲しいとのことだった。デンカは麻江に謝罪する
と帰りには麻江のアバートに立ち寄るという。夕食を作って
まっているとのことだった。

現場には山さんが真っ先に到着していた。
被害者は40代前後の男性で胸を銃で撃たれて亡くなっている
こと。被害者の所持品から身元を特定するモノはないが、
財布は手つかずだという。それを見る限りでは行きずりの犯行
ではないのだろうと。発見者の話によると見つけた時には
また被害者は息をしていて、"タツ"という言葉を繰り返しいっ
て、いたという。一体どういう意味なのか。自分の名前を
言ったのかそれとも犯人の名前を言ったのか・・。
ボスは当面は被害者の身元を調べることに優先してくれという。
最近歯の治療の跡があることから身元が分かるだろうとのこと
だった。デンカはゴリに対してチョンガーがこういう時には
頑張ってくれと語る。

一方その頃タクシーが突然買い物帰りの麻江の事をひき逃げ
する。デンカはその知らせを受けて病院に駆けつけるが、
病室では既に麻江は息絶えて顔に白い布がかぶせられていた。
その布を取り除いて麻江の顔を確認すると、傷一つ無い
綺麗な顔で亡くなっているのを知る。ボスも病室にかけよる
が間に合わなかったのかとして声を掛ける。デンカはボスに
俺はこの人と鍋を買いに行く約束をしていた事を告げ、この人
は楽しみにしていた事を告げ、約束も果たさないうちに逝って
しまったことを悔やむ。
デンカは病室を飛び出すと樹に向かって拳を殴りつけるのだった。

麻江の通夜が行われ、山形からは麻江の母が上京する。
デンカと初対面すると、娘はいつも手紙の中でデンカのこと
を書いていたとし、だから逢うのを楽しみにしていたことを
語る。あの子はきっと幸せだったと思うとしあなたにこんなに
よくしてもらったと語る。明日この子を連れて山形に戻る
と語る。

交通課によるとまだひき逃げ犯に関する情報は集まっていなか
った。現場にはひき逃げした車の塗料が残されているので
修理工場に連絡しているという。ジーパンは交通課を手伝いたい
とするが、交通課には交通課の仕事があるとし、ボスは自分
たちにも未解決の事件がある事を告げる。

そんな中デンカは休みも取らず出社してくる。
休んで一人でじっとしていてもしょうがないというデンカは
今更悲しんでも麻江が戻るわけではないとして忘れることに
したのだという。人間なんてはかないモノだというデンカは
いつ人は死んでもおかしくはないと告げ、ゴリに対して今の
うちにゴリに借りていた金を返しておくと告げる。
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デンカは麻江との結婚を決める中、山形から出てくる義母と
も逢うことにする。一緒に買い物に行こうとしていた中で、
ボスから事件が発生したということを聞き、一時彼女から
離れて夕食の際にまた逢おうと約束する。しかし彼女は
買い物をした帰りにタクシー運転手によって亡くなってしまう。

冒頭からデンカと麻江のくさーい青春ドラマを見せられた。

"コイツ 人をからかった罰に一日中引っ張り回すぞ"と追いかけっこ
する姿。なんか清純というか、昔のドラマに有りそうな恋愛描写。

しかしまさか事件に巻き込まれるでもなく、不慮の事故で
タクシー運転手によってひき逃げされてしまうというところが
なんとも言えないね。
かつて山さんが心臓の弱い奥さんと町中で買い物をしている際に
犯罪者のことを追いかけるというシーンが有って、刑事の妻
の苦労ということを知らしめる結果となったけど、今回はあんまり
事件とは関係のないところが発生した。

身内を亡くした後にすぐに捜査に加える辺りはちょっと考えられない
けど、今の様にカウセリングのようなものに見せるというルールは
無さそうだし、死を乗り越えるのは自分自身が仕事の中で掴んで行く
しかないみたいな根性論が存在する時代での刑事ドラマなのか。

ボスとしてもデンカを仕事に戻さなければ死なせる事はなかったという
罪悪感があるのかな。

デンカが歯科記録から被害者を特定。
板金加工業者の西池オサム(45歳)と判明する。
新しい機械を導入する為に銀行で500万円を借りていたことが判明
しそれを知る人物に限定される。また被害者が亡くなる前に
"タツ"という言葉をかけていたことから、会社を休んでいる白井タツ
ズミが捜査線上に浮上。デンカが合気道を使って倒させる辺りも
ジーパンの気遣いで、意図してデンカに逮捕させたのだろう。

しかし銃が発見されないことで、背景には他にも共犯者がいること
が分かり、元戸川組の構成員・岩本ナカミツ(28歳)の存在が浮上。
二人があけぼの公園で逢うことになっていることから逮捕しに
いく。

事件自体はあっさりとしていたのも2つの事件を扱ったためだろう。
後半はフィアンセをひき殺して逃げたタクシー運転手を逮捕する
流れがある。運転手の事情を聞くと、彼もまた妻が倒れた為に
正気ではない状況の中で病院に向かう際に運転している車で麻江の
ことを轢いてしまった事を知る。

逆探知の仕方がまさに手作業だったので、相当時間がかかるものが
有った。
幼稚園生の頃に間違えて家の電話から177と電話するのに110と
電話してしまった事が有るのだけど、間違えたと思って一秒で
電話を切ったのに、すぐに電話が警察から帰ってきたことが
有った。もうその頃にはデジタル回線になっていたのかなぁ。

モーテル旅路で電話してきていることが判明し、ガスによる自殺を
考えているみたいだったけど、刑事が現場に行くのではなく、
電話してモーテルの職員に確認してもらえと小一時間でした。

そういえば、冒頭の事件現場で、壁の落書きに大きく「バカ」って書いて
あるのが気になりました。ああいうのって普通消さないか?



藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)

永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

柚本麻江 …… 有吉ひとみ (デンカのフィアンセ)
水沢ユウキチ …… 浜田寅彦 (タクシー運転手)
柚木 …… 幾野道子 (母)
白井タツズミ …… 水谷邦久 (容疑者)

中村孝雄、真山京子、雨宮和美、大坪日出代



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