太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第92話 シンデレラ刑事

脚本/田波靖男、四十物光男 監督/竹林進
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長さんは麻薬の取引現場を押さえるために川沿いに立つ小屋
を一週間前からゴリと交代で張り込んでいた。
朝タバコが切れた長さんはそれでもタバコが吸いたくて
落ちているタバコを拾って吸い始める。ホームレスがフラフラ
と歩いてくる中で、ゴリが交代としてやってくる。
しかしゴリは長さんに車の鍵を渡すのを忘れたとして一端
持ち場から離れた直後、掘っ立て小屋は突然大爆発を起こす。

署に戻り捜査状況が報告される。
山さんは鑑識から聞いたところでは爆破に使われたものは
タイマー付きのダイナマイト3本で命拾いした事を語る。
ジーパンとデンカは大量のファイルを持ってくる中、ゴリ
と長さんにこれまでに解決した事件の中で恨みを買っている
ようなことはないかと尋ねこの中に二人を狙っている容疑者
が居るかも知れないので目を通すよう告げる。ゴリは長さんが
あまりに多く事件を解決していて自分の何倍ものファイルが
織ることに驚く。
ボスは山さんたちにダイナマイトの出所を探すよう告げる。
一同当日にホームレスの男性を見なかったか、不審者が居な
かったかを聞き込みして回る。

そんな中ジーパンは本庁の人事課に長さんの過去の履歴を問い
合わせたものがいるという。特に長さんが警官だったころの
ことを嗅ぎ回っていたとのこと。狙われたのはゴリではなく
長さんだったのか。俺には心当たりがないという長さん。
今日は取りあえず仕事も終わりだが、ボスは念のために長さん
には銃の携行を薦める。しかし家族が驚くのでそれは辞めて
置くという。ジーパンは心配なので長さんのことを監視する
という。ボスもジーパンには長さんのボディガードになるよう
求める。
長さんは帰宅するが、ジーパンの尾行はバレバレだった。
長さんはジーパンに対して家に上がって一杯やろうとし、尾行の
やり方を指導してやるという。

野崎家には妻の康江と、長女の良子、長男の俊一の姿が有った。
ジーパンは久しぶりだとして挨拶をする中、俊一が4月から
高校一年生になった事を知る。
そんな中外で発砲音が聞こえるとジーパンは瞬時に反応する。
俊一は車のバックファイアの音だとし、アパートの中に
ポンコツの車に乗る輩がいるとのこと。
良子はジーパンが咄嗟に物音に対して反応したのを受けて
やはり刑事は神経を使って大変な職業である事を語る。
父さんはまるで神経を使っていないとしてからかう。俊一
も悪のりして父さんに捕まる泥棒は余程マヌケなヤツなんだ
ろうと語る。
長さんは今日何か面白いことでもなかったかと家族のものたち
に話を聞くと、良子はテレビニュースで見た遺産相続の話を
切り出す。高畠という商事会社の親子は、父が会社を引退する
に辺り、道楽息子・信一には遺産を相続させずに昔恩を受けた
警察官に金を譲りたいと言っていた事を語る。父さんではない
のかと問うが長さんは心当たりはないと語る。

翌日七曲署にいくと長さんはマスコミによって取り囲まれる。
23年前に堀川の交番で巡査をしていたのは長さんではないか
というもの。高畠が無銭飲食した時に逮捕しなかったかと
問う。高畠ヒデアキ氏は恩人の巡査を捜している事を告げ
それが長さんだというのである。事業を処分した金のウチ
20億円を長さんに渡すと言っているらしい事を語る。
ボスがやってくるとマスコミを知り退けるが・・・
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麻薬の取引現場を押さえる為に張り込みしていた現場で、
長さんとゴリさんをターゲットとしたような爆破事件が起きる。
二人のウチどちらかが狙われたものなのか。
長さんは捜査官としての経歴も長い為に逮捕した人物は数知れ
ないが、狙われるような怨みを買ったことは過去にはない
と告げる。

人は知らないうちに怨みを買ってしまうもの。
それがどんな所で何が起きているのか、まるで理不尽なもので
有っても起きてしまうときは起きてしまう。
容疑者の怨みの矛先は全く別の所にあるのに、長さんを殺害を
企てる執念にはある意味脱帽ものだった。

少々とっかかりの場面が分かりづらく、川沿いで寝ている長さん
の姿を見て、いよいよこの勤続30年のおじさんも酔って記憶を
失い朝を迎える日が来たのかとさえ思ったけど、張り込みだった。
しかもそのシチュエーションは強引で、「太陽にほえろ」では
頻繁にあるシチュエーションではあるのだけど、見通しの良い
掘っ立て小屋での見張りは、砂漠のオアシスでの監視状態だ。

また爆弾がボンネットに仕掛けられていることを知った後も
タイマー的には明らかに空き地にいくまでには時間内に収まって
しないし、昔の刑事ドラマによくある、気が付くと突然「空き地」
のロケーションの中に迷い込むという流れがある。
ただそこに行くまでの過程は、今のドラマにはない車の逆走シーン
だったり、リスクのある交差点を車で直進していくところなどは
見応えが有った。

うっかりしているゴリさんに振り回されるところも有り、
逆に言えば助けられるところもゴリさんによるところも大きかった。

犯人はラジコン飛行機を操作して長さんを襲いかかるも、その
光景は如何にもな感じ。それを銃で撃ち落とす山さんもある意味凄い。
どんだけ当時のラジコン飛行機の電波が通じるのか分からないけど、
よくあんな遠くから飛行機を操って長さんを虐めたなぁ。

無銭飲食の件で当時恩を受けた警察官に20億円渡すという社長。
会社は俺の物って・・・その考えがまたこの人の無茶ぶりを表してい
るな。息子はぐうたらだと言うも、資産の差し止めの申し立てを
するという。
「大勢の社員の生活をどうするのか?」という息子の方がしっかり
している気がする。
長さんは結局20億円受け取らず、この親子もホッとしたことだろう。

せめて1億円くらいもらって置けば良いのに・・・とか思うところは
長さんみたいな人にはなれないってことなのかな。

そういえば久美ちゃんのファッションと髪型がガラリと変わって
毎々かわいさに磨きが掛かった。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

野崎康江 …… 西朱実 (長さんの妻)
野崎良子 …… 井岡文世 (長さんの娘)
野崎俊一 …… 石垣恵三郎 (長さんの息子、高校一年生)
高畠ヒデアキ …… 多々良純 (高畠商会・社長)
高畠信一 …… 佐々木剛 (息子)

若尾義昭、小倉雄三、山本純一、永谷悟一、伊藤健



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