太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第98話 手錠

脚本/柏倉敏之 監督/野村孝
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ゴリは七曲署のオフィスで鏡に向かっていた。
ジーパンも朝早くから署にやってくる。今日は給料日だからと
して気分も浮かれ気味。ジーパンはゴリが鏡に向かっている
のを知りどうしたのか尋ねると、武士のたしなみだとして、
刑事はいつどこで何が起きるか分からないので身辺を整理して
於く必要が有るというのである。覚悟が必要だと。
ジーパンはもっともらしく格好良い意見だが僕は夢の中で夢の
中で女性とデートしたいという。久美はゴリに対して鏡を
プレゼントしデートを頑張るよう告げる。

そんな中、信用金庫で現金を持って出てきた二人組の男が
同じく二人組の男によって襲われる。河川敷で被害者が
発見され、山村によると被害者は中光商事の経理課の桜シンイ
チと服部ゴロウだという。殺害に使われた凶器は銃で今の所
目撃者は発見されていなかった。山村は聞き込みをしてくる
と語る中、ボスは長さんに中光商事で話を聞いてくるよう告げ
ジーパンには解剖に立ち会い、銃の事を調べるよう告げる。

デンカはボスの元にやってくると、被害者の遺体の下から
靴べらが発見されたというう。指紋を調べろとのこと。
ゴリとボスは署で待機しているという。

中光商事によると被害者となってしまった二人の社員は
社員たちの給料を引き出しに行ったのだという。現金にして
1200万円。経理課の人たちならばみんな給料日であることは
知っていたとのこと。最近会社で辞めた人は居るのかと問うと
三原ゆうじが半年前に会社の金を100万円使い込んで退職して
いるという。三原の現住所を尋ねるが分からないという。
返済を求める為に取り立てに行ったら既に引っ越ししていた
とのこと。
デンカはボスに対して靴べらは犯人のものではなかったという。
指紋を照合した結果、松沢たつお(25歳)のもので、彼は
北里溶接所の工員で傷害罪で前科があるという。
ボスは天丼を食べていたゴリに対して溶接所に行って松沢の
事を調べてきて欲しいと語る。ゴリは戻って来たら天丼を
食べるので残しておいて欲しいと頼む。

北里溶接所にいくと工員の一人から松沢はあの人物だという。
ゴリに気がついた松沢はすぐに逃走を図るがゴリはなんとかして
逮捕する。しかし逮捕した後になんと隠し持っていたナイフで
ゴリの腹部を刺す。形勢が逆転しゴリの銃を盗むが幸い弾が
入って折らず大事には至らなかった。
松沢はゴリに対して手錠の鍵は何処だと問い詰めるがゴリは
決して話そうとはしなかった。
ゴリは車に乗せられる中鍵を出すよう迫られる。しかしゴリは
窓から投げ捨ててしまう。ちょうど巡回している警察車両が
通ったために松沢も車を駐めることなく走り去る。

目撃者によってゴリと松沢の件が通報される。
松沢が運転しているのは品川ナンバーの車で、目撃者の話によ
るとゴリは逮捕後に刺されて負傷しているとのことだった。
現場に急行したものたちはゴリの血痕が落ちていることに気がつく。
手錠に繋がれているのでそう遠くには行けないだろうとするが・・
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月末は七曲署を含めた公務員、会社員の給料日。
そんな状況の中で銀行で会社の給料を運んでいた中光商事の
経理課の男性二人が駐車場で二人組の男によって拉致され、
河川敷で遺体として発見される。
最近会社を辞めた人物や現場に残されていた指紋からその
二人組は三原雄次と松沢たつおだと判明する。
松沢は溶接所に勤務していることを知り、ゴリは逮捕に向かうと
逮捕した直後、ゴリは松沢によって腹部を刺されてしまう。

ゴリさんがメインのエピソード。
容疑者検挙に於ける手順の不手際さが目立つものが有った。

事情を聞くためとはいえ、ゴリさんは現場に一人でいくという暴挙。
そして凶器の確認よりも先に逮捕したことで、相手によって刺され
ることになってしまうこと。
幸いにしてゴリの銃に弾が込められていなかったところは大事に
至らなくて良かったけどね。

ただゴリの刑事魂も同時に光る。
無謀にも思えるけど、一度捕まえた容疑者を絶対に離さないという
覚悟で痛み付けられても決して鍵を渡さず車の窓から投げ捨てて
しまうこと。

容疑者と手錠を繋がれて行動を起こすというとマカロニが出張した
際のエピソードを思い出すね。ゴリも一緒に過ごす中、犯人の
ことを聞き出してもう少し親近感を使って説得していく流れがある
のかなと思った。

久美ちゃんにもらった鏡を使って、大型犬の飼い主に自分が閉じ込め
られている場所を知らしめたところまでは良かったけどね。
残念ながら気づかれることがなかった。
ドーベルマンだったか大型犬の飼い主だったので心強かったのに・・。

松沢のことを社員寮で聞くととてもマジメで田舎の実家に仕送り
していたという。遊び金はなかったとのこと。

みんなゴリさんが居なくなる前にゴリさんの残した言葉なり
行動に対して感慨に耽るシーンも有ったのでゴリさんが殺される
フラッグも十分に立っていた感じ。
特に天丼のエピソードなどは如何にもゴリさんって感じ。

遊技場で銃を発砲した男がいるという事で逮捕したけど、彼は
三原ではなかったのかな。
その後松沢は三原に連絡を入れていたよね。

一度目にした大型犬の飼い主が二度目の際に盗難車を目撃して
一係に通報。ゴリは血文字を使って松沢が三原に電話していた
ところを覚えて居たという辺りは刑事らしい一面が見られた。

その電話番号は八王子の旅館のもので、最後の見せ場は長い吊り橋
だった。三原も刑事がいるのに松沢と合流しようとしていたけど、
義理堅いのか、そうでないのかよく分からないものが有ったな。
吊り橋のアクションも凄かったけど、あの状況だと相当手錠をハメ
た腕が痛そうだ。

ボスはゴリさんに一ヶ月分、天丼を奢るそうだ。
入院した際にゴリさんが真っ先に署に食べ残してきた天丼を
気にしていたけど、一体何日経過していたんでしょうかね。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

松沢たつお …… 溝口舜亮 (25歳、北里溶接所・傷害の前科)
三原雄次 …… 上田耕一 (元中光商事・半年前に横領、現在パチンコ店勤務)
桜しんいち ……
服部ごろう ……


五藤雅樹、菅沼赫、広田正光、今井和男
高村透、春江ふかみ



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