太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第108話 地獄の中の愛

脚本/播磨幸冶 監督/木下亮
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早朝のまだ薄暗い中、公道をバイクで蛇行運転する17歳の青年
ライダー。前方から来たトラックと正面衝突して亡くなる。
青年の体内からは麻薬が検出されたとしてボスはみんなに伝え
る。酷い麻薬中毒だったとし、高校生がそう簡単に手に入るもの
でもないことを考えると早急に捜査の必要性が有った。
そんな中、麻薬を卸しているのは戸川イワオではないかとする
疑いが出てくる。3年前に麻薬密売容疑で逮捕されたものの、
証拠不十分で不起訴になったという。彼をマークしようとするが
利口な男で本人は直接、麻薬の販売の市場に顔を出さない闇の
ブローカーだという。安全に密輸した麻薬を国内の密売組織に
売る仲介をして利ざやを得るというもの。しかし流通ルートを
探すのは容易ではないこと。そもそも密売組織が直接ルートと
取引すれば戸川の出る幕はないハズだという山村。どこから
手に入れ何処にさばいているのかそれを突き止めるのだと
ボスは指示する。

デンカと長さんは車の中で、5千万の麻薬とはどのくらいの量に
なるのかと話合う。1億円でそれを売り、末端に届くまでには
10億円にはなっているもので2kgから4kgではにいかという。
大変な量だとし、バイクで事故死した17歳の青年はウチの息子
と同じだという長さん。

ゴリとジーパンはバイクの運転手でバイカーのリーダーをして
いたことが分かり、その仲間たちに話を聞く。俺たちは単に
バイク好きなだけでリーダーが麻薬をしていたなんてことは
知らないという。しかし袖をまくると麻薬を打ったであろう
注射痕が見つかる。

デンカと長さんは戸川をマークしていると、レストランである
男女の仲良さそうな親子を目にする。男がテーブルに残して
いったマッチを持っていくのは戸川だった。長さんはデンカに
対してあの二人組をマークして車のナンバーから身元を突き止めて
欲しいとし、長さんは戸川がトイレに入るのを知ってマークする。
戸川はマッチの中に入って居た麻薬のサンプルの品定めをすると
確認後マッチをトイレにながす。入れ替わる様にして長さんは
トイレの個室に入るとまだ流れていないマッチの箱を証拠の
品として回収していく。
デンカは番号をジーパンに調べてもらうと、車の所有者は
津森物産社長・津森泰造(45歳)のものだという。津森という名前
を聞いてボスは険しい顔をする。津森物産は資本金5千万で主に
東南アジアからの海産物の輸入販売をしているという。津森には
一人娘・ケイ(21歳)がいて、現在城南大学4年生だという。それ
ってボスの出た大学ですよねと語る。デンカに対して山村と合流
して津森泰造と戸川の関係を徹底的に洗ってくれと語る。

長さんは回収したマッチを科捜研に調べてもらう。
ゴリは若者から話を聞いたが流通経路はまるで分からなかった
が、若者たちも麻薬をやっているという。
そんな中、長さんはマッチから僅かなヘロインが検出されたという
ことを報告する。津森が取引相手だろうとし、マッチの中にサンプル
を入れて戸川に渡していたのだろうと語る。
ゴリに対してデンカは一人で戸川をマークしているので合流して
くれと語る。そのマッチは間違いなく津森が持っていたものだな
と長さんに確認するボス。

城南大学のバスケ部は試合前で練習していた。
ケイはマネージャーをしていたが、そこの部のリーダーである
リョウとは婚約指輪を既に交わしている相手だった。
ケイはリョウのプレイに対してボールを持ちすぎていることを
指摘すると、リョウはケイの発言を煙たがる。ケイは部員たちの
マドンナであり、リョウが嫌になれば指輪をハズしていつでも
俺たちの所に来てくれと語る。
そんな中、ボスがバスケ部を尋ねると、ケイやバスケ部とは顔なじみ
で、先輩が来たとしてみんなが集まる。今日は差し入れは無いのか
という学生たちの鋭い突っ込み。安月給なんだからもうサイフは
カラだと自虐る。
ボスはリョウを呼びだすと一体一で会話する。
ケイの亭主になるのだろうと尋ねる。刑事の仕事は薄汚い面と毎日
付き合わすのが仕事だが、お前やケイの素直な明るさが、オレに
とっては眩しいものだとして、心の癒し処でもあることを語る。
ケイはお前だけが頼りなので、どんなことが有ろうともそのことだ
けは忘れるなとと語る。

いよいよ戸川と津森は黒いアタッシュケースをもって出かける。
それぞれ戸川を尾行するのはゴリとジーパン。津森のことを
長さんとデンカが尾行する。互いに無線を取り合い署にいるボス
に逐一連絡。久美はそれを聞いて地図にマークを付けていく。
長いこと走行しつつ、徐々に二人が向かう先が見えてくる。
羽田空港だろうとし、津森がよく利用しているので熟知している
場所なのだろうと語る。
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若者への麻薬の広がりを見せる中、バイク事故を起こした若者
もまた麻薬で平常心を失っていたことが分かる。
過去の事件を洗い出す中、3年前に麻薬密売の容疑を掛けられたが
証拠不十分で釈放された戸川が関与している可能性が強いと
いうことで捜査を開始する。そんな戸川が接触したのは津森物産の
社長の津森泰造。一人娘のケイはボスと同じ城南大学に通っている
ことを知る。今までボスも先輩後輩として接してきていた人物
だけに複雑な心情になるが・・・

冒頭で山村が語るように、中間のマージンを差し引かれているのに
何故戸川という人物を仲介させるのかイマイチよく分からない
エピソード。
津森が東南アジアからの輸入品を扱っているということで、麻薬の
密輸に手を出しやすい環境が有ったことは分かるにせよ、この
二人の関係というのがイマイチよく分からない。

しかしボスが卒業して尚、大学の後輩にも関係を持っているという
辺りは体育会系らしいところなのか。
慕ってくれる後輩がいることは嬉しいことだろうし、ボスが語る様に
、彼らの中に見る純粋な心にイヤされる為に関わっている部分
も有るのだろうけど、一方では若者の薬物乱用の問題が有り、
ドラマの中でも取り上げられることが多くなってきた。

ここ最近銃を使った内容が多かったので、少し安心する流れは有った。
しかしこのドラマに於ける尾行シーンの多さがより一層まして
尾行が捜査に於ける核心っぽい流れになっている。

娘は父の汚い金によって育ったことで、どのように感じたのか。
自分も薬物を打つことによって罪と罰を受けられるものなのか。

娘に渡したアタッシュケースに関しても、父親は昨年学校に
持って来たようなことに聞こえたけど、昨晩と言っていたのかな。
空港から逃走した津森が何処にアタッシュケースを隠したのか
地図を使って上手い事割り出す辺りは悪くない展開だった。

娘はたった二人の親子の中で、父親が遠くに行ってしまったよう
だとして犯罪に手を染めていた父に寂しさを覚えて居た感じだったね。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

戸川イワオ …… 田口計 (3年前に麻薬の密売容疑)
津森泰造 …… 五藤雅博 (津森物産社長、45歳)
津森ケイ …… 菅本烈子 (城南大学4年生、父子家庭、マネージャー)
リョウ …… 谷岡行二 (城南大学・バスケ部、ケイの婚約者)

青沼三郎、粕谷正治、吉中正一、山尾範彦



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