太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第112話 テキサス刑事登場

脚本/小川英、四十物光男 監督/竹林進
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三上順は朝から大声を上げながらランニングする姿。
矢追町巡査派出所に立ち寄ると、先輩の田崎巡査に挨拶して
出て行く。あまり張り切りすぎるなよと言われる三上は、その
まままた走って七曲署へと向かう。一係に入るが誰もいなかっ
た。また時間は7時半過ぎ。少し早すぎたか・・と告げる。
その頃矢追町派出所では、学校に行く前に上田ミツ子が田崎を
尋ねる。彼女は警察官が大好きでこの派出所にもよく花を
持って来てくれていた。あの兄ちゃん・三上は刑事になったと
いうとみっちゃんは寂しいと語る。勤務先は七曲署なので
今度はそっちにも花を持っていってあげたらどうかと語る。
そんな中ミツ子は学校に行こうとして派出所を離れた途端に
派出所は激しい爆発を起こす。

久美が一係にやってくる。
三上の姿を見てアルバイトの掃除のおじさんかと勘違いする。
ゴリもその後やってくると今頃掃除をしているのかとして
ちょっぴり不機嫌だった。アルバイトみたいよと久美。
その内全員がやってくる中、掃除も終わりなのでみんなで
手伝ってあげようと語る。最後にやってきたボスに対して
ボスは三上の姿を見ると、来たなと告げる。ボスの知り逢い
なのかという長さん。

そんな中一係に事件を知らせる通報が入る。山村が電話に出る
が、事件が発生したのは矢追町の派出所で爆発されたという。
田崎巡査は即死で上田ミツ子・小学生は重傷だという。それを
聞くと三上は真っ先に飛び出してしまう。
8時5分に爆発が有ったという。
みんなが捜査に出かける前にボスは今飛び出した男を紹介すると
して昨日まで矢追町に勤務していた警察官で今日から俺たちの仲間
になる三上順だと語る。面倒を見てやってくれとのこと。

派出所にいく。
鑑識によると時限装置付きのダイナマイトで吹き飛ばされたもの
で、4、5本のダイナマイトで強力な爆発だったという。三上が
転属されていなければ居たのは、田崎巡査と三上だということを
知る。三上の転属については内々にしか知られていなかった。
過激派の犯行とは思えないことからも二人を狙った可能性が
ある事を告げる。それよりも肝心の三上は何処に行ったのかと
問うと病院に行ったみたいだという。

中央警察病院。
三上はミツ子の入院する病院にいくと、母は何をして来たのか
として激怒する。アレほど交番に花を持っていくことを辞める
ように言ったのに・・と。看護師の話では怪我は心配ないが、
失明の恐れがあるのだという。

三上とゴリは過去に三上と田崎が逮捕した人物の事件ファイル
を漁って危険人物を捜し出す。
ゴリは三上の履歴書を見て読み上げる。
15歳で上京し東京に身よりがいないこと。負けん気の頑張り屋、
やや協調性に欠ける、一人よがりの猪突猛進型だなと。
犯人としてそういう人物が怪しいという三上にこれはお前のこと
だという。柔道4級なのかとすると、今月末に署内対抗柔道大会が
有るのでお前が加わったら勝てるかも知れないというゴリ。しかし
オレは出ないですという三上の姿にこれが協調性がないということ
かと語る。
ゴリと三上は夜通しファイルを見ていた。三上がゴリのことを
石塚さんと呼ぶためゴリは、自分の事はゴリとかゴリさんと
呼ぶよう告げる。ここではみんながそういう風に呼び合うのだ
と語る。そんな上京の中、三上はこの人物が怪しいとして一人
の人物をリストアップする。滝村光二・前科5犯。3回は自分たち
が捕まえたものだという。恐喝と麻薬の売買の常習でいつも
目を光らせていたとのこと。刑期を終えた相手をシツコク追いか
けていたなんて問題だという。田崎の命令でしていたとし、
すぐに出所させる裁判所が間違っているのだという。今度出所
したのは一週間前のことで、前と同じように付き回していたとのこと。
そんな中時限装置を復元した結果指紋の一つが検出され、照合
した結果滝村と一致したことが分かる。
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ジーパン刑事の殉職により新たに赴任してくる刑事は所轄の
矢追町派出所で働いていた三上順巡査だった。とにかくよく
動きよく走る人物だが、一係が仲間のようにして行動する体制
に対して協調性に欠ける所が有るという難点が有った。
しかし赴任したその日に彼が働いていた矢追町派出所が爆破され
彼の尊敬していた先輩巡査の田崎が死亡し、いつも足繁く花を
運んでくれていた小学生の上田みつ子ちゃんが爆発によって
重傷を負う。三上は過去の事件捜査ファイルから自分たちを
狙った犯行であるのであれば、恐らく過去に3度逮捕している
滝村光二による犯行だろう事を告げる。

シンコさんとジーパン刑事を一度に居なくなり、新たにやって
きた刑事は巡査から抜擢した三上順。
この二人のキャラクターに愛着が沸いていたものとしては、
三上のキャラクターに対して浸透していくのかどうか
というところが有るのだろうし、女性捜査官が居なくなってしま
ったことが完全にドラマでは刑事=男性の職場という形になって
しまった。

どうもここの所、太陽にほえろは「花」が出てくるシーンが多く、
久美ちゃんがよく花を持ってくるシーンが見られていたり、
ジーパンが居なくなったオフィスにも花が飾られていて、
花を持っているシーンが有ったりもする。
そんな今回もまた少女が冒頭から花を持って派出所を訪れた際に
起きる爆破事件から始まるものだった。

このドラマらしく銃の扱いに関しては、共通する認識を持たせよう
としてゴリやボスが三上に対してたたき込む姿が有ったし、
そういう共通認識を持たせつつも捜査方針に関しては人それぞれ
だとして、色々と個人の得意な方法で捜査にあたるシーンとして
描かれた。
銃を持つものとして、それを使うことはどういうことなのか。
「心臓を撃つときは他の生命が危険な時だけで、心臓に命中させる
ということは日本の警察に取っては最も屈辱的なことだ」と解く
ゴリさんの姿が有ったし、そんなゴリの忠告を聞こうともしない
彼に対してボスもまた忠告する。
「オレが言いたいことは一つだけだとして、お前は一人前の男だし、
今は銃を持った刑事。人を殺そうと思えば殺せる。それを止めるこ
とは誰にも出来ない。だがその時のお前は殺人者でオレの部下では
ない。俺たちは容赦なくお前を逮捕する。」

わざと逃がして銃を持たせて撃ち殺そうとしていた三上。
なかなか個人的感情と警察官としての職務との間に揺れる難しさ
を経験すると共に、巡査から刑事の一係に転属することでより
気難しい事件を扱う中で彼の捜査が正常に働くかどうかという
ところで興味深く描かれた感じだったね。

三上は銃の腕が立つし、柔道の腕が立つようで、ジーパンが手足の
長さで上手い事立ち回っていた姿とは逆に彼は一人一人投げ飛ばして
いくような戦い方をするところが有る。ちょっと複数人と戦うには
ジーパンのような戦い方に比べて不効率なところが有る気がする
けどね。

三上がテキサスとされたのは、銃の腕なのかと思ったけど、帽子
から来ているのかな。元々は自分がターゲットにされていること
を知り、目立つように帽子を購入して囮になるところから始まっている。
帽子を被る姿を見て長さんがテキサス男みたいだとしていたことから
そうあだ名がついたのかな。

テキサスと言えば彼からゴリさんと言われたことに喜んでいたね。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動)

田崎 …… 高城淳一 (巡査、矢追町派出所)
滝村光二 …… 中庸介 (前科5犯犯罪者)
情報屋 …… 大村千吉 (山村の情報屋)
トム …… ライナ・ゲスマン (銃の密売人)
上田みつ子 …… (小学生、角膜を傷つけ失明危機)
みつ子の母 …… (中央警察病院にて)
BARスターセブンのママ …… 戸川組の女、トムの彼女

松風はる美、葛巻運彦、加村赳雄
土田里美、森愛、佐藤明美、夏川圭



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