太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第115話 一枚の名刺

脚本/小川英、大川タケシ 監督/竹林進
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テキサスとデンカはおでん屋"のんべぇ"で仕事終わりに飲んで
いた。仕事の後、知らない人と酒を飲む。これが人間であり
人生だというテキサス。隣の男がテキサスが熊本弁を使って
いたことも有り、同郷だと知って意気投合し名刺交換をする事
になる。デンカは不機嫌になり勘定を払って先に出ていく。
追いかけて来たテキサスに対して刑事はみだらに人に名刺を
渡すものじゃないと激怒する。マジメに聞けというが、テキサス
は話半分で聞いていて、焼き鳥屋に行きましょうと誘ってくる。

その晩、橋爪やす子邸に男が尋ねる。
私はこういうものですとして名刺を差し出し刑事であることを
語る。室内に入ると安心したやす子の首を絞めて殺害する。

翌朝二日酔い気味のテキサスがやってくると、既に署員は
現場に出かける様子をしていた。殺しが有ったのだとしてテキサス
も車に乗り込む。
本庁の警部が現場で既に捜査にあたっていた。
被害者は一人住まいの未亡人で後ろから絞殺され死亡された事。
死亡推定時刻は午後23時前後だという。警部は島刑事は?と尋ねる。
彼は本日非番だとすると、被害者の懐に有った名刺だとして
七曲がり署の刑事にそれを見せる。すると島の名刺だと分かる。

デンカはすぐに署に呼びだされる。
ボスや警視庁の警部が居る中、デンカに対して夕べの23時頃の
アリバイを尋ねる。打ち上げ後にテキサスと飲んだこと。
おでん屋ののんべぇと焼き鳥屋のミヤコで、9時半頃までだという。
そこからタクシーに乗って自宅に帰宅したという。
橋爪やす子(48歳)のことを知っているかと問うと北町3丁目に住む
人だという。デンカは知らない事を告げ、23時には家で寝ていた
事を語る。デンカは私に容疑がかかっているのかと問うと僕が
一体何をしたのかと尋ねる。家に居たことを証明する人は誰が
いるのかと問うと、家には妹が居たし隣の奥さんと挨拶したと語る。
信じてくれないのか?と問うと僕が何をしたというのかと改めて聞く。
すると被害者の懐に島の名刺が入っていたのだという。名刺を
見せると勝手に印刷したものではなく島の名刺そのものだという
ことが分かる。この名刺を持って犯人が強盗殺人で300万相当の
貴金属を奪って逃げた事を語る。テキサスは島さんにはアリバイが
あると語る。
ゴリは興奮するテキサスを外に連れ出すと、誰だってデンカが
強盗したなんて思っていないとし、しかしそれでも夜中23時に一人
暮らしの女性がドアを開けたならば名刺による効力が大きく、
不用意に名刺を渡したことで犯罪が起きたのであれば責任問題に
なるのだと語る。島が不用意に名刺を渡すなんてあり得ないとし、
昨日も自分はその件で叱られたのだと語る。

デンカによると僕の名刺では有るが郵便番号が間違っているので
25枚使用した後に気が付き、それ以降は使用していない名刺だという。
渡した相手は全てメモしてあるとし、5年前のことだという。
でも危険人物に渡した覚えはないとのこと。
この件は念の為に本庁が捜査を行うとすると、ボスは島を捜査から
外すが、ただし捜査は我々がやると語る。警察のメンツの為なんで
しょうとするが、失態をマスコミは酷く書くハズで、その為にも
ちゃんと本庁が捜査をした方が良い事を語る。島の個人的感情で
捜査を混乱させる可能性が有るので彼を捜査からは外すが、我々が
必ず犯人を見つけるという。島が不要に名刺を渡すハズはないと語る。
警部は責任問題になるとしてボスにその責任について説くが、
これはここにいる全員の問題だと語る山村だった。25人から洗おう
とし、既に名前がわかっているのだから楽なものだというゴリ。
しかし5年前のことなので見つけるのは大変だぞと。

検事、曙老人ホームの入居者、同窓会で再会した際に渡した友人
など、次々と25人の元から名刺を回収していく。
長さんはデンカのアリバイを確認した事を告げる。ボスはこの事件
はただの流しの犯行には思えない事を告げ、橋爪家に向かってくれ
という。デンカは橋爪家の前にいた。長さんと合流すると、自分も
焼香をしても良いですかねと相談する。
橋爪家に入ると、デンカの陰口が聞こえてくる。警察は信用出来ない
という。そんな中、この家でお手伝いをしていたという女性が涙
ながらに語るのを目にする。
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デンカとテキサスは仕事終わりに飲み屋に行くが、テキサスは
調子良く振る舞い、他人に刑事としての名刺も配っているのを
見てデンカとしては不快に感じる。刑事の名刺がどういうものな
のかを説く中で、その日の晩に刑事の名刺を利用したと思われる
事件が発生してしまう。なんとその名刺を使われたのは、デンカ
のもの。デンカは本庁の警部から事情・アリバイを聞かれ、
捜査からも外れることになる。殺された女性・橋爪やす子の家に
デンカの名刺を持った刑事が強盗として押し入ったというものだ
った。デンカのアリバイは証明されるが、何者かがデンカの名刺
を悪用していた事を知り、それを配った25名の人物から名刺を回収
して回る事になる。デンカは安易に名刺を配らない為に、配った
相手のことを手帳に記していたのである。それを考えれば簡単に
犯人は見つかるかと思われたが、その名刺が使われたのは5年前の
ことだという事が分かる。

今と時代が違うのか、警察はバッジではなく名刺を見せて人の家
を訪問する時代だったのか。
名刺はあくまで名刺でバッジとは違うと思うんだよね。

デンカが名刺の件でテキサスに語っていたこと。
安易に刑事が名刺を渡してはいけない云々と・・。

またドラマの途中で手帳を無くしたとする長さんの話をもって
相棒が間違えて持っていたという流れから、冒頭でテキサスが渡した
あの名刺が実はデンカのものなのかと思った。

冒頭でのテキサスのあの態度は流石に酒の席での無礼講とはいえ
なんか見ていて不快感だったので、何かテキサスに降りかかる
懲罰的流れがあるのかなと思ったけど、テキサスは自分の安易な
考えとデンカが主張していた思いというものを比較して、肩入れ
する流れを作って行く。

5年前の名刺ならばまだ持っている可能性は有るけれど、少なくとも
サイフの中に持ち歩いているということはあり得ないな。

ウチの地域だと田舎なので警察が深夜に巡回するとポストに何時頃
に巡回したのかが投函される事が有る。
オレオレ詐欺が最近ウチの地域でももの凄く多いらしく、役場から
のアナウンスも行っているのだけど、高齢化が進んでいるので
それでも騙されてしまう人って多いんだよな。

そういえばこのエピソードから久美ちゃんが居なくなっている。
何のアナウンスもない状況で一瞬で居なくなった。
誰もそのことに言及しないのも恐い(笑)

25枚配られた名刺の中にもそれぞれの人となりの人生が詰まって
いて、回収していくごとに5年の間にどう人生が変わっているのか
ということが分かるようなエピソード構成で面白く出来ていた。
その中でもデンカに対する思いの強い、日本食堂・新幹線出張所
で働いている星沢ミキとか、殺人罪で服役して死亡した父親の息子
板橋のエピソードが抽出されていた。

それ以外はほぼ名刺を回収するまでビタっと張り付く捜査官たちの
姿が有った。これもデンカを信じて居る行動の表れなのかな。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動)

本庁警部 …… 早川保
家政婦 …… 倉野章子 (やす子の家)
安西次郎 …… (文栄堂、家政婦の恋人)
星沢ミキ …… (国鉄列車食堂のウェートレス)
橋爪やす子 …… (48歳、被害者)
与田分章二 …… (小桜寿司屋)
原田信一 …… (デンカの同級生)
板橋敏彦 …… (元殺人犯)

早川保、倉野章子、平野康、鮎川浩、向井淳一郎、草間璋夫
桜井克明、永谷悟一、林靖子、松坂雅治、加藤茂雄、鈴木治夫
竜のり子



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