太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第119話 厳しさの蔭に

脚本/長野洋 監督/竹林進
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山村とテキサスは戸川組の組長が撃たれた情報を受けて、闇医
者が経営する病院の前に来ていた。中から出てきたのは組長の
福島。4人の構成員に囲まれていたが、福島は撃たれて肩から
包帯で治療した後が有った。相手は竜神会なのかと問うと女に
引っかかれただけだという福島。潜りの医者に治してもらった
のだろうとして家宅捜索すると、医者は摘出した銃弾を持って
いた。近頃の女は爪の間にこんなものを入れているのかとして
嫌みを言う山村は福島を署に連れて行き取り調べを行う。
山村は犯人を捕まえてやるので誰に撃たれたのか話せという。
福島は暫く粘っていたが、ホントに相手の正体が分からないと
し、分かっていたら今頃血の雨が降っているだろうと語る。
署内ではいよいよ竜神会と戸川組が一線を交えるのかという
噂が立っていた。

チョコが署にやってくる。みんな朝が早いというと、夕べから
働いているんだというゴリ。何か事件なのかと問うとデンカは
子供が余計な心配をする必要はないとし、子供という言葉に
怒ったチョコは反論するとゴリは逆撫でするようにしてムキに
なるところはやはり子供だという。そんなチョコは笑っている
テキサスにあんただって新米でしょと怒りをぶつける。ボクが
言った言葉ではないのに・・とつぶやく中、ボスが署にやって
くる。二係の内定によると戸川組は配下に総動員をかけている
という。やはり狙撃は竜神会なのかとするが、真相は分からな
いが、戸川組と竜神会がぶつかることになれば大変だという。
そこで我々一係が竜神会をがさ入れし、二係が戸川組を調べる
ことになったという。

竜神会にいくと令状を見せてオフィスを探る。
反発する構成員と争いが発生するが、その中でも金庫を持ち逃げ
しようとした男を捕まえデンカが開けると中には銃が一丁入って
いた。他にもどこかに隠しているハズだとして、構成員のアジト
を探ると床下には大量の銃器が発見される。
科捜研に銃の線条痕を調べてもらうがどの銃とも一致しないと
長さんに告げ、福島を撃った銃はこの中にはないと報告を受ける。
竜神会の中に狙撃でクロっぽいヤツはいないとし二係の話でも
戸川組で仲間割れをしたという話はないという。誰が狙ったもの
なのか。
ボスはゴリとデンカに銃(32口径コルト)の出所を調べる様告げ、
山村とテキサスには福島中心にもう一押し調べて欲しいと告げる。

そんな中ゴリは一匹、32口径コルトを持ち歩いているという情報
があるという。西井保という強盗の前歴がある人物とのこと。
写真の顔を良く覚えておけというと、捜査官は競艇場へと脚を
運ぶ。
西井は本当にここに来ているのかとすると、競艇につぎ込み
強盗をするような男で、来ていないハズはないという。西井は
一発勝負にかける男だとして、売り場を見張らせる。
なかなか見つからず残り2レースになった際、デンカは西井を
発見。配置について西井をマークするが、気がつかれて逃走
される。しかし予めテキサスが逃げる方向を予測していた為に
挟み撃ちにして捕まえるのだった。

取調室で西井から話を聞くと、言い値で買うと言ったので売った
のだという。ゴリはホントに持っていないんだなというと、
全ての荷物を調べて見つからなかっただろうと語る。
そもそも銭にもならないのに撃つハズがないという西井は、
学生みたいなヤツに売ったのだという。何処で知り合ったのか
と問う。

BARかがり。
デンカはママに写真を見せて、10日前にこの男が学生っぽい
人物に銃を撃っているが知らないかと問う。バーテンダーを
しているサブに対して覚えていないかと問うが分からないという。
もう一度見れば思い出すかということで、交代して張り込みし、
彼が来るのを待つことになる。
みんなで代わる代わるバーで待ち伏せする中で、酔っぱらいが
ママに絡んでいるところをテキサスが止める。俺は警察だと
言う中、サブが今男が来ている事を告げると、急いでテキサスは
男を追って出て行く。しかし踏切をまたいで男は逃走してしまう。
踏切を渡る際に男はペンダントを落としていく。

改めて西井にペンダントを見せると、思い出したことがあるという。
田舎から出てきて初めて新宿で購入したペンダントだと言って
いたとし、宮城の田舎の漁村から出てきたと言っていたという。
それを聞いてテキサスはボスに宮城に行かせて欲しいという。
しかしゴリはまだ名前も分かっていないのにどう捜査するのか
と問うと、俺はアイツの顔を覚えているとして、ボスは出張を
認めなかったがテキサスは勝手に宮城に行ってしまう。

宮城県の五島警察署に行くと、既にボスから話を聞いている
として署長がテキサスの面倒を見てくれるのだった。
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戸川組の組長の福島が撃たれたことを受けて、竜神会との
抗争が心配される中、大事になる前に、一係と二係でそれぞれ
の暴力団事務所の関連施設を家宅捜査をして未然に事件を
防止しようとする。しかし福島に銃弾を喰らわせたのは
対立する竜神会ではないことが判明。
32口径の出所を探していたところ、西井保が所持している
ことが分かる。西井を捕まえて事情を聞くと、学生みたいな
人物に言い値で売ったということで、その学生と知り合った
というバーで張り込みすることになる。バーにやってきた男性
を捕まえ損ねるが、彼はネックレスを落としていき、そのネック
レスを見た西井は、銃を売った男は宮城から来たと話していた
ことを思い出す。

ヤクザによって人生を狂わされた人物が復讐の為にヤクザ
の福島を殺そうとしている。それを止める為に行動を起こす
中で、テキサスにはどうしてもヤクザの警護をすることに
抵抗が有った。

過去山村がこの事件に関わっている件。
高岡と福島の因縁の関係は列車の中での些細なマナー問題
から発展したもので、間違いを正そうとした高岡が悪人
となってしまい、それでも刑事としては法を犯した方を捌かな
ければならない辛さというものが存在する。

山村が言葉よりも行動によって、まだまだ若いテキサスの
見本と成るべき行動を取ると同時にそういう精神的なことの
成長を促す意図が有ったり、また刑事としての難儀な構図が
時に発生しても法に忠実に適切に処理することの必要性を
唱えたものだった。

記憶というものが頼りになる部分が多かった。
鉄道公安官を襲ったことなどはちょっと高岡に肩入れしづらさ
も感じるところ。

ただヤクザの福島を守ると言うことは高岡本人を守ることに
繋がるということを上手く描いた話で、高岡が人を殺せば
もう戻れない立場になるということを上手く示唆して、上手い
こと説いた感じ。

サングラスをかける山村の姿がかっこうよかったし、
麻雀の場に於いてテキサスが思わず白い牌のことを話してしまう
辺りコメディっぽくも有り、面白いところ。麻雀と言えば
山村だろうってことで、一緒に参加してしまうところが笑える。

ヤクザの親分の割に命乞いをしたり、虚勢を張る姿がちょっと
滑稽だったかな。
山さんがまた撃たれてしまった。傷つく人が多いな。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

福島 …… 藤岡重慶 (戸川組組長)
高岡雄一 …… 小野進也 (福島出身、商社就職が決まっていたが・)
西井保 …… 中村孝雄 (強盗の前科、32口径を持っている)
佐伯 …… () 鉄道公安官
宮城県五島警察署長 …… (テキサスの面倒を見てくれる)

晴海勇三、生田くみ子
松尾文人、加藤茂雄、今井和雄、武内輝雄、直木みつ男



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