太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第126話 跳弾

脚本/金子成人 監督/小澤啓一
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テキサスとゴリは質屋殺しの犯人の井上と沢村を追いかけて
川まで来ていた。ボスに二人の容疑者を追っていることを報告
するとボスは奴らは初めて人を撃ち動転しているので気をつけ
ろという。テキサスは止まらないと撃つぞと警告する中、井上
は威嚇発砲してくる。テキサスも威嚇発砲して応戦する中、
犯人の一人・沢村は足を滑らせて倒れゴリによって取り押さえ
られる。テキサスが一方を追いかけているかと思ったが、彼は
土手で女性が倒れているのを目にし、自分が放った威嚇の弾が
命中してしまったのではないかとして心配して女性の方に向かう。

鑑識に弾を照合してもらうと、撃たれた女性の大腿部から摘出
した弾は質屋殺しに使われた弾丸ではなくテキサスの銃から
発射されたもので間違いないとの報告が入る。

病院で銃弾を受けて入院している浦林広美の病室にいくボス
とテキサス。そこには父親がいて対応する。娘は来年結婚する
という父は母親に早いこと死なれて一人娘だという。今度のこ
とは残念で、4・5日すれば歩けるようになるが傷跡は残ると
いう。ボスたちは変わりに自分たちが広美の面倒を見ることを
語るが、父親は自分はちっぽけだが工場を経営しているので
働く時間は融通が効くのだという。工場は府中の土手の所に工場
があるという。
そんな中、広美の婚約者の原けんじ郎が見舞いのためにやって
くる。原はこの一件に憤怒し、銃を撃った犯人は当然捕まった
のでしょうねと語る。実は威嚇射撃をした弾が当たってしまっ
たことを語ると、警察は周囲に人がいても撃ち合いをするのか
とし、一般市民を巻き添えにして返す言葉があるのかと問う。
父親は自分が悪くないのに、原に対して結婚前に大事な体を傷つけ
てしまったことを謝罪する。

署長は困惑する。犯人は銃を持っていたので、テキサスが銃を
発砲すれば撃ち合いになるとは思わなかったのかとし、そうなれば
最悪の事態は想定できたハズだという。しかしテキサスは自分
は川の中に向けて発砲したのだという。しかし娘さんの足から
出た弾は君の銃からのものだという。世間の風当たりが強くなる
ばかりか警察全体が非難される恐れがあるのだという。我々の
仕事に市民の協力は欠かせないのだとし、その協力が得られなく
なる可能性を指摘する。

ゴリと長さんで沢村を取り調べすると、彼は自分は発砲していない
とし兄貴・井上が撃ったのだという。質屋を襲ったのも兄貴の
案だとすると、何でも兄貴のせいにするなと激怒。金も取らずに
何処に逃げるつもりだったのかと問う。

テキサスは明らかに水面を撃ったと言っていること。自信を持って
いえるという。するとボスは跳弾だろうという。弾は先が丸いの
で空気中の抵抗は勿論水の中だとそれ以上の抵抗が加わり、弾丸の
回転や色んな条件が重なるととんでもない方向に弾が飛ぶことが
たまにあるのだという。長さんも聞いた事があるとして戦争時代
には跳弾で被害で死んだことを話に聞いている事を語る。
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テキサスが犯人に対して威嚇して発砲した弾が土手の上にいた
女性・広美にぶつかってしまう。意図的に狙ったものではない
とはいえ、結婚前に傷つけてしまった彼女に対してテキサスは
責任を感じていく。

今回の流れを見ると結局は犯人を捕まえようが捕まえまいが、
何が変わる訳でもない感じがするのは気のせいか。
勿論そうなるに至る原因を作った犯人を捕まえることによって
気持ちの決着は付くのだけど、不可抗力であるということを
証明することは出来ないハズで、それを証明することへのナンセ
ンスさもある。

当たってしまった女性が歩けなくなるみたいな流れにならなかった
ところが救いだった。
最後にテキサスにも大腿部に銃弾が当たってしまったことはせめて
ものの火消しの為に相殺の役割を果たしたところなのか。

120話「拳銃の条件」でデンカの発砲問題だったり、度々訪れる
ゴリさんの銃の所持問題などにも精通しているところがあるかな。

今回の一番の問題は、この時の心の傷によって本来銃を撃つべき場所
でも撃てなくなることを懸念する流れで有り、今回もあれだけ
銃弾を乱射していた犯人を射抜けなかったところは、少々違和感を
覚えるけれど、銃で解決することを嫌う傾向に有るので、こういう
形になるのも仕方がないのかな。

テキサスはやりきれない思いを柔道の練習で気を晴らしていたけど、
ただ受け身の練習をしていただけだった。

嘘がはびこる中で人間関係に於ける真意をただす流れも有り、
広美と婚約者の流れだったり、もの凄い爆発した髪型をしている
保積ペペさん演じる石川実の勇気ある決断は、テキサスには勇気づけ
られるものが有ったのだろうね。

山村があくまで強要はしないがという前提の上で、
「自分の汚名を晴らすことがそんなに大事か?」「お前が考えるべき
は必死に隠そうとした事実だ」「他人の心情に土足で踏み込む権利は
ない」とのありがたいお言葉を投げかけられたけれど、名言を述べる
のは山村の役割なのかな。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)
署長 …… 平田昭彦

浦林広美 …… 志摩みずえ (浦林の一人娘、母を幼いときに亡くす)
石川実 …… 保積ペペ (二葉アパート)
浦林 …… 堺左千夫 (浦林製作所、父親、府中)
原けんじ郎 …… 酒井修 (広美の婚約者、原産業の息子)
井上 …… 沖田駿一 (犯人、先輩、銃を撃ちまくる)
沢村 …… 藤井つとむ (犯人、後輩)



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