太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第128話 夢見る人形たち

脚本/小川英、杉村のぼる 監督/山本迪夫
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神社で人が刺されて死亡した状態で発見される。
ナイフで一刺しなのか・・ナイフではなさそうだという。
山村は被害者が手にしているものを見るがそれが何か分からな
かったが、デンカは小猿だと語る。これから見本を見せるとし
てデンカは何処かへ消えてしまう。
被害者は原田まさとし(22歳)、東南大の文学部3年生。一度恐喝
であげられて保釈されているという。鑑識によると4cmのノミ
で刺し殺されたのではないかという。

デンカは自宅の押し入れから持って来たとして、棒使い人形を
持ってくる。元々人形劇サークルにいたとのことでその姿を見て
チャコは無邪気に喜ぶとテキサスは子供みたいだなとして
チャコと言い争いに・・。しかしチンピラ学生と人形はどういう
関係が有るのか。棒使い人形はキリを削って作られるとし、劇団
によって小猿は形が違うものだという。人形を作っている所を
重点にまずは調べろという。

色々と調べる中、現場近くの"人形劇団・カスペル"というところが
あることを知る長さんは一人そこを尋ねる。
長さんはバッジを見せると、小猿が独特だとして、その小猿が
被害者が手にしていたものと同じであることを認知する。
昨日の10時半頃神社で殺人が有ったとし、現場に近いが何か知らない
かとして、アリバイをそれとなく尋ねようとすると、劇団員の6人
(沢本和雄、倉田次郎、加藤直樹、本多由美、山川律子、河野健一)
は稽古で徹夜していたと語る。

署に戻るとみんな情報を語り合う。
現場近くの劇団を調べると小さな劇団を入れれば30カ所はある
という。山村は被害者側からの捜査で犯人を特定しようとしたが
特に情報はなかったと語る。6人全員を引っ張って話を聞くべき
なのかとするが、デンカはそんな行為は無茶だと語る。講演が
近いこと。しかし手がかりが他に無いのだという。デンカは
同じ人形遣いとして自分が捜査をしたいとすると、ボスはデンカ
にその劇団に入団して内部から情報を聞き出すよう告げ、テキサス
を一緒に連れて行くよう語る。

リーダーの沢本和雄は、デンカたちを受け入れようとするが、
今更新しいヤツを入れる必要はないとして他の5人は反対する。
しかし断る理由もないだろうと語る。するとデンカは自分が人形
遣いの経験があるのを示すようにして、その場にあった棒人形を
借りて犬と仲良くなる人間の描写を表現する。みんなその腕を
見てデンカに好感を持ち、断ったことを謝罪する。そうと分かった
に講演の為に稽古しようとして、演目はドンキホーテだという
ことだった。デンカはテキサスが必要以上に気合いを入れている
のを知って捜査だということを忘れるなと語る。しかしテキサスは
みんな明るい人物で良い奴ばかりだという。
デンカは舞台セットを制作する中、ノミを借りたいとしてやって
くる。人形は6人全員が作れるとのことだった。
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今回はデンカの意外な趣味・特技が明らかになるエピソード。

この時代の劇団は今時のものと比べて仲間意識が強くて、
そんな仲間たちの輪を乱そうとしてしまうことへの違和感や罪悪感
が最終的には捜査官のデンカやテキサスの心を悩ます者として
存在していく。

デンカが人形劇の中でも棒を使う人形劇を学生時代に行っていた
お陰で、手にしていた特殊な道具について、すぐに目星を付けて
捜査を行うことが出来た。

潜入捜査ということも有り、幾ら捜査上の中で気が有って、気を許し
会えても所詮は捜査対象であり、疑いの目を持って捜査をしている
現実からは逃れられないものがある。

あれを見て小猿?なんてことがすぐに分かる人は早々居ないと思われ、
それを敢えて省くようにしてデンカの過去のプロファイルの中に
そんな特技があったことを潜り込ませて、潜入に於ける捜査の方に
重点を置いた。

みんなが人形を作れるということや、人形を扱う劇団ということも
有って、あまり悪い事をしそうな人物とも思えないんだよね。
ただ全員が人形劇を隠れ蓑にドラッグなどを売りさばいているみたい
な可能性は否定できないところがある。
しかし冒頭でいきなり入団させるべきかどうかで葛藤するシーン
を見ると、そんな悪事を働いていたら全員が否定するだろうし、
前提としてこの集団が全員で悪事をしていないことを示す流れが
有ったのではないかと。

リーダーは蟹江敬三さんの若かりし頃の役・沢本和雄。
殺害してしまったのは不可抗力とはいえ彫刻刀で人形を傷つけられた
仕返しに殺害してしまった加藤だった。

人形は全て揃っていたので、犯人はいないと思わせたけれど、
人形劇の一つの演出で同じ人形の着替えには置き換え人形というもの
があるらしく、その置き換える側の人形がないことに気がついたこと
が全てだった。
ただまぁアパートの前の空き地にそれを埋めておくというのは、
人形を愛して止まないということを表しているのかも知れないけど、
ちょっと違和感は有ったかも。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

沢本和雄 …… 蟹江敬三 (人形劇団カスペル・リーダー・銭湯にいた)
倉田次郎 …… 水谷邦久 (人形劇団カスペル・アパートでTV)
加藤直樹 …… 頭師孝雄 (人形劇団カスペル・深夜喫茶に居たと)
本多由美 …… 酒井久美子 (人形劇団カスペル)
山川律子 …… 井野口一美 (人形劇団カスペル)
河野健一 …… (人形劇団カスペル)
原田まさとし …… (東南大・文学部4年、22歳・恐喝の犯罪歴)

飯室健一、萩原紀、仙波和之



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