太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第132話 走れ!ナポレオン

脚本/田波靖男、四十物光男、小川英 監督/斉藤光正
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岩沢家に作業員に扮して荷物を運ぶボスとテキサスと山村。
岩沢家の主人・シンタロウが誘拐された為に誘拐犯からの連絡
に備えて装置を設置する。
夫人の話によると今日の昼過ぎにいきなり知らない人から電話
が有り、「お宅のご主人を誘拐した。後で連絡するので身代金
として1億2千万円を用意しろ」というもので、「警察に知らせ
たら殺す」と言われたので会社の秘書・河野に先に連絡した
のだという。ボスはテキサスに表に回って監視するよう告げ、
山村には逆探知の段取りをするよう告げる。
ゴリは電気作業員に紛れて電柱に登って見張る。デンカは
絵描きの振り、長さんは車に乗ってそれぞれの場所で事態を
見守る。河野によると社長が食事から戻らないのを心配して
いる所に奥さんから電話が有ったという。

そんな中、岩崎家に郵便が届く。
送り主は豊臣秀吉と書かれており、中身は随分と軽かった。
ボスは危険物が入っている可能性を示唆しつつ、ナイフで梱包
を解くと、中には色違いの筒が3本入っていた。
その直後に電話が鳴る。逆探知の準備をする中で、夫人が電話
に出ると、筒の中に古い1万円札を4千万円ずつ入れて、秘書の
河野に持たせろということ。明日の12時に恵比寿駅前で待てと
いう犯人に対して、夫の無事なのか声を聞かせて欲しいと頼む
が一方的に切られてしまう。

翌日の昼の恵比寿駅前。
河野が筒を持って駅前にいく。一係は所定の位置に付く中で
犯人からのコンタクトを待つ。12時になると突然靴磨きの男が
声を掛けてきて、「あなたが岩沢の使いの人か」と問うてくる。
これを渡すように言われたのだとすると紙を渡す。そこには
新聞の印字を切り抜いて書かれた文章で「有ス川公園、藤だなに」
と書かれていた。
ボスにもその情報が伝わると、有栖川公園には4カ所出入り口が
あるという。車では中には入れないとのこと。
公園でもみんながそれぞれの位置で犯人からの接触を待つ中、
シェパード犬が秘書の前に現れる、その3匹が筒を噛んで突然
走り出す。みんなそれぞれに必死になってその犬を走って追い
かける。ボスにも犬を使って金を持ち逃走したことが報告される。
一匹の犬はビルに入りビルとビルの間を飛んでデンカの追跡を
交わす。長さんも走って追いかける中、犬はエレベーターに
入り、長さんも必死で階段を使って追いかけるが、エレベーター
に再び乗られて逃げられてしまう。よく訓練されていると
する中、発信器を持っている残りの一匹だけが頼りだという。
犬が公道を走るのを追いかける中、その犬(ナポレオン)はバイク
に轢かれて瀕死の重傷を負う。犬を追いかけていた一人、テキサス
はまだ生きて居るとして助けようとするが、本庁の捜査官たち
は、犯人が何処かで見て居るかも知れないので手は出すなと
して犬を放置しようとする。しかしテキサスは黙って居られずに
犬に服をかけて獣医師の元に走る。

一方犯人の三人組は箱根の山荘で犬の帰りを待っていた。
なかなか戻らないので心配する中、犬を調教した犯人はオレが
調教しているので電子計算機よりも正確な行動を取ると語る。
自慢は帰ってからにしろという中、二匹の犬、クレオパトラと
シーザーが戻ってくる。しかしナポレオンだけが何故か戻って
こなかった。それでも二匹の犬が持って来た筒の中に4千万円が
入っているのを見て犯人たちは大喜びする。

一方ナポレオンの治療をする獣医師はテキサスに対して今夜が山田
だと語る。今夜無事ならば助かるかもと。テキサスは決して死ぬな
として犬の傍から離れなかった。そんな中ゴリがテキサスの元に
やってくると、テキサスはゴリに対して犬の体に付いていた土と
草を鑑識に回して欲しいと語る。

その頃捜査本部では今後の捜査は本庁が担当するとして犬を渡す様
ボスに要求してくる。体内の食物から解剖して手がかりを探すと
いう。「所詮は犬だ」という本庁の捜査官に冷たさを感じつつも
言い返せなかった。
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誘拐事件の受け渡し方法がポイントとなるエピソード。
日本の誘拐事件の検挙率を考えれば、それが難しいことは明らか
で犯人としてはどんな方法を用意しているのか。

身代金誘拐に関しては、金の受け渡しで必ず犯人とは接点が発生
するのでそこでの駆け引きがドラマとしてもアイデアの出し処
なのだろう。

なんと受け渡しに来たのは三匹の訓練された犬だった。

4千万円入りの筒を加えた犬が走って捜査官から逃げていくのを
走って追いかけるというのだから無理な話だって感じ。
2匹の犬ともビルで巻かれるのだけど、寧ろ公道を走って行かれた
方が追いつかない可能性が高いよな。

ビルに登るのは良いけど結局は下りる訳だから、何処かで待ち伏せ
していれば必ず足が付く。長さんなんてエレベーターに乗った犬に
振り切られるという大失態。ギャグとしか思えないのだけど、エレベ
ーターのボタンを押したのは犬なのか(笑)

一係のミスだということで本庁の捜査官が主導権を握るが、そもそも
合同で捜査すれば良かったんだよね。

犬の習性からすれば帰巣本能から必ず飼い犬の元に戻るはず。
本庁の捜査官は犬を解剖して胃の内容物から現場を探ろうとして
いたし、飼い犬・訓練した犯人の男は証拠隠しの為にそんな犬を
殺処分しようとしていた。
そんな中唯一犬に対して助けようとして踏ん張っていたテキサスが
犬との関係を通わせていく。

「犬は三日の恩を三年忘れず、猫は三年の恩を三日で忘れる」という
ことわざがあるけれど、犬の中でも迷いがあり一度はテキサスに
噛みついてきたけれど、最終的にはテキサスの味方として連絡係
のようなことを行っていた。

しかし発信器をつけているとしてレーダーで追いかけていたけど、
またチープな装置だったな。

テキサスも逮捕するまでは連絡が取れなかったのかも知れないけど、
アジトが見つかった時点で一係には知らせるべきだった。
テキサスはちょっと頭が悪いというか何というか・・・単細胞だから
良いんですかね。

「犬と子供には人気が有るんですよ。」
「それってオレのことを言っているのか」

みたいなゴリさんとのやりとりがなんとも言えなかったです(笑)


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

犯人 …… 速水亮 (3匹の犬を飼い慣らす)
本庁の刑事 …… 玉川伊佐男
本庁の刑事 …… 金井進二
靴磨きの男 …… 田中春男
岩沢夫人 …… 上月左知子
河野 …… 勝部義夫 (秘書)
郵便配達員 …… 今井和雄

藤田漸、島もとき、相原巨典、朝倉一、川越たまき、町田幸夫
丸山詠一、春江ふかみ



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