太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第136話 生命を燃やす時

脚本/長野洋 監督/山本迪夫
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長さんはゴリとテキサスとランチを食べに行く。二人の食べっ
ぷりに挟まれる長さんはよく食べるなぁと関心する。腹も身の内
というのだから気をつけろというが、ゴリは体が元手の商売だ
という。逆に長さんは食欲が無かった。どうも胃の調子が悪い
という。飲み過ぎではないかとするが、俺たちそんなに給料を
もらっていないだろうという。
署に戻るとデンカはみんなに封筒を渡す。定期検診の診断書
だという。テキサスはこんなの見てもしょうがないという。
ゴリはお前みたいな元気のヤツが一番怪しいのだという。
二人とも健康体とする結果が入っていた。しかし長さんだけは
「精密検査の必要を認む」と書かれていた。

そんな中一係に電話がなる。
城東銀行からの電話で異常事態を知らせる連絡だった。
ボスは急いで急行する様告げる。
銀行を静かに見回る。敵はまだ通報には気がついていないという。
焦るテキサスに対して長さんはまずはホシの頭数と凶器の確認を
するので先だと指示し、デンカに無線機を持たせて銀行マンと
して銀行に潜入させる。入り口の所で待っていた男にアンタ
銀行の人かと問われると、ピストルだとしてデンカはみんなに
凶器を知らせる。中に入ると3人組だと判明。デンカは3つになる
女の子がいるので助けてくれと語る。無線を受けたものたちは
3人組の強盗だと分かる。出てきたところを取り押さえようとして
用意していたところ、突然非常ベルがなった為に犯人も急いで逃走
を図る。一人(西川)はその場で逮捕され、一人(矢野宏一)は迎え
に来た車(川島ススム)に乗って逃げようとする。そして金を
持って逃げようとした一人(竹田勝正)は、車には乗らずに逃走
を図る。長さんは気がついて竹田を追いかけるが、陸橋のところ
で長さんは体調を崩して取り逃してしまう。

署で西川を取り調べする山村たち。
金の入ったカバンを持って逃げた竹田とは競馬場でであったと
いう西川。二人でデカイ金儲けの話がないかを探していた所
アイツから声をかけてきたのだという。銀行を襲わないかと
誘ってきたのもヤツだという。山村はもう一台車を用意していた
ヤツがいると話すと俺たちは端から3人だと語る。
4人目の男も名も顔も分からないとし、もう一人の男も姿を
くらましてしまったという。金は素人の竹田が持って逃げたと
すると、ボスはまずは身元の分かっているヤツから捕まえよう
と語る。竹田にはアパート住まいで妻の妙子と息子のカズヤが
いるという。

竹田のアパートに行く山村と長さん。
妙子は本当にウチの夫が銀行強盗をしたのかと問うと間違いない
と語る。ご主人から連絡はと問うがないという。行き先に心当
たりもないとのこと。そんな中赤ん坊が泣き出し、妙子はあやす
姿が有った。
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今回は長さんが主人公のエピソード。
署内でも健康診断が有り長さんだけが精密検査の再検査の必要
有りとの診断を受けて、捜査にも影響が出てくる中、捜査を
行っていく。

銀行強盗が発生。
3人組の人物だが4人目の犯人がいることが分かり、1人が捕まり、
もう一人はその人物とは互いの事情は知らないものの競馬場でよく
逢う人物だった為にすぐに特定に至る。

金を持ち逃げしたのは竹田勝正。
会社で話を聞くと半年前に早期退職した人物だが、腕は確かで、
上司としても引き留めたかったという。
同僚の社員に話を聞くと、勝正は子供が生まれたことをきっかけに
して、生命保険に入るとして頑張ろうとしていたが、残念ながら保険
に入れなかったという事情が有り、検査がガンだということが発覚
したようだ。

今の長さんと犯人の竹田が中年繋がりというだけでなく、余命幾ばく
もないガン仲間(と長さんは勝手に思い込んでいる)であることから、
マジメな授業員が銀行を襲った動機の中に妻子に金を残したい意図が
あることを汲んで、長さんも犯人に肩入れしたところがあるようだ。
ただ正直長さんはそんな事情を察していても、厳密に言えば勝正が
長さんの事情を知る由もなく、戦友のようにして息を合わせていく
みたいな流れは不自然に写ってしまうところは残念だ。
まぁその分、竹田の妻・妙子のことを気遣う姿の中に、長さんの気持ち
なんかが深く現れていたけどね。

こんな綺麗な人が嫁さんならばそれは頑張るだろうって感じ。

長さんと竹田が逃走劇に於ける追いかけっこになるのだけど、長さん
の方が先にへばってしまうというところがまたなんとも言えない。

テキサスが長さんに対してオレは若いので徹夜しても大丈夫ですみたい
なことを語る際に、決して長さんを年寄り扱いしたわけではないと
語るけど、もう年なりの捜査をするべきなんだろうけどね。

長さんは娘の良子が風邪で会社を休んでいることを知り、生ぬるい
ようなことを口にしていたけれど、その娘は逆に父親のように働き蜂に
なることを拒み、

「ジーパンさんが亡くなった時に何と言ったのか。必死で働いて
その挙げ句にポックリ亡くなること程むなしいことはない。体だけ
は気をつけろと言った」
と反論され言い返せないところもまた辛いところ。

長さんと竹田の体格が似て二人とも小柄のオヤジ同士の追いかけっこに
なったことも有ってなんか憎めない描写だったけどね。

最後は珍しく長さんの無双が見られた。
死を前にしていると感じた長さんの中に馬鹿力が発揮されたと言った
ところだろうか。

因みに二人の犯人は銃を使ったマエが有り線条痕から犯人の特定に
至った。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

竹田妙子 …… 津田京子 (勝正の妻、強盗の一人)
竹田勝正 …… 園田裕久 (行員、秋に自主退職)
矢野宏一 …… 中井啓輔 (強盗の一人)
野崎康江 …… 西朱実 (長さんの妻)
西川 …… 小倉雄三 (強盗の一人、竹田と競馬場で会う)
野崎良子 …… 井岡文世 (長さんの娘、就職、風邪で休む)
崎田憲一 …… () 病院長
川島ススム …… () 矢野宏一の仲間

木島進介、片山滉、千登宏史、晴海勇三



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