太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第141話 無実の叫び

脚本/小川英、四十物光男 監督/山本迪夫
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武蔵野刑務所から一人の男性・原田ケイ次郎が出所する。
サングラスをかけるとすぐに公衆電話に向かう。電話帳で調べ
る中、七曲署に電話する。電話を取ったのはテキサスで、小谷
刑事はいるかという電話だった。小谷なんて刑事はいないとい
うが、長さんは彼のことを知っているとし、確か鹿児島県警に
7、8年前に栄転したのだという。テキサスはその事実を伝えた
後にどちら様なのかと尋ねるが、そのまま電話を切られる。

宮口法律事務所にも原田は電話は宮口がいることを確認する。
すると原田は宮口の元に行くと、彼は今日出所したんだろうと
して長いことご苦労さんだと語る。しかし原田はあんたは俺の
無実を証明すると言ったのにあんたはこの事件を自分の宣伝
に使ったとして、有無を言わさずナイフで胸を刺す。

七曲署の刑事たちもすぐに現場入りする。
デンカは強盗だが目的は金ではないという。犯人の名前は原田
で、秘書に金庫を開けさせて悠々と出て行っているという。

原田は前科3犯、昭和35年強盗殺人で15年の懲役刑。半年間
減刑されたという。その時の弁護士が宮口で最高裁では棄却
されたという。ボスによると原田の事件は当時話題になったとし、
本人は無実を叫び続けたこと。証拠は警察のでっち上げだと。
テキサスは警察がそんなことをするわけがないというが、ゴリ
は断定は出来ないという。警察だって人間であり間違いは犯すもの
だという。担当した刑事は小谷警部補で今は鹿児島県警の課長
だという。それを聞いて長さんは昨日の朝、小谷を尋ねる電話
が有ったとし、原田からのものとみて間違いないだろうという。
今度は小谷の命を狙っているのだろうと。

鹿児島。
小谷家では娘のキョウコと父は朝食を取っていた。
明日は娘の結婚式。娘は父を一人にするのが心配だというが、父
は自分の事を考えろという。ボスはそんな中小谷に電話する。
小谷は久しぶりに藤堂(以下:ボス)からの電話に喜び、招待状を
送ろうとしたが仕事の邪魔になるかと思ったという。ボスは何の
話なのかと尋ねると、娘の結婚のことではないのかと。ボスは
原田のことを覚えているかと問うと、昨日出所して弁護士だった宮口
を殺害したという。その際無実を証明出来なかったとして叫んで
いたとし、次に狙うのは小谷さんだと語る。小谷はそれでは君も
こちらに来る理由が出来たとしてホテルはとっておくので是非
来てくれと語る。

飛行機に搭乗するテキサスとボス。
ボスは15年前の事件について語り出す。15年前に街の金融業者が
殺されて3千万円が奪われたのだという。一週間後に前科持ちの
原田が逮捕されたが彼は否認していたという。しかし起訴され
刑が確定したが依然として3千万円は見つからなかったとのこと。

空港には小谷が迎えに来てくれていた。
部下を連れて来ると言っていただろうとするとボスはテキサスを
紹介する。原田はまだ来ていないみたいだという。

城山観光ホテル。
桜島がよく見えるホテルだった。小谷は娘の結婚式もここで行う
という。事件は土地のものに任せてくれという小谷は二人をホテル
まで案内するとタクシーで出て行く。ボスはテキサスに尾行を
命じる。
ホテルのボスに電話が鳴る。ゴリが空港からかけたもので、原田
は既にそっちに行っているという。今朝一番のキャンセル待ちの
飛行機に乗った人物の人相が原田と類似しているのだという。確認
次第県警に捜査本部を置くというボス。
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随分と前に見たエピソードなので正直忘れてしまった部分が
多い。このエピソード、刑務所から出てきた男がえん罪を
訴えていたものの、その声が届かず、当時担当した刑事や
弁護士たちを復讐して回るというもの。

太陽にほえろはどういう訳か九州ロケって多いですね。

ロケーションとしては今回当時の担当捜査官が鹿児島に栄転
したということで、管轄を越えて鹿児島にまで捜査に渡ると
いうもの。流石に当時の時代性を考えると飛行機料金とか
相当高そうだし、移動のスタッフたちのことを考えると大変
だったのだろうなという思いがしてくる。
次週のエピソードにも続きがあるようなので、流石に一週間
だけでこれだけの大規模ロケーションはしないだろうって
感じのものが有った。
先行して鹿児島に乗り込むのはボスとテキサスだけ。
ボスは実質的にホテルで指令を出すだけなので、テキサスが
一人動くことになり、もう少し機動性のある人物が先行していった
方が良かったのではないかという感じもする。

15年前の殺人事件を犯したのは本当に原田だったのか。
人を殺してまでえん罪にしたものたちに復讐しているのだから
当然殺しては居なかったのだろうけど、殺してしまったら意味
がないよな。

完全に小谷警部が何かしたんだろうとか思っていたけど、終盤に
行くウチにそんな思いも払拭されていく。
結婚しようとしている娘が父親が不正をしたのではないかと
心配している姿も印象的だったけどね。

「警察にミスは許されない。そんなことをたたき込んでくれたのが
小谷さんだ」というボス。ボスと小谷はそんなに年が離れているように
は見えなかったけど、まぁこういう設定はありがちだね。

このドラマでボスたちが泊まっていたのは城山観光ホテルだけど、
このドラマを見た次の日に旅番組の中で鹿児島に行った人が
このホテルに泊まっていたのでちょっと驚いた。
桜島が見えてとても良い立地のところにある。

タレコミ屋は何処にでもいるし、太陽にほえろでも定番だけど、
その彼が裏切り、何を知っているのかそのタレコミ屋を探すという
のも途方もないことだったな。何せ顔写真はない。
電話の交換士から鹿児島訛りが・・なんて言われてもね。
右目の下に傷が有るということが唯一。

また原田のことを追いつめたかと思えば、逆上して車で突っ込んで
くるという凄いシーンだった。思わず長さんたちは逃げてしまった
けど、今時の警察のエピだと非難されそうだ。
車は防波堤の所に凄い乗り上げ方をしてしまった。
ブレーキケーブルが切断されていたことから、他に犯人がいるとの
こと。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)

小谷警部 …… 長門勇 (鹿児島県警に栄転)
鹿児島県警捜査部長 …… 稲葉義男
原田けい次郎 …… 曽根晴美 (出所した男)
小谷きょう子 …… 京春上 (警部の娘)
横村 …… 上田忠好 (情報屋)
宮口弁護士 …… 奥野匡 (法律事務所)
弁護士秘書? …… 水野谷左絵



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