太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第144話 タレ込み屋

脚本/長野洋 監督/児玉進
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山村は釣り堀に行くと隣に情報屋の六がやってくる。
大物釣りでもやってみませんかと言われる。宇田川が戻って
来たという六。何かを狙っているが分からないというと、それ
からは俺たちの仕事だという山村。"俺たち"の中に俺も入って
いるんでしょという六。山村は謝礼金を渡し彼からはメモ紙
を渡される。

ゴリさんの元に戻ると山村は彼に宇田川が戻っているようだ
として六の情報紙を見るとそこには"ホテル玉川"と書かれて
いた。全国指名手配犯の宇田川修治。
ホテル玉川のフロントの女性に尋ねると最初は答えに渋ったが、
一昨日の11時過ぎに来たとし泊まったのは一晩だという。
連れは見慣れない人だが20歳そこそこのカワイイ顔をした子
だったとのこと。ホステスなのか。

七曲署に戻りこの件を語り遭う。
しかし殿下は雲を掴むような話だという。1年以上逃げていた
のに何故この待ちに戻って来たのかというテキサス。
殺しのプロで指名手配を受けているのに戻って来たということ
は必ず何かがあるという山村。
そんな中長さんからボスに事件の知らせが入る。

現場へ。
すると殺されていたのはなんと情報屋の六さんだった。
長さん背後から銃で撃たれたものだという。
西山署長はボスと山村を呼び出すと、なんてことをしたのか
としてタレコミ屋など使うからだと非難する。まだ新聞屋が
気づいていないから良いが、下手すれば警察全体の威信に
関わることだという。しかしボスは我々の捜査には民間人の
協力が必要だとして山村をかばう。タレコミ屋なんて小遣い
欲しさのダニだろうという署長は今後はそういう奴らとの付き
合いを禁じると
命じる。しかし山村は署長の目から見ればダニだろうし世間の
目も同様かも知れないが私から見れば彼らは仲間だという。
他人にどう思われようと彼らなりに悪を憎む心があるハズだと
いう。少なくとも信じているから付き合って来たのだとし、
この気持ちが変わらない限りは付き合いは辞めないという山村。

小料理"おたふく"へ行く山村。
そこは六が働いていた店であり、妻の佳代も女将として働いて
いた。訃報を知らせるとかけがえの無い亭主だったとし
主人が一体何をしたのかとして、山村の人柄に惚れていたから
主人は危ない橋を渡ってネタを渡していたのだという。山村は
俺だって六さんのことは好きだったと語ると、それならどうし
て守れなかったのかという佳代。線香は上げさせないとして
出て行くよう言われる。
山村はその後、うどん店、パチンコ店、公園などで情報屋から
話を聞いて回るが、あんたと居るところを見られたらマズイと
して避けられてしまう。

山村は署に戻るとまだボスは残っていた。収穫は無かったみたい
だなというとタバコを進められる。すると山村は本実タバコを
勧めた相手からはみんなに断られたという。人間の付き合いは
脆いものだと。私は彼らを金で買っているつもりはなかったが
こう見事に振られると私のやり方が間違っていたのかも知れな
いと落ち込む山村。するとボスはあんたのグチを初めて聞いた
という。タレコミを使うのは捜査に邪道かも知れないが俺たち
の仕事はきれい事では済まないという。俺たちも泥まみれにな
らないといけないと。このホシは小さな正義の為にも必ずあげ
ないといけないと語る。
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山さんが主人公のエピソード。
このドラマでは度々利用される情報屋の存在が抽出され、
刑事に協力して金を得ている情報屋というものは果たして
事件捜査に於いて利用する価値があるのか、倫理的に問題が
有るのかどうか問われるものだった。

西山署長がまた役割とはいえ、寧ろ筋が通っていない所が
有り、頭ごなしに過度に部下を叱りつける悪い上司の典型み
たいになっているな。

そもそも今回の六さんに至っては情報屋というだけでなく、
仕事もしている人物だし、ダニ呼ばわりされるところなんて
正直全くない。

寧ろ刑事の味方になってリスクを犯して情報を流しているのに
何故署長はそのように邪険に扱ったのか。
民間人の協力者だからという理由だけでそれを行っていると
すれば愚かなことだ。

情報の引き渡し方法がまた一昔前の刑事ドラマって感じで、
全く極秘のやりとりが行われているように見えないところが
滑稽な描写だけど、昔はこういう方法論が流行っていたんだ
ろうね。
同じ空間にいるというだけで既に疑われる状況のハズだし。
六さんが殺されるとすれば、その原因は恐らく情報漏れは、
治美が小料理屋で話した為にその流れから突き止められたと
考えるべきだろうし、まだ自分には何の被害も起きていない
犯人の者達が情報屋を殺害するというのはフライングしすぎて
いる気がする。

結局ヤクザの地位争いが原因だった。
殺し屋は余程戸川組の佐竹に貸しがあったのだろうか?
刑事が嗅ぎ回っていると知った時点で身を引くという選択肢
だって有ったハズだ。

最後の刑務所から出た兄貴分を狙うビルがまた解体現場なの
かどうか分からないけど、あんな危険な形でビルが残っている
こと自体が驚いた。

普段は銃をあまり使わない山さんだけど、銃で相手のライフル
銃を撃ち抜いた。その後仲間のように接していた六さんが
殺されたことで過剰な罰を与えそうになるも踏みとどまって
テキサスに役目を譲った。

取調室で佐竹の微妙な反応に気がついたところは流石は山さん
だ。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)

西山署長 …… 平田昭彦

佳代 …… 吉行和子 (小料理"おたふく")
六 …… 日野道夫 (情報屋、佳代の夫)
佐竹 …… 江広太郎 (戸川組)
治美 …… 加藤小夜子 (宇田川の女、ホステス)
宇田川修治 …… 当銀長太郎 (殺し屋)
岡田健 …… (戸川組)
内田 …… 晴海勇三 (戸川組・佐竹の兄貴分、武蔵野刑務所)

城山順子、粕谷正治、池田生二、左古雅美
中村潤子



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