探偵物語
(1979年9月18日から1980年4月1日・全27話)
(火曜21時枠・日テレ)

企画:加藤教夫、黒澤満
監督:村川透(1)(2)、西村潔(3)(4)(6)(11)、澤田幸弘(5)(7)(9)
長谷部安春(8)(10)、加藤彰(12)
脚本:丸山昇一(1)(5)(11)、那須眞知子(2)、佐治乾(3)(4)(6)(7)
柏原寛司(6)、中島紘一(8)、宮田雪(9)、白坂依志夫(10)、和久田
正男(12)
プロデューサー:山口剛、伊藤亮爾、柴垣達郎
原案:小鷹信光
音楽:SHOGUN
音楽監督:鈴木清司
オープニングテーマ:「Bad City」 by SHOGUN
エンディングテーマ:「Lonely Man」 by SHOGUN





第12話 誘拐
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かほりとナンシーは工藤の事務所で友人達とパーティーを行う。
工藤の元に依頼人からの電話が鳴るも、パーティーの騒ぎで
なかなか聞こえない。
工藤を見込んで仕事の依頼があると言われ、工藤は早速指定さ
れた成城の
高宮家へとバイクを飛ばす。

高宮修は、貸しビル業他、幾つかの会社を経営する社長であり、
娘の
マヤ(23歳)を探して欲しいと言われる。居場所は大体分か
るとし秘書の関根から居場所の紙を渡される。そこには赤坂の
サニー六本木のエルザ、歌舞伎町のラブと書かれていた。
身内が言っては娘は戻ってこないとし、明日の三時に大事な
見合いの話があるとして、それまでに呼び戻して欲しいとの事。
工藤は20万円入りの封筒を手渡され、金欠の彼は仕事を受ける
事になる。

紙に書かれていたクラブなどを回っていると、そこにオカマ
の一人からマヤらしき人物の居場所を知っていると言われる。
ディスコ"Circus Circus"だと聞き、早速行くと、そこで一番
派手に踊る女性・マヤが居た。工藤も一緒に踊ると、すぐに
二人は意気投合する。しかしマヤに対して売春組織に属する
志麻子は、私の縄張りだとしてマヤを牽制してくる。

工藤はマヤに、親から連れて帰るよう頼まれている事を告げ、
見合いが嫌ならば自分で断ってくれと頼む。マヤは突然二人
だけで酒が飲みたいとして工藤を誘うと、工藤は事務所に彼女
を連れて行く。
ナンシーたちがパーティーをした跡で、部屋は汚れていた。
ナンシーたちは自分たちの部屋で今でもパーティーをしており、
工藤の部屋にも聞こえてきてて居た。
マヤは工藤を誘うが、工藤は丁重に断る。
彼女が風呂に入る間に、工藤は高宮に報告するために電話する
と、何故か電話口にはイタリア語が聞こえてくる。
仕方なく工藤はマヤを自分のベッドに寝かして自分はソファー
で眠る。

翌朝、部屋が片付いており朝食が出来ていた。
全てマヤがしてくれたものだと判明する。マヤは家に帰ること
にした事を告げ、工藤のバイクで送ってもらう事になる。

しかしマヤは突然腹痛がすると言いだし、腹痛自体は大したこと
が無いが、家出した際に持ってきた荷物類が
ホテル"テン"
置いてきたままだと語る。
719号室に有るのでフロントに話して
鍵を貰って取ってきてくれないかと告げる。

その頃719号室では刑事達が張り込みしていた。
大手食品メーカーの
大森屋の社長令嬢・大森典子が誘拐されて
おり、その部屋で身代金の受け渡しが行われる予定だったので
有る。

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■今回の依頼は娘を連れ戻して欲しいというもの

娘の居場所も分かっている様で、楽な仕事ではないかという
印象も有った今回。しかし実際には複雑な事件に発展して
いく物語だった。

■工藤はモテモテ

娘のマヤを見つけると彼女は工藤に好意を寄せ、逆に関係
を迫ってくる始末。ナンシーやかほり、その他町で工藤を
知るもの達はみんな工藤のことが大好きだよね。

■マヤの荷物を取りに行く工藤

家出したときにホテルの一室にトランクケースを置いてきて
しまったとして工藤に取ってきてもらう。実際にはその部屋
で起きているのは、なんと誘拐事件の金の受け渡しの現場で、
工藤がその犯人だと疑われてしまう。

フロントの工藤を見る目が恐怖に満ちていたので、当初何の
事なのかと思った。

■コールガール役に岡本麗さん

かなりチョイ役だった。
工藤から情報を話す代償として結構な金を貰っていたな。

■誘拐事件

なかなか二つの事件の流れが面白く絡んできた話だった。
工藤を利用して、身代金を受け取りに行かせるというもの。
マヤたちも工藤は警察と知り合いなのでその内容疑は晴れる
だろうとして、気遣いを見せている辺りが、なんとも不思議な
犯人達である。

■三人組の犯人

ボスは高宮、そしてその愛人のマヤ。部下の関根の構図。
でもマヤは関根と共に海外に逃げようとしている様だ。
誘拐だけでも酷いのに、まさか高宮を撃ってしまうとはね。

それにしても他人の部屋を無断に拝借している辺りが凄い。
本当の家の主はイタリア語の先生だけど、一度だけ買春した
と語る辺りも有る意味なんだか凄かった。

■マヤは金が欲しい

何とか金のない生活から脱出したいみたいだ。

しかし工藤は金が全てという人生なんて寂しい生き方は辞め
ようと訴えかけ、考え方一つで世の中が楽しく生きていられる
とする。

■工藤と刑事たち

相変わらず松本刑事と工藤の絡みは面白い。
手錠ネタも徐々にきわまってきたね。

工藤俊作 …… 松田優作 (探偵)
服部 …… 成田三樹夫 (刑事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (俊作の隣人の女性・モデル)
かほり …… 竹田かほり (俊作の隣人の女性・歌手志望)
松本 …… 山西道広 (刑事・ヒゲ)

初代イレズミ者 …… 野瀬哲男
サブロー …… 庄司三郎 (バーテン)
ダンディー …… 重松収 (情報屋・ビリヤード場)
風俗嬢 …… 三原玲奈、真辺了子、平田弘美
京子 …… 橘雪子 (トルコ"迎賓館")
飯塚 …… 清水宏 (骨董品屋・情報屋、映画好き)
花山チー子 …… 花井優子 (オカマ)
山崎 …… 榎木兵衛 (宝石の故買屋)


高宮修 …… 藤村有弘 (犯人・主犯格)
マヤ …… ホーン・ユキ (犯人)
志麻子 …… 岡本麗 (コールガール)
レナート・サルバトーレ …… ユセフ・トルコ (イタリア語教師)
関根良彦 …… 関川慎二 (通称:リョウ)
イクコ …… 赤木理恵 (メイド)
ジーナ …… 渡辺義之
安代 …… 青山恭子
フロント係 …… 五條博 (ホテル"テン")
DJ …… 池田まさる (ディスコにて)
黒人ダンサー …… エミリー岡田 (ヌードの人?)
オバさん …… 高山千草 (騒音が五月蠅いと文句を言う隣人?)
買春客? …… ウィリー・トーシー

河合紘司、井尾地隆吉、高山千草、酒井郷博、雪江由記
荻田晴美、荒川美智恵、田中美枝、石田久美子


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