探偵物語
(1979年9月18日から1980年4月1日・全27話)
(火曜21時枠・日テレ)

企画:加藤教夫、黒澤満
監督:村川透(1)(2)(14)(15)(16)、西村潔(3)(4)(6)(11)
澤田幸弘(5)(7)(9)
長谷部安春(8)(10)、加藤彰(12)(13)、小澤啓一(17)
脚本:丸山昇一(1)(5)(11)(13)、那須眞知子(2)
佐治乾(3)(4)(6)(7)、柏原寛司(6)(15)、中島紘一(8)
宮田雪(9)(17)、白坂依志夫(10)、和久田正男(12)、那須眞知子(14)
内田栄一(16)
プロデューサー:山口剛、伊藤亮爾、柴垣達郎
原案:小鷹信光
音楽:SHOGUN
音楽監督:鈴木清司
オープニングテーマ:「Bad City」 by SHOGUN
エンディングテーマ:「Lonely Man」 by SHOGUN





第18話 犯罪大通り
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工藤は裏家業の友人からの頼みで待ち合わせ場所へと向かう中、
突然銃声が鳴り響くと工藤の目の前に矢のついたサンマが降っ
てくる。黒猫に獲物を持って行かれるところだったという
補聴器をした不気味な男に工藤は苦笑いする。

そんな中、工藤は知り合いの武器商人の元を尋ねる。
外に変なヤツがいるぞと語ると、武器商人の元にいた篠田権三郎
からは補聴器をした男かと問う。あれは殺し屋だと告げる篠田。
武器商人は篠田から拳銃を買い取る中、彼は大阪のヤクザだが
女性を捜しているので工藤に人捜しをして欲しいのだという。
篠田は一枚の写真を見せると、女性の名前は丸根銀子でたこ焼き
屋の屋台で働いていたが、東京で遭うことになっていたのだと
いう。銀子を探してくれたら200万円払うというが、工藤は
拳銃を撃っていたヤクザが200万円も払えるのかと疑う。
取りあえず銃を撃った金・10万円支払う事を告げ、見つけてくれた
ら必ず払うと語る。

二人はおでんの屋台で語り合う。
雲を掴むような話だが、彼女は歌手になりたいと言っている
のだとし、ブラジルに行って歌手になろうとしている事を
語る。

帰宅した工藤はサンマを焼いて食べようとすると夕べいつの間
にか居なくなった篠田から電話が鳴る。
そんな中ナンシーかほりがやってくる。
工藤の下で働いていた二人は自分たちも歌手志望の為に、
そのツテを使って銀子の事を探していたが歌手志望の子なんて
5万と居るのでなかなか見つからないという。
工藤はセントラルスタジオに行き、プロダクションの男に写真
を見せて女性が来なかったか尋ねると、確かに来た事が有る
という。土地成金の娘で父親はゴルフ場を経営しており、一億円
を払うので売り出して欲しいと頼まれたのだという。

スタジオで収録している「スターへチャレンジ」のオーディション
に銀子の姿が有った。工藤はそれを編集者の脇で色々と
ウンチクを垂れながら彼女の歌を聴いていた。
オーディションが終わると、工藤は彼女が泊まるホテルの一室
へと足を運ぶ。銀子は工藤がプロダクション関係の人物かと
考える。一億円の準備金は本当にあるのかと問うと、ベッドに
隠してある一億円を銀子は見せる。一億円はウソではなかったの
かと呟く工藤は、篠田というおっちゃんを知っているかと問う。
自分は篠田から銀子を探して欲しいと雇われた私立探偵だ
語る。篠田と東京で会う約束をしていたのだろうとすると、
彼はただの屋台の客だという。しかしそんな屋台の行きずりの
客が一億円も出すと思うのか?と問うと、私のために貸して
くれたのだという。銀子は工藤に対してこれ以上詮索するならば
警察を呼ぶというが、工藤は警察を呼んで白黒ハッキリさせて
も良いという。
ちゃんと説明しろという工藤に対して、ある晩篠田から突然
一億円有ったらどうするかと問われ、私はブラジルに行って
たこ焼きの屋台でもやるかと話したという。そしたらその2、3
日後に篠田は本当に1億円持ってきたのだという。
自分は流行歌手になりたいのだとし、有名になれば蒸発した
父親が出てくるハズだというもの。
工藤は一億円を出してくれた篠田の気持ちはどうなるのかと
問う。私は父を捜して一言文句を言いたいのだと言う。
銀子に対してその金の出所は知っているのかと問い、その金を
巡って篠田が属していたヤクザの殺し屋もその金を狙って
近くを彷徨いているのだと語る。
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■大阪から出てきた者たち

大阪のヤクザ・篠田が銀子という少女を追ってきたこと。
そして更にそんな二人のことをヤクザの雇われヤクザもまた
追っていること。果たして何故そんな構図になっているのか。

■銀子の姿を見つける

歌手になりたいとしていたことからプロダクションを回って
情報を掴んでいくと、銀子本人がオーディションに来ている
事を知る。一億円を使ってデビューしたいと言われていた様だが
本当にそんな彼が有るのかどうか。
工藤が直接接触して見ると確かに一億円を持っていることが
分かり、その金が篠田からのものだと分かる。

銀子は歌手になって蒸発した父を捜したい思いが有るようだ。

■何でも金で片付くと思うな!

工藤は銀子に買収されそうになった。
一度はフラっとなったけど、工藤の誠実さが光った感じだった。
篠田と飲んだおでんの屋台での一日の出来事で依頼人に肩入れ
した部分も有るのかな。

■殺し屋が常々行く手を阻む

石橋蓮司さん演じる殺し屋。
銃に矢を入れて発砲していたけど、そんなことしてマトモに
矢が飛んでいくのか。
お魚咥えたどら猫を追っかけて、サンマを射貫いて、それを
工藤は朝食にするみたいなちょっとあり得ない度の高いもの。
しかし殺し屋もプロとはいえ、なんで直接銀子を襲わなかった
のだろうか?

■1億円の出所

工藤は立ち寄ってラーメン店で知る事になるのだけど、
新聞によると大貫(27才)という男が大学の金を横領したものを
盗み出した篠田が盗んだようだ。その金を巡って篠田が属して
いるヤクザも狙っていた様だ。

■向ヶ丘遊園

工藤と篠田が観覧者に逢って話すシーンがあった。
その現場にも殺し屋が現れたということで、工藤は篠田を
逃がして自分が囮として殺し屋の注意を引く。
遊園地のアトラクション内に入るけど、鏡の部屋のシーンは、
明らかにブルースリーの映画「燃えよドラゴン」のパロディ
だろうね。

■篠田は心優しいヤクザ

子供を助けて車に轢かれるという男。城西病院に入院していた。
看護師と患者がHしているシーンとか(笑)
工藤ちゃんが途中で殺し屋と会話している際にキスしそうになる
くらい接近するとか、面白いシーンが有った。

■警察との協力関係も忘れずに。

松本と服部との繋がりもこのドラマの楽しさの一つ。
毛皮を贈って捜査してもらうことにする。犬の毛のコートだと
していたけどね。

■遠くの親よりも近くのおっちゃんだ

結局歌手の道を諦めて金を返して大阪に戻ることになる銀子。
銀子なんて名前凄いな。新幹線で帰る道で銀次にだけは逢うな!
と小一時間。


工藤俊作 …… 松田優作 (探偵)
服部 …… 成田三樹夫 (刑事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (俊作の隣人の女性・モデル)
かほり …… 竹田かほり (俊作の隣人の女性・歌手志望)
松本 …… 山西道広 (刑事・ヒゲ)

補聴器の男 …… 石橋蓮司 (殺し屋、銃弾の代わりに矢を使う。銃弾で鼓膜が・・)
篠田権三郎 …… ハナ肇 (引退を考えているヤクザ)
丸根銀子 …… 熊谷美由紀 (歌手を目指す、父が失踪)
大貫正一朗 …… 谷本一 (大学から不正入学の金を横領)
プロダクションの男 …… 島村謙次
風俗係の刑事 …… 篠田薫
看護婦 …… 森愛
新人歌手 …… 石崎晴子
司会者 …… 池田まさる
ホテルの掃除婦 …… 小海とよ子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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