大捜査線
(1980年(昭和55年)1月10日〜12月25日・全42話)
(大捜査線シリーズ 追跡・31話以降)

企画:佐々木太郎、高橋久仁男、河村雄太郎
プロデューサー:山本剛正、矢島進
音楽:津島利章
選曲:山川繁
主題歌(1):「君は人のために死ねるか」
主題歌(2):「いま愛のために」

http://www.bs11.jp/drama/2073/





第34話 この子はだあれ?

脚本/山浦弘靖 監督/高橋繁男
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ディスコで女性が突然血を流して倒れて死亡する。
南城たちはすぐに現場へとやってくる。
110番通報を受けたのが21時03分で最初の警察官が到着したのが
21時07分だという。店長が機転を利かせて、事件当時の客を
誰も外には出さず留めて置いてくれていた。
中林は特に外傷も無い事から
毒物による殺害の可能性が高い
という。被害者の席には赤いバッグが残されており、店員に
よると彼女は
2ヶ月前から毎週土曜日にこの店に来ていたという。
常連客の一人だが素性は知らないとのこと。テーブルに有った
ジュースのコップから青酸性化合物が見つかるが、連れは
居なかった様だという。当時ディスコには76名の客がいて、
9名の従業員が居る事から毒を盛った人を特定するのは難しい
という。ジュースを運んだ店員は客とは親しくするなと言われ
ている事を告げる。

女性の身元を示す物が何も見つからず、遺体は観察医務院に
運ばれると
遺体番号37262として扱われる。南城が遺体を
見ているのを知って都築が声を掛ける。ああいう遺体を見て
平気で居られるようになるには3年くらいかかるという。

翌日、死因は正式に
青酸性による毒殺だと判明する。
更に
被害者は妊娠3ヶ月の状態だったという。ディスコでボーイ
ハントして妊娠するとは・・・と若者の現状に呆れる刑事達。
遺体の女性が誰なのか分からないために顔写真を報道機関にも
流して情報を集めようという。KNNニュースでも報道される。
そこでは顔写真は使われず被害者は女性で、17、8歳、160cm
48kgと報道される。本庁でも多数の捜索届が出ているが今のところ
該当者は見つからないという。

水野と南城は女性が来て居た服が何処で買われたものなのか
を特定しようとするが、服店によるとバーゲン向けの服で
何処にでもあるようなものだという。
色々と彼女と一緒に居た人物から話を聞いていくが、美容師
の男性もタクシー運転手の男性もモーテルには行ったが名前は
知らないとし、いずれも
一晩限りの関係だという。他にも
二人男性関係を見つけるが、
女性の名前を知っているものは
居なかった

ナンシーの店で刑事達はその現実について話していると、
ナンシーは寧ろ相手への思いやりなのかも知れないとし、一晩
だけのアバンチュールも有りだと語る。

そんな中テレビでは教育評論家で児童福祉家の里村京子が出て
いるのを目にする。とても著名な人物でディスコの事件にも
言及していた。親の甘さがこのような事態を引き起こすとし、
身近に居る母親が子供の行動に厳しい目を向けて欲しいという。

そんな中、新田刑事を訪ねてディスコの店員・平井がやって
くる。一人有力な人物が居るとし、吉岡という自動車整備工の
男性が女性と言い争いをしているのを思い出したという。
自動車整備工ならばバンパーのメッキにシアン化カリウムが
使用されるとして、話を聞きに行くが、10時前にはディスコから
出て行ったという。彼女は俺には興味が無いとし、先日ラブホ
テルに行った際に、彼女から自分の飼っている
犬・ゴルベの
写真
を手渡されたという。

5日経過するが・・・以前として事件の情報も、そして彼女に
関する情報も皆無だった。

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■謎の被害者女性

ディスコで殺害された女性。
なかなか身元が判明せず、誰一人として名前・素性が分からな
いとするところは、面白い切り口のエピソード。
当時監視カメラなども無いだろうから捜査としても難しい所
が有っただろうね。捜査に於いてあんまり指紋分析とか
することが無かったりするしね。

■南城の過去

今回中盤以降南城がやたらとフレームに写るようになったけど、
南城には物心をついた時から母親が居ない様だ。

母親に対する幻想から、母が娘を殺すはずはないと考えて
それに異議を唱えるものたちに感情的になる姿が有った。

果たして南城の信じている母親に対する幻想を保つことは
出来るのか。

■教育論者の娘

一枚の写真から被害者の素性が判明していく。
それが本人の写真でも家族の写真でもなく犬の写真という
ところが悲しい。一週間近く娘が居ない事に気がつかない
母親が教育・子育てを語るという滑稽さが今回のポイントだ
った。

■娘は何故ディスコ通いするようになったのか

母親が忙しくしていることで寂しさのあまりディスコ通い
をするようになったのかに思われたが、実際には両親の件が
絡んでくる。
彼女が書いていた日記・9月13日の内容の中で、私は見てしま
った死にたいという事が書かれてた。
ちょうど二ヶ月前のことで有り、ディスコに通い始めた事との
関連性が疑われる中で、大学教授の父が亡くなっているのを
知る。しかも母親が父親と口論の末に崖から突き落としてしま
ったこと。殺そうと思って殺したのか、それとも弾みなのか。
犬が勝手に驚いてリードに引っ張られてしまい崖から落ちた
のだろうか?

■隠蔽工作

展開としてはあからさまな物が有ったけど、加納の提案で
事件を知らせる日記の存在があるということを京子に示唆
してそれを処分させることで自白を引き出していくというもの。
これで逮捕状が出るというのも現在ではあり得ないけど、
まぁ仕方がない。
銀行口座に振り込まれた金の流れ、そして娘を殺害したのは
マネージャーである西崎だったということで、取りあえずは
南城の母親に対する幻想は守られたということなのか。

■名前は里村ユカリ

被害者の名前。
誰もが名前を知らず知りたがっている人もいた。
如何にも都会で起きた事件って感じで、当時は斬新な事件
だったのかも。

加納明 …… 杉良太郎 (主任)
都築悠子 …… 本阿弥周子 (刑事)
水野誠太郎 …… 赤塚真人(刑事、16話から)
中林雅彦 …… 青木義朗(刑事12話から)
大滝修造 …… 山内明 (警視庁刑事部第四機動捜査隊・隊長)

南城タクヤ …… 大村波彦 (刑事、元神奈川県警)
新田エイイチ …… 光田昌弘 (刑事、父は検事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (元モデル、喫茶店"フラミンゴ"
経営)
モコ …… 棟里佳 (ナンシーの姪)

予告ナレーター:中江真司

中島正二、村上豪、柳沢紀子

久保菜穂子、平松慎吾、根本由美、金沢伸治、桑原一人
堀礼文、岩城和男、水橋和夫、石橋俊二、岸本功
沢柳迪子、小早川正明、池田功、富沢勇、松下祐子
酒井郷博


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