大捜査線
(1980年(昭和55年)1月10日〜12月25日・全42話)
(大捜査線シリーズ 追跡・31話以降)

企画:佐々木太郎、高橋久仁男、河村雄太郎
プロデューサー:山本剛正、矢島進
音楽:津島利章
選曲:山川繁
主題歌(1):「君は人のために死ねるか」
主題歌(2):「いま愛のために」

http://www.bs11.jp/drama/2073/





第35話 裏切りの街・大都会

脚本/田村多津夫 監督/木下亮
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バイクの男性は運送会社"富士運送"のトラックを見つけると
会社に潜入し、バンパーの傷跡から、このトラックが事故車だ
と分かる。男は積み荷を調べると中からは多数の銃器が発見
され、密輸に手を貸している事を知る。

トラックが出発するとバイクの男はカセットテープの音楽を
大音量にかける。クリスタルキングの"大都会"の曲。
バイクを走らせる中で、トラックの前に回ると、バイクを止め
突然トラックに向けて
火炎瓶を投げつける。そしてトラックの
運転手が怯んだ所を男は銃で運転手に発砲する。

すぐに第四機動捜査隊が捜査に乗り出す。
殺害の仕方を見ると殺し方は余程の恨みが有ったであろう凄惨
なものだった。元々殺しとはそんなものだという水野。
しかし新田によると火炎瓶の中身が原始的なもので過激派によ
る行動だと結論づけるには無理が有るという。
目撃者の男性によると若い男性では有ったがあっという間の
出来事で銃を撃つとバイクに乗って逃走したという。

被害者は落合トミオ(33歳)
富士運送のトラック運転手で社長は武藤トクジ(38歳)
会社では8人のドライバーを抱えているが、落合はその中でも
責任者だったという。しかし何故犯人は犯行に拳銃を使ったの
か気になる加納。
第四機動捜査隊では衝動的犯行なのか、それとも計画的犯行な
のかで意見が分かれていた。しかし性格に運転手だけを射貫い
ていることからそりなりに手慣れたものの犯行との線が強かっ
た。加納は被害者の身辺を洗うよう告げる。

落合が住むアパートの大家に尋ねると、とても真面目な人物
で節約して、
独立したがっていたという。所帯を持つのは独立
してからだとして仕事に精を出していたとのこと。
ドライバー仲間に尋ねると、落合はとても頑張っていたという
が、この職場ではアルバイトが許されており、
自分で注文を持っ
て来て運ぶことも出来た
のだという。
ヤバイものも運んで
いるのではないかという一部噂も有った
とのこと。

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■運送会社と犯罪

今回の件は運送会社が銃の密売が関与しており、銃を運ぶ最中に
湘南をバイクで走っていた男性・キノシンスケ&ユキと衝突し、
見捨てて逃げた事から、生き残ったキノシンスケが復讐に走る
というもの。

■この時代も患者は病院をたらい回しにされる事に・・・

運送会社が交通事故を起こしているという事を神奈川県警の交通
課の本間が報告してくる。しかし目撃者が通報する間に、現場
からはぶつかったトラックとバイク共に無くなっている事から
現場付近の病院を調べていくと、ユキは受け入れられずに
たらい回しにされていた事実を知る。

■キノシンスケとユキ

共に親が無く天涯孤独の身。
二人で南米に行って自分の力で生きていこうと考えていた様だ。
太陽にほえろ!と一エピソードだったか、確か若者たちが
小さなヨットで海外にフロンティアを求めて狂言誘拐を働く
みたいなエピソードが有ったけど、南米に活路を求めていると
いうのは日本の移民政策の名残があるのだろうか?

■犯人像は?

暴力団が犯行を犯したのか、それとも過激派による仕業なのか。

この時代でも線条痕を調べて捜査するという事は行われていた
んだね。

同じ性格の銃から発砲されたが線条痕は一致せず。
いずれも38口径、コルト社製造のローマンMkIIIで使用された
ということで、暴力団が疑われたが、実際には関係無かった。

■湘南を暴走するもの

南城は元々暴走族と関わりの有る職場にいたので、一番心情的
にも理解出来るところがあるのだろう。
南城が追いかける単独のシーンが描かれており、南城の加入で
大捜査線シリーズの立て直しを図った感じだけど、あんまりふる
わなかったのかな。大村波彦さんはなかなかのイケメンだけど
ややキャラ的には弱かったのかな。

何度か挿入されるユキはシンスケの姿が切ない。
最後には一緒に暮らしていたのではないかとする海岸沿いの掘っ
立て小屋を燃やす姿が有り、切ないものが有った。そして
シンスケ本人もバイクごと海に飛び込む姿が有った。

■杉様の大立ち回り

第四機動捜査隊は人数が少ないよな。
革手袋をハメて車に乗り込みセイワ興業を追い詰める際には、
加納明一人で何人もの相手と戦うシーンが描かれた。

■銃を密輸していたのは大手商社の課長

西岡友喜が主犯だった。
最後に逮捕されるという新聞記事を読んだシンスケが西岡を
射殺しにくる。
悪い事は出来ないね。
モコちゃんが恋人のために復讐しているシンスケを格好良いと
誉めていた。
音楽を流す姿は印象的だけど、自分が犯人だと言っている様な
ものだよな。まぁ捕まる捕まらないは犯人にとっては関係
無かったのだろうけど。

加納明 …… 杉良太郎 (主任)
都築悠子 …… 本阿弥周子 (刑事)
水野誠太郎 …… 赤塚真人(刑事、16話から)
中林雅彦 …… 青木義朗(刑事12話から)
大滝修造 …… 山内明 (警視庁刑事部第四機動捜査隊・隊長)

南城タクヤ …… 大村波彦 (刑事、元神奈川県警)
新田エイイチ …… 光田昌弘 (刑事、父は検事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (元モデル、喫茶店"フラミンゴ"経営)
モコ …… 棟里佳 (ナンシーの姪)

予告ナレーター:中江真司

中島正二、村上豪、柳沢紀子

武見潤、菅貫太郎、早川保、秋山絵梨子、笹入舟作、安田憲史
中川明、吉良冬太、鹿島信哉、荒瀬寛樹、笠井心、宮沢勇
今野清志、福井教夫、小野塚千枝子、三沢もと子、浅見ひろ子
小笠原まり子、青木裕子


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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