大捜査線
(1980年(昭和55年)1月10日〜12月25日・全42話)
(大捜査線シリーズ 追跡・31話以降)

企画:佐々木太郎、高橋久仁男、河村雄太郎
プロデューサー:山本剛正、矢島進
音楽:津島利章
選曲:山川繁
主題歌(1):「君は人のために死ねるか」
主題歌(2):「いま愛のために」

http://www.bs11.jp/drama/2073/




 

第40話 悪魔のような女

脚本/宮下教雄 監督/木下亮
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駅のホームで列車を待っていた女性・小泉ユリは、男性によっ
て突き飛ばされ危うく線路に落ちて殺されそうになる。

この日、隊長の大滝は風邪で病欠。
中林は長女のトシ子の進学について娘から相談を受けていた。
中林によると、娘は変わり者で女性なのに
理数系が得意で理工
系の大学への進学を希望している
というのである。
そんな折り、中林の元に電話が鳴る。
電話してきたのは、小泉ユリだった。ユリから相談があると
言われたので中林は警視庁の近くに有る
喫茶店"フラミンゴ"
待ち合わせする事になる。
中林は加納に事情を説明して仕事から抜けることに。
今から逢うのは
5年前に駒沢の柿の木坂で起きた強盗殺人事件
の犯人・小泉マサオの娘で、父子家庭だったので、中林が
知り合いのガソリンスタンドに頼んで就職させてもらったのだ
という。

フラミンゴでは、モコとナンシーが二人の事を興味深く聞く耳
を立てていた。中林が若い子を連れて来たというのが余程
衝撃に写ったのである。父親は現在
府中刑務所に収監されて
おり、元気でやっていると報告するユリ。中林はユリもとても
大人の女性らしくなってきたことを語ると、逆に中林は5年前
から変わりない姿だと告げる。
相談の内容とは何かと問うと、
最近変な事ばかり起きていて怖かったのだが、中林の顔を見たら
安心したのでもう大丈夫だという。良かったらこれからも
逢って欲しいと言われ中林は了承し、そして自宅の電話番号
も手渡す。何か有ればいつでも連絡して欲しいと。

そんな中、ユリが帰宅するのを車の中から監視する二人の男・
石崎リュウゾウユウイチの姿が有った。
ユリはアパート近くの店で果物を購入する中、人気の少ない
場所に行くと、二人の車が近づき道案内を求めるフリして
彼女を車内に押し込むと、拉致して逃走する。
そして人気のない刑務所前の直線道路で彼女を車から投げ下ろす
と車は逃走する。ユリは一体何だったのかと迷う暇もなく、
目の前からは石崎テツジが運転するトラックがやってきて、ユリ
の事を轢いていくのだった。

中林は帰宅すると、次女のヨウ子と長女のトシ子はテレビを
見て父の帰宅を待っていた。ヨウ子を眠らせると、トシ子と
母と父で娘の進路について話し合う。4年生の工学部に進学する
など反対だとする母に対して、短大を出てすぐに結婚する事を
母は求めているのかも知れないが、その様に生きた母の現在は
幸せなのかと問う。父は母親とは別の幸せを掴む決心をした
という事かと娘を問う中で、突然中林の元に電話がなる。

急いで電話してきた
東武蔵署の警察官・松川に逢う。
呼び出されたのは
東武蔵病院で、小泉ユリが車に轢かれて
全身骨折で意識不明の重体だという。彼女の持ち物の中に
中林の名刺が入っていたので連絡したという。
医師からも全身打撲でかなり危険な状況だと聞かされる。

一方
石崎土建では、母・石崎カナ子が三人の息子・テツジ、
リュウゾウ、ユウイチに命令して
保険金詐欺を繰り返していた
末っ子のリュウゾウは母に対してこんな恐ろしい事はもう辞めよ
うと告げる。リュウゾウは父親に似て弱虫だと言うと、こんな
恐ろしい事をしているから父さんも蒸発したのだという。父は
優しい人だったと告げると、母はお前達の為にしている事だ
という。他の兄弟たちも母の悪口は言うなとしてリュウゾウを
責めるのだった。

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■中林のメインの話

殺人犯を犯した男性の娘の件で今回中林が彼女のことを気に掛
けていた事が判明する。
相談を持ちかけられるが、いざ本人を目の前にするとなかなか
相談出来ないというのが如何にも日本人らしいところなのかな。

しかし今回のユイは可愛いから面倒を見たくなるのも分かる
けど誰にでも面倒を見ているのかが気になる。

■中林家の事情

中林家には二人の娘が居ることが判明する。
その内の今回は長女の進路の件で家族で衝突。
娘の話はなかなか聞けなくとも、今回の被害者のユイにかかり
っきりになる姿を見て嫉妬心が芽生えた感じなのかな。

母親のことを悪く言うのはちょっと違う気がしたけど、母も
また自分の価値観を押しつけすぎるのは良くないという
感じかな。

■今回の犯人

母親が凄い鬼畜な女性だった。
三人の息子たちは母親に従うだけ従うという感じ。
末っ子は心優しいけれど、母や兄たちには反抗出来ずに
仕方なしに犯罪に荷担していた感じ。

親子関係というのが今回の一つのテーマだったのかも知れない。

■ちょっと無理のある犯罪

全くの他人が受取人として保険に入るなんてあり得ないな。
せめて設定として被害者とは遠い親戚くらいにしておけば
いいのにね。

懐かしい昭和のする家庭で憎めない所が有りそうなんだけど
している事がエグイというのがまた何とも言えなかった。

中林が二人の娘を大学にやれるというのも中林の父が保険
金で金を残してくれたからだという。
そこから加納が犯罪の意図に閃くけど流石に強引すぎた。

■女性にも反抗期はある

都築が今回男性の反抗期は甘えのようなモノだが、女性の
反抗期は大人になる為のものだと語っていた。

反抗期というよりも家庭を顧みなさすぎな父もまた悪い
という所だけど、刑事という職業柄難しいところもある
のかな。

最後の加納のフォローの仕方は良かったね。

加納明 …… 杉良太郎 (主任)
都築悠子 …… 本阿弥周子 (刑事)
水野誠太郎 …… 赤塚真人(刑事、16話から)
中林雅彦 …… 青木義朗(刑事12話から)
大滝修造 …… 山内明 (警視庁刑事部第四機動捜査隊・隊長)

南城タクヤ …… 大村波彦 (刑事、元神奈川県警)
新田エイイチ …… 光田昌弘 (刑事、父は検事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (元モデル、喫茶店"フラミンゴ"
経営)
モコ …… 棟里佳 (ナンシーの姪)

予告ナレーター:中江真司

中島正二、村上豪、柳沢紀子

根岸明美、片桐竜次、立枝歩、頭師佳孝、三田登喜子、遠藤征慈
山添三千代、原田千枝子、戸川京子、林弘造、水無坂冬子
鳴海剛、吉永慶

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