大捜査線
(1980年(昭和55年)1月10日〜12月25日・全42話)
(大捜査線シリーズ 追跡・31話以降)

企画:佐々木太郎、高橋久仁男、河村雄太郎
プロデューサー:山本剛正、矢島進
音楽:津島利章
選曲:山川繁
主題歌(1):「君は人のために死ねるか」
主題歌(2):「いま愛のために」

http://www.bs11.jp/drama/2073/




 

第41話 鐘の鳴る丘

脚本/宮下教雄 監督/木下亮
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多摩動物園の裏山は時折カップルが訪れる静かな場所だった。
そんな中、男女のカップルが車で現場へとやってくる。
女性は男性との関係を拒んで林の中に逃げようとすると、突然
若い男が不自然にも林の中から出て来て車で逃走する。
カップルは一体若い男が一人で何をしていたのか、その現場
へと赴くと、なんと現場からは
白骨遺体が発見される。

南多摩署杉本、谷などが現場で捜査する中で、警視庁四機捜
の中林と水野が現場へとやってくる。
捜査課長の杉本は、警視庁が現場に来たことに対して、事件の
臭いを嗅ぎつけるのが早いなとし、谷に現場を案内させる。
まだ監察医が来ていないので詳しくは分からないが、遺体は
骨の骨格から女性だという。白骨体を見つけたのは若いアベッ
クとのことで、発見時に挙動不審な
学生風の男性が逃げるのを
目撃
しているとのこと。杉本の見解によると若い男がホシだ
ろうとしと、その根拠として、ここには時々カップルは来る
が一人で来るというのはまずあり得ないこと。また白骨体の
近くにいたという事は現状の確認に来た可能性が高いこと。
現在アベックたちが覚えていた
車のナンバーを照合中だという。
それもすぐに見つかるので本庁が乗り出すほどのヤマではない
と語る。

すぐに車のナンバーから、持ち主は元
大和大学益田トシヒコ
(23歳)
だと判明。白骨遺体は20歳代前後で、頭部の骨に損傷を
負った跡が見つかっているという。
白骨遺体は腐敗の状況から
三ヶ月前の9月頃
とのこと。
中林は所轄は本庁の介入を嫌っている事を報告するが、加納は
捜査を続行するよう告げる。

益田が住んでいるアパートへ。
彼の実家は
信州・松本だという。管理人によると手紙が有る
ハズとのこと。女性関係を尋ねると、二年くらい前まで同棲
していた女性が居たが、最近は見かけないという。同じ大学の
女性で確かヨウコという名前だと。

大和大学に行き益田の事を聞くと、一年で授業料を滞納した
為に除籍になっているという。一年生でヨウコという名前は
三人居て、佐藤陽子(19歳)、坂井洋子(21歳)、栗原陽子(23歳)
だという。構内を聞き込みした結果坂井洋子と付き合っていた
事が分かる。
新宿のバーの常連だったこと。バーの店員によると二年前くらい
前まで毎日通っていたが、最近はまるで来なくなったという。
加納はアパート周辺の歯医者を調べて、坂井が通院していた所
が無いか調べる様告げる。

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■所轄と本庁の張り合い

大抵のドラマだと本庁の刑事の捜査権が優先されそうな感じ
だけどこのドラマでは所轄の刑事が随分と偉そうだった。
あの南多摩署の課長はエリートだとしていたけど、本庁から
派遣された刑事なのか?

■だらしない男vsだらしない女

男性との付き合いが派手だった女が被害者で、金持ちのボンボン
のような男が被疑者だった。
ただよく分からないのは、今回の犯人・益田トシヒコは何故
金持ちだったのかという事かも。
実家は信州・長野で手打ちうどんをしていたとのことだけど、
手打ちうどんがそんなに儲けているのか?
トシヒコが住んでいたアパートって彼の実家が所有していた
ものだったのか?

■白骨遺体

カスペルの法則による遺体の腐敗の速度のことが加納によって
述べられていた。地中にいるか水中にいるか地上に遺体として
さらされている状況では腐敗の速度が変わるというモノ。
当初三ヶ月前だとしていたけど、実際には二年前の遺体だった。
流石にそんなに差が出るとは思えない。
BONESならば骨が足りないので、どこかから移動された
みたいな所に繋がるのだろうな。

■信州・長野に何が?

容疑者は益田トシヒコでほぼ確定だと思われたけど、突然
小森コウジが自首してきた。
トシヒコの実家は松本。そして小森の事を調べていくと、
彼は戦争孤児で、長野の穂高の鐘の鳴る丘としても有名な
有明高原寮に居たことが分かる。
更に足取りを調べていく内に、当時保護司をしていた益田ツネ
タロウが、小森のことを身元引き受けして、世話していた事が
判明する。

■被害者・坂井の2年間は?

みんなに二年前の事なのに良く覚えているなという感じ。
なんと遺体は益田の部屋の床下に埋められていた事が判明。
人を殺したのならば、もう少し人生観が変わりそうな気もする
んだけどね。

■このドラマ、最高のシナリオだった

たぶんこのエピソードがこのドラマのベストシナリオだった
と思う。所轄と本庁の対立はもちろん、恩返しの意味を問う
物語で、巡り巡って自分が受けた恩と同じような形で恩返し
をしていくことになるという流れが存在するもの。

加納明 …… 杉良太郎 (主任)
都築悠子 …… 本阿弥周子 (刑事)
水野誠太郎 …… 赤塚真人(刑事、16話から)
中林雅彦 …… 青木義朗(刑事12話から)
大滝修造 …… 山内明 (警視庁刑事部第四機動捜査隊・隊長)

南城タクヤ …… 大村波彦 (刑事、元神奈川県警)
新田エイイチ …… 光田昌弘 (刑事、父は検事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (元モデル、喫茶店"フラミンゴ "経営)
モコ …… 棟里佳 (ナンシーの姪)

予告ナレーター:中江真司

中島正二、村上豪、柳沢紀子

今福正雄、速水亮、小原秀明、内田喜郎、西願由美
岩城力也、天草四郎、榎本兵衛、伏見哲夫、八代康二
小早川正明、舟川紀子、百良雄、松尾正平、福永幸雄
成田次穂

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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