気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第5話 怪盗の正体は?
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町内会では旅行の計画を立てていた。
占い喫茶"マリー"の店に集まり、女性陣は旅行先はレジャーラ
ンドが良いと考えるが、マスターら男性陣はカメノコ温泉
行きたいという。どちらに行くべきなのか。
圭介は家出人の中学生の件を処理する中、家出した女の子を
送り届けると、喫茶店で経費の計算をする。
店には浩三がやってくると、明子は店を休んで何処に行って
いたのかと問い、ここ2日間、無断で休んでいることで予約した
客は怒っているのだという。明日からちゃんと営業してよと
娘に言われる。そんな中、町内会の旅行の件で争っているのを
知ると、浩三はそんなに揉めているのであれば投票で決める
よう告げる。
圭介は荒木から経費なんて出るようになったのか?と問われる
と、圭介は確かに出るとは限らないと考え、水増しして報告
しようと語る。

圭介は経費を聖子に提出すると、あまりに高い経費に激怒。
相手の中学生を説得する際、高級ホテルで食事させないと
戻らないと言われた事を告げ、相手は金持ちの子なので仕方
がないという。給料から差し引くという聖子に、圭介は勘弁
して欲しいと懇願。聖子は仕事は遊びではないのだと告げ、
なるべく経費を節約して迅速に対応するのがプロの探偵である
事を語る。今回は半分払うという聖子に作戦通りだと語る。

浩三が聖子のオフィスにやってくる。
浩三はオレが頼んでも仕事を引き受けてくれるかと尋ねる。
聖子は仕事で有れば引き受ける事を告げると、この人物を
探して欲しいと語る。写真の男性は深沢重雄(45歳)。写真
自体は5年前のものだという。圭介はどんな人物なのかと問うが
刑事時代の知り合いだという。3日前にバスに乗っていると
彼が中町付近で歩道を歩いているのを見たのだという。
聖子は今すぐ圭介に調査にいくよう求める。

圭介は八田から話を聞きに行く。
すると写真の男は怪盗106と呼ばれる泥棒で、5年前に東京中を
荒らし回った人物だという。大藪は圭介が署に来ているのを
知ると大した用事もないのに警察署にくるなと告げる。
八田は数日前に浩三が署に来て同様のことを頼んできたが
管轄の違いであることと、ちょうと管轄内でピストルを持った
人物が潜伏しているという事件を扱っていたのではっきりとし
た調査は出来なかったのだという。深沢の事件に関しては半年
で時効になる案件だという。八田はここだけの話だとして、
深沢は浩三が刑事時代に担当した事件で、現場検証中に深沢が
トイレに行く際に手錠を外したところ、逃げられるという大失態
を起こしていた事を知る。そのせいで浩三が刑事を辞めるハメ
になったのだという。

圭介はタバコ屋や出前持ちなどから聞き込みをするが、まるで
手がかりはなかった。
町中で偶然家庭訪問中だという緑と遭遇する。彼女が勤める
小学校がこの近くに有ったのである。圭介は人探しをしている
事を告げ写真を見せる。すると緑は何処かで見た事がある顔
だという。確か滝沢さんだとして、エリザベス教会で世話役を
しているとのこと。圭介は緑に案内するよう告げるが、最近
圭介が冷たいとして案内するのを拒む。なんとか説得して一緒に
教会に行く。

教会には両親を失い教会で育つめぐみという子供がいた。
滝沢は現在マザーを病院に迎えに行っているのだという。
ちょうど会話していると滝沢とマザーが戻ってくる。今日は
マザーの誕生日なので二日の外泊が許されたのだという彼女
は高齢のシスターだった。滝沢は今日はマザーの誕生日なので
一緒に緑や圭介にも祝って欲しいと語る。
圭介は緑に対して、滝沢と名乗っている人物は時効間際の泥棒
である事を告げる。しかし緑はあんな良い人がそんなことを
する訳がないとして、教会を守る為に熱心に働いている人だという。
探偵をしてからというもの、圭介が妙に人を疑り深くなった
として、誕生日会では私に恥を欠かせないでと語る。
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圭介たちの探偵事務所には何と元刑事の耕三からの依頼が
入る。耕三は街の中で見かけたある人物を捜して欲しいの
だという。八田きら話を聞くと、5年前に逮捕した怪盗で
有る事を知るが、当時の浩三は容疑者を逃がして辞職に
追い込まれていた事を知る。

元刑事が探偵に頼むという不自然にも思えるシチュエーション
だけど、浩三自身が別の仕事をしていることを考えると、
それも致し方ないのか。

浩三が首になったとする相手故に色んな複雑な思いがするもの
が有った。
浩三としては刑事としてやり残した思いが有るのだろうし、
容疑者にかける思いというのは容易なものではないのだろう
けど、問題としては、その容疑者の男性が現在どのような
状況に有るのかどうかということなのか。

シスターとの出会いによって当時の姿とはまるで変わっていた
という深沢重雄。
逃げる為の口実ではないかとする思いも有ったけど、実際に
は良心的な行動を起こしていた。

違和感としては、サラ金=悪となっていて、深沢が盗みを働く
際に一緒になって行動を取る圭介に有ったし、最後に浩三は
深沢のしていることを知って捕まえることは辞めたけど、
彼が勝手に法の執行人となってはいけないというところに有った
かも。

シスターは2日間の退院の許可を得ただけなのに、私が一人で
深沢の帰りを待つというのも違和感は有ったかな。



夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店"占い喫茶マリーのオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (喫茶店"占い喫茶マリー"でアルバイト)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・パパの弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (整体師)

深沢重雄 …… 車だん吉 (5年前の怪盗106、ギャンブルで借金)
池上ハル …… 原ひさ子 (エリザベス教会マザー)
老婆 …… 武知杜代子 (タバコ屋)
婦人 …… 池田道枝 (信者)
有吉 …… 石倉民雄 (チャンピオンローン)
用心棒 …… 大島幸三郎 (チャンピオンローン)
社員 …… 森岡六太郎 (チャンピオンローン)
ガードマン …… 荒瀬寛樹 (チャンピオンローン)
めぐみ …… 石原香 (両親が居ない)


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