華の嵐
(1988年、フジテレビ、昼ドラ)

原作:長坂秀佳
脚本:田口耕三(1-16)、下飯坂菊馬(17-35)、大久保昌一良(36)
プロデューサー:松村明、福田真治、井村次雄
企画:出原弘之
音楽:奥慶一
演出:松生秀二(1-5)(11-15)(21-25)(36)
花堂純次(6-10)(16-20)(26-30)、福田真治(31-35)、井村次雄



第36話
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昭和20年8月15日。日本は敗戦し終戦を迎える。
麻布に有る朝倉邸は無事戦火を逃れた。

昭和20年初冬。
一也の死が伝えられて2年の月日が経過。生き残った朝倉家も
命を繋ぐことで精一杯だった。
柳子は圭吾と共に東京都下に食料の買い出しに来る。
取りあえず野菜は手に入れたので帰ろうという圭吾だが、柳子
は明日は母の誕生日だとして、なんとか米を手に入れたい事を
告げる。

その頃、貴久子は使用人のきぬからスープが出される。
多くの使用人を抱えていた朝倉家だったが、今ではみんな解雇
され残ったのはきぬだけになっていた。自分は帰るところがない
ので終身この家に仕えるというきぬ。貴久子は出されたスープ
に口を付けることなく、今までの優雅に暮らして来た生活との
違いに喪失感を覚える。きぬはもうしばらくの辛抱だと語るが。

ある農家に立ち寄る柳子。そこで持ってきた着物と米の交換を
願い出る。しかし農家の夫婦は、今までにも沢山の人が交換に
訪れ着物など沢山あるとばかりに、そんなものでは交換できない
と告げる。柳子は背広を引き合いに出し、これで交換して欲しい
とし、これは日比谷倶楽部で1、2度着ただけのものだと語る。
すると農家の夫婦は柳子達が華族のものだと知り、今まで散々
見下してきておいて、今更なんだとばかりに柳子達を卑下する。
米が欲しいならば肩を揉めと言われると、圭吾は激怒し掴みか
かるが、柳子はそれを止め、私が交渉する事を告げる。
なんとか屈辱に耐えつつ米を手に入れる柳子だった。

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いよいよ終戦を迎える。
一也が亡くなったばかりでなく、日本は全てを失い命を繋ぐこと
で精一杯の時代。唯一プライドを支えに生きてきた朝倉家には
それさえも失う事態が訪れる。果たしてこの難局を乗り切る
事が出来るのか。

華族制度の廃止で憔悴する朝倉家だけど、流石に視聴者の多く
はその気持ちに共有するのは難しいのかも知れない。
農家一家が嫌みったらしく華族を扱ってきたけど、これまでの
家族の振るまいを見れば、そうされるのも仕方がない。

今まで働いてきた平民たちに比べて、華族の人たちは何を以て
この難局を乗り切るのか。

ドラマとしては華族制度が無くなることを柳子と圭吾しか知り
得て居ないこともあり、それを知った貴久子がどんな反応を
示すのか気になる。
琴子は比較的華族としての立場にあぐらを掻いていなかったので
大丈夫だと思うけどね。

最後に圭吾が柳子に対して誓った言葉に対して、柳子は彼に
寄り添い生きていくことになるのか。

朝倉柳子 …… 高木美保 (長女、20歳)
天堂一也 …… 渡辺裕之 (一人息子)
津川圭吾 …… 長塚京三 (叔父さん)
大森タカ …… 岩井友見 (一也の下宿の女主人)
朝倉景清 …… 高松英郎 (男爵)
朝倉貴久子 …… 稲垣美穂子 (景清の妻)
朝倉琴子 …… 早瀬優香子 (次女)
伊能鳥彦 …… 並木史朗 (新聞記者)
山下順造 …… 小宮健吾 (情報屋)
白坂彩子 …… 高須賀優香子 (柳子のライバル)
片岡元 …… 佐藤仁哉 (男爵の次男)
きぬ …… 町田博子 (朝倉家の召使)
少年時代の一也 …… 中田貴裕
早川富士乃(一也の母) …… 岐邑美沙子
正一 …… 大熊敏志 (タカの息子)
巴 …… 吉沢ゆかり (朝倉家の召使)

ナレーション:中西妙子


農家の夫 …… 久保晶
農家の妻 …… 五月晴子


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